路上設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 17:11 UTC 版)
画像左:第二東名と伊勢湾岸道路の境界に設置された可変式速度規制標識と「ここから一般有料道路」の標識板(下り東海IC付近、KP30+649)。トレーラーの車線指定標識も設置された。画像右:可変式速度規制標識は平均1.3 km毎に設置されている。画像は高速車50 km/h規制時で、最低速度標識は消灯している。 一般国道自動車専用道路である伊勢湾岸道路は、本来は60 km/hが最高速度であるが、接続する高速自動車国道(第二東名)と同じ100 km/h走行を可能とするために速度規制を行う。この際、愛知県警察本部との協議により、伊勢湾岸道路6.1 kmの範囲に設置間隔2 km以内、平均1.3 km毎に可変式速度規制標識を設置している。可変式としたのは、気象状況の悪化、事故等の障害に対応するためである。速度規制標識は、高速車(100)、低速車(80)、最低速度(50)の3種類が用意され、それぞれを1本の支柱に取り付けている。また、第二東名(のちに第二名神も追加)と伊勢湾岸道路の境界(KP30+649下り線)には「ここから一般有料道路」の標識板も併せて設置され、一般国道と高速自動車国道の境界を視覚化している。なお、高速車用標識が50 km/h規制となった場合は、最低速度規制標識は無表示となる。これらの速度規制標識群と併せて、トレーラーの車線指定標識も設置された。当該標識は1997年(平成9年)10月30日に道路交通法が改正された際、自動車専用道路および高速道路では、大型車、トレーラーの車線指定が必要となったために設置されたものである。ただし、大型車の車線指定標識はIC間隔が短いことから分合流が難しく、安全性確保のため設置を見送られた。よって設置されたのはトレーラーの車線指定標識のみとなり、本線合流部および1 kmピッチの設置とされた。設置位置は法令に則り、第一走行車線上である。 伊勢湾岸道路を構成する施設は斜張橋と並ぶデザイン検討が行なわれた。トールゲートについても斜張橋のイメージとの整合性が考慮されている(東海IC第二料金所と名港中央IC)。 東海IC - 飛島IC間の伊勢湾岸道路の構築に当たっては、斜張橋のみならず、関連するインターチェンジ設備についてもデザイン検討された。伊勢湾岸道路の主要構造物たる斜張橋は、斜めに張ったケーブルから直線的なイメージがつきまとい、トールゲート(料金所)のデザイン展開にあたっては斜張橋のイメージを壊さない形状が模索された。スレンダー、シャープ、近代的といったコンセプトを元にデザイン展開した結果、屋根はカーブを描き、色調をグレートーンに統一のうえ一体感を持たせた。トールゲート周辺の業務施設は、コンクリートと同化する色調を採用のうえ、極力トールゲートを前面に押し出すイメージを持たせた。こうしたデザイン処理は本線標識にも及んだ。門形標識柱、F型標識柱ともに通常は鋼管(円柱)を用いるところを、斜張橋との整合性に配慮して角形鋼管を用いた。 伊勢湾岸道路はその前後で接続する高速道路と同じく最高速度が100 km/hとなっているが、眼下の名古屋港の景色を眺めるために最低速度50 km/hを下回って走行する自動車、および路肩に駐車する自動車の発生が懸念されることから、主塔に旋回式のITVカメラを設置のうえモニター監視を行なっている。該当の自動車があった場合、橋梁路肩部に設置したスピーカーで注意を喚起するとしている。 東海IC - 飛島IC間は伊勢湾岸自動車道の中にあって、IC間隔が極端に短いことから明暗の変化が連続し、港湾という立地条件から道路周辺からの明かりが強いことでドライバーへの影響が懸念された。このため全線で本線照明を取り付け、塔やケーブル形状と調和したポール式を採用し、ランプカバーもテーパー状でシャープなイメージを表現している。 橋桁両端は遮音壁等、視界を遮るものはなく、名古屋の街と港を一望することが可能であるが、名港東大橋の東側途中からは壁に囲まれ、視界は効かない。理由は、付近の新宝ふ頭に敷設されている化学工場から東海市を通して日本道路公団に要請があったためで、自動車通過時に眼下の工場を見下ろすことによる企業秘密の漏洩を避けるためである。さらに、南側にはトヨタ自動車の海外への自動車積出基地(モータープール)があり、高架から空き缶等の落下物があった場合に新車に傷が付くことが懸念されたことで、道路両脇が壁で目隠しされることになった。 橋上には「たばこ投げ捨て禁止」看板が設置されている。これは潮見ふ頭が石油製品基地であり、なかでも伊勢湾岸道路の直下に油槽所があることから火災防止のための措置である。なお、潮見ふ頭はこうした事情から消防法によって火気の使用が厳しく禁じられている。 名港東大橋の東側は壁で目隠しされ景色が見えない。化学工場からの要請と新車の傷防止の観点からである。 ポール式照明は塔やケーブル形状と調和したデザインを採用 油槽所が近接することからたばこの投げ捨てが禁じられている。 名港潮見IC付近の「たばこ投げ捨て禁止」看板
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