カビボ・小林・益川行列
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カビボ・小林・益川行列(カビボ・こばやし・ますかわぎょうれつ, Cabibbo-Kobayashi-Maskawa matrix)は、素粒子物理学の標準理論において、フレーバーが変化する場合における弱崩壊の結合定数を表すユニタリー行列である。 頭文字をとってCKM行列と呼ばれることが多い。クォーク混合行列とも言われる。 CKM行列はクォークが自由に伝播する場合と弱い相互作用を起こす場合の量子状態の不整合を示しており、CP対称性の破れを説明するために必要不可欠である。この行列は元々ニコラ・カビボが2世代の行列理論として公表していたものを、小林誠と益川敏英が3世代の行列にして完成したものである。
- 1 カビボ・小林・益川行列とは
- 2 カビボ・小林・益川行列の概要
- 3 概要
- 4 媒介変数表記
- 5 演算
- 6 クォーク混合の発見
- 7 関連項目
CKM行列
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「日本の発明・発見の一覧」の記事における「CKM行列」の解説
1973年、ニコラ・カビボの研究をもとに、小林誠と益川敏英は、3世代のクォークを導入したカビボ・小林・益川行列を発表した。2008年、小林と益川は「自然界に少なくとも3つのクォーク族が存在することを予測する対称性の破れの起源を発見した」ことでノーベル物理学賞を二人で受賞した。
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CKM行列
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「カビボ・小林・益川行列」の記事における「CKM行列」の解説
小林と益川は3世代以上のクォーク対があるとCP対称性の破れを説明できることを発見し、カビボ行列にもう1世代のクォーク対を加えて 3行3列とした CKM行列を提唱した。 詳細は「小林・益川理論」を参照 上系列クォークの質量固有状態 u,c,t と対を成す状態をそれぞれ d',s',b' とし、下系列クォークの質量固有状態を d,s,b とすると, [ d ′ s ′ b ′ ] = [ V u d V u s V u b V c d V c s V c b V t d V t s V t b ] [ d s b ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}d'\\s'\\b'\\\end{bmatrix}}={\begin{bmatrix}V_{ud}&V_{us}&V_{ub}\\V_{cd}&V_{cs}&V_{cb}\\V_{td}&V_{ts}&V_{tb}\\\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}d\\s\\b\\\end{bmatrix}}} と書くことができる。この V がCKM行列である。現在知られている行列の各成分の絶対値は以下の通り。 [ | V u d | | V u s | | V u b | | V c d | | V c s | | V c b | | V t d | | V t s | | V t b | ] = [ 0.97428 ± 0.00015 0.2253 ± 0.0007 0.00347 − 0.00012 + 0.00016 0.2252 ± 0.0007 0.97345 − 0.00016 + 0.00015 0.0410 − 0.0007 + 0.0011 0.00862 − 0.00020 + 0.00026 0.0403 − 0.0007 + 0.0011 0.999152 − 0.000045 + 0.000030 ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}|V_{ud}|&|V_{us}|&|V_{ub}|\\|V_{cd}|&|V_{cs}|&|V_{cb}|\\|V_{td}|&|V_{ts}|&|V_{tb}|\end{bmatrix}}={\begin{bmatrix}0.97428\pm 0.00015&0.2253\pm 0.0007&0.00347_{-0.00012}^{+0.00016}\\0.2252\pm 0.0007&0.97345_{-0.00016}^{+0.00015}&0.0410_{-0.0007}^{+0.0011}\\0.00862_{-0.00020}^{+0.00026}&0.0403_{-0.0007}^{+0.0011}&0.999152_{-0.000045}^{+0.000030}\end{bmatrix}}} この行列では下系列クォーク(d,s,b)の混合状態(d',s',b')で上系列と下系列の不整合を説明しているが、これは純粋に便宜上のものにすぎない。上系列のクォークが混合していると見なすことも可能であり、その場合でも本質は変わらないユニタリー行列が現れる。
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