BCC
「BCC」とは・「BCC」の意味
BCCとは、iphoneなどからメールを一斉送信する際に、メールをメインで送信したい相手以外に秘密裏に内容を共有したい人がいる時に使用する機能のことで、BCC欄にアドレスを入力すると、toやccで受け取った受信者、当人以外の他のBCCでの受信者にアドレスを表示することなくメールを送ることができる。この機能を使用したメールの送り方はビジネスシーンにおいて基本スキルのひとつとされている。通常、メールを送信するときには、to欄にメールアドレスを入力して送信することが多いが、メールのアドレスはto以外にもccやBCCに入力して送信することができる。どの欄にメールアドレスを入力しても本文やタイトルに記載された内容に変化はないが、メールアドレスをBCCに入力することで、受信者に表示される宛先情報の見え方を使い分けることができる。
BCCとは、「blind carbon copy(ブラインドカーボンコピー)」の略である。「carbon copy」とは、デジタル文書が主流となる前の紙媒体で書類のやり取りが行われていた頃に、カーボン紙を使って複写していた文書のことである。正本と副本の間にカーボン紙を挟んでボールペンで記入すると、ボールペンで書かれたときの筆圧がカーボン紙の下に伝わり、カーボン紙の下に塗布されたカーボンが副本に移って複写される。BCCは、この言葉に「見えない」という意味を持つ「blind 」という英単語をつけたもので、「見えない状態の複写された文書」という意味である。
BCCは、入力した宛先にメールを複写して送る機能のことである。メールの送信者が複数の送信先にメールを送信していても、BCC欄に入力された受信者の宛先欄には受信した人のアドレスのみが表示されるため、他の受信者と共有していることを知られたくない場合や面識の無い複数人に対して同じ内容のメールを送りたい時などに使用されている。
ビジネスシーンでは、クライアントとのやり取りを上司や同僚などと共有しておきたい時に使用されることが多い。toにクライアントのメールアドレスを入力し、BCCで上司や同僚のメールアドレスを設定しておくと、クライアントには知られずにメールを共有することができる。クライアントと重要な商談をしている場合などによく利用されており、上司や同僚と情報共有をしているので何らかのトラブルが発生しても素早く対応しやすくなる。
また、最近ではビジネスチャンスに繋げるためにイベントやセミナーを開催する企業が増えている。イベントやセミナー日時の案内など、参加者全員への連絡事項をメールする時に、BCCを使用したメール送信が使われている。イベントやセミナーなどの参加者同士が人脈を広げたり、ビジネスチャンスに繋げたりするために個人の判断で連絡先を交換することはあるが、基本的には、参加者同士は連絡先を交換する必要がない。したがって、運営側が参加者のメールアドレスを見られる状態のままメールを送信してしまうと個人情報流出という大きな問題に発展する。BCCに参加者を追加して送信すると参加者同士はお互いの連絡先を知らないままメールを受け取ることができるため、個人情報流出の問題の勃発を防ぐことが可能である。
BCCを使用するときの注意点は、BCCで送るべき相手をtoやccの欄に追加してしまうことがないように十分に注意しなければならないことである。実際に、企業や団体などがメールを一斉送信する際に誤ってBCCではない部分にメールアドレスを入力して個人情報が流出する事件が続発している。2021年には、デジタル庁がBCC欄に入力すべきアドレスを誤ってcc欄に入力して新聞社やテレビ局の記者らにメールを送信し、およそ400件のメールアドレスを流出させており、メール送信から4時間後に情報流出に対する謝罪文とメールの破棄を依頼するメールを送信したことが発表された。このデジタル庁による情報漏洩問題は、メール担当者がBCCとccを取り違えたうっかりミスが原因であったことが発表されている。宛先欄の取り違えによる情報漏洩問題は、他の企業でもしばしば起こっている。この問題は、「BCC」と「cc」の名称が似ていることから、担当者が誤った入力欄にアドレスを入力してしまうことが原因で発生するケースが多い。また、LINEなどの無料メッセージアプリの普及によって家族や友人とメールのやりとりをする機会が減ったことも関係しているのではないかとも考えられている。近年、就職して初めてメール機能を使用するという人が増えており、toやcc、BCCの違いがわかっていないことがある。このミスを防ぐためには、ccとBCCの違いをしっかりと理解してから使用することや送信前に宛先欄が間違っていないかを確認することが大切である。
また、BCCを利用して大量一斉送信することによるキャリアなどの受信ブロックの問題も起きている。一つのメーラーから同時に100件以上のアドレスに送信した時に起こりやすい現象である。たとえ中身がイベント参加者への日時案内だったとしても「大量にメールを送っている怪しいアドレスだ」とキャリア側に判断されてしまい、スパムメールと勘違いされてしまう問題である。スパムメールとして判断された送信元は、ブラックリストにあがってしまうため、通常のビジネスメールが送信元に届かなくなる現象が起こる。
さらに、メールの大量一斉送信は、サーバーに負荷をかける原因のひとつにもなる。大量一斉メールが原因でサーバーに遅延が起こると、メールが渋滞しているような状態となってしまうため、それ以外に送信した通常のメールにも遅延が起こる。特にメールを大量送信することが想定されていないサーバーを使用すると負荷がかかりやすいので注意が必要である。
BCCは便利な機能であるが、一歩間違えるとトラブルに発展しやすいことから、使い方には十分に注意が必要である。特に、イベントやセミナー参加者への連絡やメールマガジンの配信などに使用する際には、個人情報の漏洩や大量にメールを一斉送信にしたことによるブラックリスト登録問題などに気をつけるべきである。これらのトラブルを避けるために、メルマガ配信・一斉メール配信サービスなどを導入する会社も増えている。
「BCC」の熟語・言い回し
BCCメールとは
BCCメールとは、電子メールの一種で、toに設定した相手の他にも同じ内容のメールを送信したい相手がいるときに使われる機能のことで、BCCに設定した相手にもメール内容の複写を送ることができる。メールの複製が送信されるという意味ではccと変わらないが、ccとの違いは相手が受信する前にメールサーバー側がBCCに記載された情報を削除するため、受信者は他の受信者の情報を知ることができないことである。
BCCメールを使用する際のマナーとして大切なのは、「全員に返信」を使用した返信は避けるべきということだ。BCCが使われているメールでは、自分以外の他にメールの宛先に指定されている人がいたとしてもメールからは判断ができない。toやccに入っていた人や他のBCCに指定されている人も送信対象になってしまう「全員に送信」を使用して返信してしまうと、本来返信しようと考えていた相手以外にもメールを送信してしまうことになる。BCC機能を使って送信されているメールは、送信相手以外には知られたくない内容である可能性が高いため、個人的なやり取りの内容を第三者に送っていることが発覚すると、信頼関係のトラブルに発展してしまう。相手にメール内容を返信する場合には「新規メール」を選択して、メールを返信することがマナーである。
ビー‐シー‐シー【bcc】
ブラインドカーボンコピー
BCC
Bcc
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 02:54 UTC 版)
ToやCcに指定した相手には知られずに、複製を送信したい相手を指定する場合に使用する機能である。ToやCcに指定された相手にはBccに誰が指定されたかの情報は伝わらない。多くの電子メールクライアントソフトでは、Bccで指定された相手にはToやCcに誰が指定されたかが分かるように電子メールの送信処理をする。この場合、Bccで受信した者がうっかりそのメールの受信者全員宛に返信してしまうと、同じメールを受信していたことがToやCcの受信者に知られてしまう。そこで一部の電子メールクライアントソフトでは、ToやCcにて送付したメールを転送する形で処理にすることで、そのような事故を防いでいる。いずれの方式の電子メールクライアントソフトでも、Bccの宛先アドレスが複数ある場合には、Bcc指定された各宛先相互間で、自分以外の他の宛先は分からない。
※この「Bcc」の解説は、「電子メール」の解説の一部です。
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