美少女イラストと羽後町
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羽後町では美少女イラストを用いたイベントや商品が次々に生まれ、話題となっている。地域興しの観点からも注目を集めており、埼玉県北葛飾郡鷲宮町(現・久喜市)の事例と並んで取り上げられることが多い。 事の始まりは町内の書店「ミケーネ」の2階にある学習塾「ガロア」で、イラストを描くのが趣味の地元出身の男性、山内貴範氏(現在は東京都在住)のプロデュースによって、数年前から小鳥遊つばさや真木ちとせがイラストを描いたチラシが発行され、密かな話題になっていたことであった。 これに目を付けた地元銀行の支店長が、山内と共同で、2007年(平成19年)7月7日、「よ市」(2006年)という祭りをリニューアルした第1回「うご夏の夢市 かがり火天国」の立ち上げに関わった。その祭りのイベントの一つとして、全国から西馬音内盆踊りをテーマにしたイラストを募る「かがり美少女イラストコンテスト」が行われた。原画家・山本和枝の来町が大きな話題となった。2008年(平成20年)6月28日には西又葵を招待して2回目が、2009年(平成21年)7月11日には宇奈月満を招待して3回目が、それぞれ開催された。第2回の開催に合わせて製作された町の観光宣伝ポスターにPOPがデザインした「かやたん」と「うごいす」というキャラクターが登場した。コンテストは2011年で第5回目となる。なお、第5回目の結果は下記のとおり。 1位 未来野唯さん(沖縄県) 2位 MOMOIさん(秋田県潟上市) 3位 いかさん(京都府) 4位 伊藤亜理紗さん(秋田県雄勝郡羽後町) 5位 鰈さん(秋田県大館市) 5位 辻永ひつじさん(千葉県) 7位 Omiさん(秋田県横手市) 8位 KYOHEIさん(東京都) 9位 鉄子さん(秋田県秋田市) 10位 悠さん(宮城県) 10位 るるる。さん(秋田県秋田市) 10位 黒川七瀬さん(秋田県大仙市) 特別賞 ひふみんさん(千葉県) さらに加えて、山内らによってキャラクター商品の開発が始まり、西又、樋上いたる、兎塚エイジらを迎えた「スティックポスターin羽後町」が発売された。翌年には第2弾も発売され、こげどんぼ*、Na-Ga、風上旬らが参加している(スティックポスターは、村の中心部にある「西馬音内盆踊り会館」の玄関で全種類確認することができる)。なかでも、スティックポスターを手がけたことがきっかけとなって西又が手掛けたJAうごのあきたこまちや菅原酒店の焼酎「花嫁道中」はネット上で話題になった。なお、ポスターの内容は下記のとおり。これ以降ポスターの内容表記については、商品名(会社または店舗名/種類)『作者名』とする。 スティックポスターin羽後町(スタジオいなご/ポスター) 第1弾 西馬音内盆踊り1『山本ケイジ』 西馬音内盆踊り2『光姫満太郎』 西馬音内盆踊り3『香月☆一』 雪とぴあ七曲花嫁道中『西又葵』 国指定重要文化財 三輪神社・須賀神社『KEI』 あぐりこ神社と狐の伝説『桜沢いづみ』 国指定重要文化財 鈴木家住宅 と茅葺き民家集落『江草天仁』 黒澤家住宅『真木ちとせ』 旧対川荘と庭園『樋上いたる』 石馬っこ『夕凪セシナ』 元城のケンポナシ『兎塚エイジ』 旧飯沢小学校を活用したグリーンツーリズム『POP』 五輪坂『奈月ここ』 佐藤信淵『大笆知子』 西馬音内そば・羽後牛・羽後すいか『うずまき☆ぱんだ』 旧羽後交通雄勝線『角館秋月』 第2弾 西馬音内盆踊り1『織澤あきふみ』 西馬音内盆踊り2『こげどんぼ*』 西馬音内盆踊り3『やっぴい。』 西馬音内盆踊り4『駒都えーじ』 西馬音内盆踊りと二万石橋『あったけ』 信淵神社『佐倉ハイジ』 蔵王権現立像『くさなぎゆうぎ』 町の木・梅『水瀬るか』 羽後町の缶詰め 山菜・きのこ『秋山たまよ(PAX-ON)』 旧長谷山邸『Na-Ga』 井出・蒲倉・蒐沢『しろ』 地蔵院『ひびき玲音』 御嶽神社『稲垣みいこ』 羽後病院『しゃあ』 羽後メロン『風上旬』 元城神明社の銀杏『mitha』 2009年に、山本ケイジ、江草、みけおうらが参加した「羽後町古民家ポスター」が発売されたり、こげどんぼ*が西馬音内盆踊りをイメージしたキャラクター「うごボン」を制作したりしている。また、江草のイラストを使用した、「鈴木家謹製米」が鈴木家住宅より発売された。これは和歌山県日高郡みなべ町のみなべ川森林組合とのコラボ商品で、袋にはびんちょうタンも描かれている。7月6日に、かがり美少女イラストコンテスト、スティックポスターin羽後町、美少女イラスト入りあきたこまちと、これまでの企画の経緯を書いた 山内貴範 著「町おこしin羽後町」が発売。さらに10月24日には、飯沢地区で「美少女イラスト秋まつり@羽後町」が開催された。コスプレや物販、声優のみなかみ菜緒のライブ、こげどんぼ*と江草天仁のトークショーも行われて賑わった。なお、羽後町古民家ポスターの内容は下記のとおり。 羽後町古民家ポスター(スタジオいなご/ポスター) 鈴木家住宅1『江草天仁』 鈴木家住宅2『しろ』 黒澤家住宅1『光姫満太郎』 黒澤家住宅2『真木ちとせ』 阿部家住宅1『みけおう』 阿部家住宅2『兎塚エイジ』 長谷山邸『てぃんくる』 長谷山家住宅『今野隼史』 安倍忠雄邸『山本ケイジ』 鈴木松司邸『KEI』 阿部芳夫邸『秋山たまよ+PAX-ON』 安倍慶美邸『Mitha』 阿部憲典邸『芹沢リズ』 岡本家住宅『風上旬』 志村家住宅『稲垣みいこ』 小野崎家住宅『うずまき☆ぱんだ』 2010年に、羽後町は全国でも有数の、美少女キャラクターをあしらった商品が発売されている地域である。樋上と西又が町内のカフェレストランのロールケーキのパッケージを、重要文化財・鈴木家住宅の看板を江草と竜騎士07が、書店ミケーネのレジ袋をKEIが手掛けるなど、種類は多い。 なお、JAうごが積極的に起用している西又がメディアへの露出が多いこともあって有名であるが、羽後町内でもっとも長い期間にわたってイラストの仕事を手掛けているのは真木である。また、鈴木家住宅関連のイラストを担当している江草天仁や、スティックポスターやミケーネのレジ袋をデザインしたKEIも多くのイラストを手掛けている。 前述のように、これは個人の趣味から生まれた企画であるため、規模が大きくなるにつれて問題も浮上している。ネット上で若者に人気の企画だが、町の住民の間では、「アダルトゲームの絵を描いている作家に、食品や伝統ある古民家などのイラストをまかせるのはどうか?」という声もある。こうした、美少女キャラクターを好む若者と町全体との「温度差」をどう埋めるかが問題になっている。 なお、2012年のかがり美少女イラストコンテストの中止が、主催者から発表された。山内らかつての主催者側からは、現在主だった企画が行われておらず、西又葵のイラストを使用した商品開発を進めるJAうごなどが主体となっている。
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