特定の事例
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『Sacramento Bee』と『San Francisco Call』は、1896年11月18日に、最初の飛行船の目撃を報じた。目撃者らは、11月17日の晩に明るい光が高度約1000フィートをゆっくり移動していると報告した。目撃者のなかには、自分らは光の陰に黒っぽい形が見えた、と言ったものもある。R・L・ローリー(R.L. Lowery)という目撃者は、自分は教会の尖塔にぶつかるのを避ける目的で高度を上げるように命令を発する船からの声が聞こえた、と報告した。ローリーは、自分は、近くに教会はないから、見たところキャプテンらしい者は地元の醸造所のことを指している、と考えていると、「おそらく読者に対する目くばせのつもりのもののなかで」("in what was no doubt meant as a wink to the reader")付け加えた。ローリーはさらに、船は自転車ペダルを踏むために努力している2人の男によって動力を与えられた、と説明した。ペダルを踏んでいる男らの上方には客室があるらしかったし、それは気球の本体の下にあった。光は、飛行船の前端に載せられていた。目撃者のなかには、船が頭上を通過するとき歌唱の音を報告したものもある。 『Daily Mail』の1896年12月19日のカリフォルニア州ストックトン_(カリフォルニア州)版は、エーリアン船の目撃とされるものの、初期の記事のうちの1つを特集した。大佐H・G・ショー(Colonel H.G. Shaw)は、ストックトン近くでバギー_(自動車)を走らせていたとき自分は着陸した宇宙船らしく見える物を偶然、見つけた、と主張した。ショーは、それは、はしごおよび尖った複数の端以外、特徴のない金属的表面を持っている、と説明した。彼は、直径25フィート(約7.6メートル)と推測し、船は全長、約150フィート(約45.7メートル)だと言った。見たところ地球外生命体らしい、-tall7フィート (2.1 m)の、すらりとした3人は、船が「鳥が声を震わせて続けてさえずるような奇妙な音を発している」("emitting a strange warbling noise")あいだに船から接近するように言われた。それら生命体は、ショーのバギーを調べたと報じられ、それから自分らが宇宙船に戻るのに物理的にむりやり同行させようと努めた。エーリアンらは、自分らがショーをむりやり乗せるだけの物理的能力を欠いているとわかったのちあきらめる、と言われた。彼らは船に逃げ、船は地面から上昇し、急ぎ見えなくなった、ことになっている。ショーは、これら生命体は、未知のしかし潜在的に邪悪な目的のために地球人を誘拐するために送られた火星人である、と考えた。なかには、これは、エーリアンによる誘拐(alien abduction)の初期の未遂とみなしている人々もいる。明らかにこれは、地球外生命体が人間を宇宙船内にさらおうとした未遂の、最初の公表された記述である。 謎の光は、11月21日の晩にサクラメント上空にふたたび現われた。それはまた、その晩にフォルサム、サンフランシスコ、オークランド、モデスト(Modesto)、ターロック(Turlock)、マンティーカ(Manteca)、セバストポル(Sebastopol)、他いくつかの都市の上空で見られたと報じられている。 アーカンソーからのある目撃者- 伝えられるところでは元州上院議員ハリス(Harris) - は、飛行船のパイロットによって(米西戦争につながる緊迫状態のなか)、船はキューバ行きだ、「ホッチキッス銃」("Hotchkiss gun")を使って「スペイン人を殺す」("kill Spaniards")ように、と言われた。 テキサスからの1つの話では、3人の男がある飛行船との、そして「奇妙な服装の男5人」("five peculiarly dressed men")との、遭遇を報告したが、彼らは、自分らはイスラエルの末裔である、1553年のヒュー・ウィロビー(Hugh Willoughby)の北極探検から英語を学んだ、と主張した。 1897年2月2日に、『Omaha Bee』は、前日のネブラスカ、ヘースティングス(Hastings)上空の飛行船の目撃を報じた。 『Albion Weekly News』のある記事は、2人の目撃者は、自分らが立っている所から複数インチのところに1つの飛行船のクラッシュ事故を見た、と報じた。飛行船が突然、姿を消し、飛行船があった所には男が1人、立っていた。飛行船のパイロットは、男らに、船をポケットにおさめるくらい小さく縮ませ得るとされる小さな装置を示した。競争相手の新聞『Wilsonville Review』は、自身の編集者がその事件のもうひとりの目撃者である、彼はパイロットが「"Weiver eht rof ebircsbus!"」と言うのが聞こえた、とふざけて主張した。その彼に聞こえたとされる言葉は、のちに「"subscribe for the Review"」(「『Review』に予約しろ」)と綴られた。 1897年4月10日に、『St. Louis Post-Dispatch』は、W・H・ホプキンス(W.H. Hopkins)がミズーリ、スプリングフィールドの郊外で長さ約20フィート(約6メートル)、直径約8フィート(約2.4メートル)の着地している飛行船に遭遇した、と報じる記事を掲載した。乗り物は見たところ、3つの大きなプロペラで推進していたし、裸の美女1人と、これも裸の、あごひげのある男が乗り組んでいた。ホプキンスは、多少手こずりながら、彼らの源を確かめる目的で乗組員と意思の疎通をしようとした。結局、彼らはホプキンスが何を求めているかを理解し、彼らは2人とも、空を指さし、「何か『Mars』(「火星」)という語に似た音を発した」("uttered something that sounded like the word Mars.")。 1897年4月16日に、『Table Rock Argus』は、「匿名のしかし信頼し得る」("anonymous but reliable")一団の目撃者が飛行船が頭上をなめらかに進んでいるのを見たと主張する記事を公表した。船には乗客が多かった。目撃者らは、乗客のなかには、椅子にしばりつけられた女1人、彼女の面倒を見る女1人、そして見たところ囚人らしい者を守っている拳銃を持っている女1人がいる、と主張した。目撃者らが当局にコンタクトしようと思うまえに、飛行船はすでに居なくなっていた。 1897年4月19日に『Dallas Morning News』で語られた、テキサス州オーロラ(Aurora)からの話は、数日前、飛行船が、風車 - のちに水ためポンプであると断定された - に激しくスマッシュし、それからクラッシュした、と報じた。占有者は死亡しずたずたに傷つけられたが、話は、パイロットと推定される者は「この世界の住人ではない」("not an inhabitant of this world")と報じた。残骸には奇妙な象形文字ふうの図形が見られたし、残骸が似ていたものは「アルミニウムと銀の混合物...その重さは7トンあったにちがいない」("a mixture of aluminum and silver ... it must have weighed several tons")。20世紀に、クラッシュ事故現場から回収された異常な金属材料は、アルミニウムと鉄の混合物のパーセントを含んでいると示された[要出典]。話は、パイロットが町の共同墓地に「キリスト教式埋葬」("Christian burial")をされたことに注目して終わった。1973年に、MUFON(Mutual UFO Network、相互UFOネットワーク)の調査者らは、この埋葬の石マーカーとされる物を発見した。彼らの金属探知機が、大量の外来の材料がそこに埋葬されたままであるかもしれないことを示した。しかし、彼らは掘り返すことを許されなかったし、彼らが数年後に戻ってくると、墓石 - とどういう金属材料であれその下に置かれたもの - は、なくなっていた。[要出典] カンザス州ルロイ(Leroy)のアリグザンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)による話は、1897年4月19日ころに起きたとされ、4月23日の『Yates Center Farmer's Advocate』に公表された。ハミルトン、彼の息子、そして賃借人は、飛行船が空中で静止しているのを目撃した。目撃者らがよく見ると、飛行船からの赤い「ケーブル」("cable")が若い雌牛を投げ縄で捕らえていて、また囲いの柵にからまってもいた。ハミルトンは、若い雌牛を解放しようとして失敗したのちに、柵の一部を切り離し、それから「船、ウシ、すべてがゆっくりと昇り、出航するのを驚きあきれながら見た」("stood in amazement to see the ship, cow and all rise slowly and sail off")。なかには、これはキャトル・ミューティレーション(cattle mutilation)の最初の報告ではないかと提言しているひともいる。しかし、1982年に、UFO調査者ジェローム・クラーク(Jerome Clark)は、この話の事実誤認を証明し、インタヴューとハミルトン自身の宣誓供述書をつうじて、この話が、いちばんとっぴなほら話をでっちあげるライアーズ・クラブ(Liar's Club)競技会に勝とうとして成功したことを裏付けた。[要出典]
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