雪国の死闘篇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 07:34 UTC 版)
小西 静音(こにし しずね)と小西 忠音(こにし ただね) 異人の宣教師の落とし子らしく、あずみと同じく目の色が青いなど異人の外見的特徴を有する。普段は下界から断絶された山谷の奥で、育ててくれた乳母と質素な暮らしをしている。雪国の領民たちのキリスト教の教祖であり、浪人衆の旗頭でもあるが、彼らと対立する城侍からも敬意を払われており、雪国内では全ての者から「静音様」と呼ばれ、大きな影響力を持っている。 キリスト教の他者を許す教えを人々に説き、浪人侍が城侍に対してクーデターを起こした際も、双方の間を取り持ち、騒乱が起こらぬように双方の緩やかな和合を目指すなど当初は人格者のように思われた。 しかしその真の目的は全ての者たちの信頼を得ることで人々を戦に扇動し、黒い目の「劣等人種」たちを殺し合わせて楽しむことにあり、やがて本性を露わにして扇動を開始する。 受けた傷が全て一夜にして跡形もなく消えてしまうという奇跡を見せたが、それも実は双子によるトリックだった。双子の兄弟の名は忠音。兄弟揃ってサディスティックな性格で罠に掛けて捕らえたあずみを「調教」と称して様々な拷問にかけて家畜化しようとした。 その後がっちにより救出されたあずみによりまず忠音が殺されたが、静音は彼の前に現れたあずみを味方に引き入れようとし、なぜあずみが女なのにそんなに強いのか、なぜ自分にこれほどの扇動能力があるのか、それは青い神秘の目を持つ選ばれた人種だからだとし、選ばれた人種同士で手を携え、黒い目の「劣等人種」どもを一緒に支配することを誘う。青い目を理由に迫害されて育った静音は、あずみも同じ境遇だと思っていたが、あずみは「俺は迫害など受けず優しい仲間たちと一緒に育った」と言って彼を斬った。 がっち 雪国に住む子供。たえの兄。真弓俊次郎と小西静音を深く尊敬している。父親が足を骨折して働けないため、米泥棒をして妹を養っていたが、屋敷に盗みに入ったところをあずみに見つかってしまう。その際に、盗みを見逃してもらったことがきっかけであずみと仲良くなる。雪国で反乱が起き、家に藩主の嫡男である松千代を匿うことになるが、羅刹鴉に見つかり父親、松千代、家臣らも殺されてしまう。仇討ちのためにあずみを探していたところ、偶然にも小西静音の正体を知ることになり、捕らわれの身となっていたあずみを助けることになる。あずみの口添えで妹のたえと共に西願寺の和尚に引き取られる。この先も雪国で生きていくため、真実を胸に隠していくことを誓い、雪国を去るあずみを見送った。 寺沢 玄斎(てらさわ げんさい) 浪人衆の武将格8人の中でもリーダー格である中年武士。戦の経験が豊富で戦場の興奮と快感に酔いしれており、その快感を再び味わうため戦を起こそうと雪国へやってきた。羅刹鴉たちとは旧知の仲で彼らを雪国に呼び寄せた。計画通り城侍と浪人集団・鈴音信徒の内戦を起こすことに成功してその快感に酔いしれ、さらに雪国へやって来る天海を国境の大砲で狙い撃とうと準備をしていたが、斬り込んできたあずみにより大勢の手下たちもろとも斬り倒された。 佐川 惣三郎、藤堂 四郎(さがわ そうざぶろう、とうどう しろう) 浪人衆の武将格である8人のうちの2人。いずれも腕利きの剣客であり、一緒にいることが多い。藤堂の方は美男である。戦の前の景気付けにあずみを輪姦するという羅刹鴉の提案で幹右衛門や栗助とともに俊次郎と温泉にいたあずみのもとに捕えに現れた。右衛門があずみの両腕を掴むことに成功し、止めようとする俊次郎を藤堂が腹パンで沈めたが、右衛門を倒して小刀を奪ったあずみによってまず佐川が斬られて手首ごと大刀を奪われ、次いで藤堂もその刀でもって眼から頭を貫かれて死亡した。 幹 右衛門と栗助(みき うえもん、くりすけ) 浪人衆の武将格である8人のうちの2人。右衛門は怪力の大男の武士。栗助は小人症の忍者で右衛門の肩の上に乗っていることが多い。戦の前の景気付けにあずみを輪姦するという羅刹鴉の提案で佐川や藤堂とともに俊次郎と温泉にいたあずみを捕えに現れた。右衛門はあずみの両腕を掴むことに成功したものの、彼女の脚を抑えなかったために開脚顔面キックを食らってその痛みで手を離してしまったところを小刀を奪われて首を刺されて倒れた。栗助は天井に張り付いて後ろから彼女を斬りつけようとしたが躱されて一時的に蘇生した右衛門とまとめて突き刺されて死亡した。 羅刹鴉(らせつがらす) 黒装束に身を染めた殺人武装傭兵集団。個々に決められた名前は無く、全員を総じて「羅刹鴉」と名乗る7人組。全員が仮面を被っている。それぞれが個性的な殺人武器(巨大なハンドグレネード・ボウガンetc…)を持つ。残虐無比であり、戦闘員・非戦闘員、老若男女問わず誰であろうが容赦なく殺し尽くすことと、戦いに身を染めることのみに生き甲斐を求めている。殺戮を楽しむために旧知の玄斎に招かれて雪国へやって来た。登場早々国境警備に当たっていた大勢の武士たちを皆殺しにし、その後雪国内で殺戮の限りを尽くし、がっちの父親らも虐殺した。がっちから仇討ちを頼まれたあずみが彼らと対決した。殺した人間の数が多すぎて誰ががっちの父親かなど覚えておらず、戦闘中もがっちたちを狙うなど卑劣さを見せた。あずみの怒りに触れ、最期は全員彼女に斬られた。斬られた両腕が皮だけで胴体と繋がった状態であずみの脚に寄りかかる形となったリーダー格は、あずみに見下されてお前たちの殺戮もこれで終わりだと告げられたが、自分たちより大勢の人間を殺してきたあずみは自分たちと同類だと語り、彼女の脚を舐めはじめたが、首を刺されて止めをさされた。 なか 小西静音と小西忠音の乳母に当たる人物。静音・忠音の話から推測すると奴隷のような扱いであったと思われる。静音・忠音が自分の代わりにあずみを奴隷にすると知ると、不必要な自分は殺されると覚り、あずみを溺死させようとするが、静音・忠音に見つかり、許しを請うが銃で撃たれ死亡。
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