自発的対称性の破れとは? わかりやすく解説

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じはつてきたいしょうせい‐の‐やぶれ【自発的対称性の破れ】

読み方:じはつてきたいしょうせいのやぶれ

素粒子物理学などで論じられる現象の一。自然は対称性をもつとされてきたが、それがおのずから破られる場合があることをいう。この現象により、ビッグバン後の宇宙生成について、矛盾なく論証することができる。昭和36年1961)にこれについての理論発表した南部陽一郎が、平成20年2008ノーベル物理学賞受賞対称性の自発的破れ


自発的対称性の破れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/03 14:48 UTC 版)

自発的対称性の破れ(じはつてきたいしょうせいのやぶれ、spontaneous symmetry breaking)とは、ある対称性をもった系がエネルギー的に安定な真空に落ち着くことで、より低い対称性の系へと移る現象やその過程を指す。類義語に明示的対称性の破れ量子異常による対称性の破れ、またこれらの起源の1つとしての力学的対称性の破れなどがある。


  1. ^ 益川 1998, p. 111.
  2. ^ 益川 1998, pp. 108–112.
  3. ^ 益川 1998, p. 1112.
  4. ^ Weinberg 2005, pp. 163–167.
  5. ^ 益川 1998, p. 112.
  6. ^ Weinberg 2005, p. 163.
  7. ^ 益川 1998, pp. 112–115.



自発的対称性の破れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:54 UTC 版)

日本の発明・発見の一覧」の記事における「自発的対称性の破れ」の解説

1961年南部陽一郎は「自発的対称性の破れ」という概念提唱した。これがきっかけとなり、ひも理論量子色力学ヒッグス機構アイデアつながったと言われる

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自発的対称性の破れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 13:59 UTC 版)

場の量子論」の記事における「自発的対称性の破れ」の解説

ゲージ理論では、ゲージ対称性満たす場合必然的にゲージ場の質量ゼロになる。しかし、光子を除く現実粒子質量持ち質量が力の及ぶ範囲決める。1964年、これを救ったのが、ピーター・ヒッグスらのヒッグス機構で、南部陽一郎の自発的対称性の破れを使い解決した。 自発的対称性の破れの概念は、ハイゼンベルク強磁性体モデルにおけるスピンSU(2)回転対称性について論じたのが始まりとされる1960年南部は、超伝導BCS理論ヒント対称性の自発的破れ概念場の量子論において定式化した。。

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自発的対称性の破れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:29 UTC 版)

スカラー場の理論」の記事における「自発的対称性の破れ」の解説

φ4理論ラグランジアン密度離散的な変換 ϕ → − ϕ {\displaystyle \phi \rightarrow -\phi } のもとで対称である。この対称性位数2の巡回群 Z2として表現されることから、Z2対称性呼ばれる。 m2が正であるとき、結合定数gを正として、このポテンシャル V ( ϕ ) = 1 2 m 2 ϕ 2 + g 4 ! ϕ 4 {\displaystyle V(\phi )={\frac {1}{2}}m^{2}\phi ^{2}+{\frac {g}{4!}}\phi ^{4}} をφについて4次の実関数として解けば、ただ1つ極小値得られる。このときの解φ=0は明らかにZ2対称である。一方、m2が負であるとき、このポテンシャル2つ極小値を持つ(φ=0のときは極大値)。このようなポテンシャル二重井戸型ポテンシャルdouble well potential)あるいは二重極ポテンシャルdouble minimum potential)と呼ばれ最低エネルギー状態量子論においては真空)がφ=0でなくなったことによりラグランジアン密度Z2対称性成り立たなくなる。これは、Z2対称性自発的に破れていることを表している。

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自発的対称性の破れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 16:08 UTC 版)

湯川相互作用」の記事における「自発的対称性の破れ」の解説

スカラー場ポテンシャル V ( ϕ ) {\displaystyle V(\phi )} が ϕ = ϕ 0 ( ≠ 0 ) {\displaystyle \phi =\phi _{0}(\neq 0)} で最小値 を持つとする。例えば、 V ( ϕ ) = μ 2 ϕ 2 + λ ϕ 4 {\displaystyle V(\phi )=\mu ^{2}\phi ^{2}+\lambda \phi ^{4}} というポテンシャルで、 μ 2 < 0 {\displaystyle \mu ^{2}<0} , λ> 0 {\displaystyle \lambda >0} のとき、このようなことが起こる。このとき、ラグランジアン対称性自発的に破れる。このときのゼロでない値 ϕ 0 {\displaystyle \phi _{0}} を ϕ {\displaystyle \phi } の真空期待値と呼ぶ。標準模型では、この真空期待値フェルミオンの質量反映される質量項を示すために、作用を ϕ ~ = ϕ − ϕ 0 {\displaystyle {\tilde {\phi }}=\phi -\phi _{0}} を用いて書き換える。すると、湯川相互作用項には、 g ϕ 0 ψ ¯ ψ {\displaystyle g\phi _{0}{\bar {\psi }}\psi } という項が含まれる。 g と ϕ 0 {\displaystyle \phi _{0}} は定数であるため、この項は質量項と見なすことができ、フェルミオン質量 g ϕ 0 {\displaystyle g\phi _{0}} を持つ。これが標準模型において、自発的対称性の破れを通じてフェルミオン質量獲得する機構である。 ϕ ~ {\displaystyle {\tilde {\phi }}} はヒッグス場として知られる

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