歴史的建築物・モニュメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 01:49 UTC 版)
「コロンビア大学」の記事における「歴史的建築物・モニュメント」の解説
ロウ記念ホール (Low Memorial Library) 1895年完成。元学長セス・ロウ (Seth Low) を記念し、図書館として建てられた。現在はビジターセンターや要人訪問のさいの式典会場としてのみ使われており図書館としての機能はないが、いまでもキャンパスでは「ロウ・ライブラリー (Low Library)」と呼ばれている。総大理石造りのドームとして米国最大規模で、合衆国史跡に指定されている ピューピンホール (Pupin Hall) 1927年に竣工した建物で物理学科と天文学科が設置されている。1939年1月25日エンリコ・フェルミが米国初のウラニウム核分裂実験に成功し、その後のマンハッタン計画関連施設として1965年にアメリカ合衆国国定歴史建造物に、さらに翌年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定された。ここで行われた研究等でこれまで10人がノーベル物理学賞を受賞している。 アルマ・マーテル像 (Alma Mater statue) 1903年完成。台座をのぞく像の高さは2.5メートル。リンカーン記念館のリンカーン像やハーバード大学のジョン・ハーバード像も手がけたダニエル・チェスター・フレンチの制作で、ローマ神話の知恵と工芸をつかさどるミネルヴァ神を模している。フレンチは多くの作品に「フクロウ」を隠したことでも知られており、この像でも衣の裏にフクロウのレリーフが隠されている。入学式で最初にこのフクロウを見つけた者がその学年の卒業生総代(Valedictorian)になるとのジンクスがある。 セントポール・チャペル (St.Paul's Chapel) ロウ記念ホールの西側に位置するチャペル。1907年に完成、1966年にニューヨーク市歴史建造物に指定されている。結婚式やミニコンサートにも使用されている。 ミラー劇場 (Miller Theater) 1924年完成。700人収容のコンサート・ホールで、学生主催の各種イベント、学外音楽家のコンサートなどに使用される。米国内外で活躍する最先端の作曲家・演奏家を紹介する演奏会シリーズ「コンポーザー・ポートレイト」が大きな注目を集める。 ケント・ホール (Kent Hall) 1910年完成。当初はロー・スクールの建物として使われていた。のち東アジア地域研究の拠点となり、現在は米国有数の東アジア専門図書館である「C・V・スター東アジア図書館」が入っている。日本文学研究のドナルド・キーンやエドワード・サイデンステッカーもここで研究に従事し、図書館閲覧室には二人のパネルが飾られている。 シェマーホーン・ホール (Schermerhorn Hall) 現代遺伝子科学の基礎となる研究でノーベル医学賞(1933年)を受賞したトーマス・ハント・モーガンの研究室(「蝿の部屋 Fly Room」として有名)がある。彼の弟子および孫弟子のうち5人が後にノーベル医学賞を受賞している。また、ここは、フランツ・ボアズにより米国初の人類学科が1899年に設けられた場所でもある。 ハヴマイヤー・ホール (Havemeyer Hall) 化学学科の建物で、ここで行われた研究により、これまで7人の教授がノーベル化学賞を受賞している。この中の309番教室は「大講義室 (Grand Lecture Hall)」と呼ばれる木造の階段教室(330席)で、多くの映画のシーンに登場している。 カーサ・イタリアーナ (Casa Italiana) 第二次大戦前にムッソリーニ政権による対外発信拠点として設けられた建物。ファシズムとの関係が批判され長く閉鎖されていたが、建築物としての美しさから1991年にイタリア政府が再購入契約を結び、大幅リフォームのうえ1996年に「イタリアン・アカデミー」の拠点として再オープンした。これもニューヨーク市歴史的建造物に指定されている。イタリアン・アカデミーは常勤の研究者を置かず、毎年20名程度の人文系研究者を各国から受け入れ、自由な研究の場を提供する活動を行っている。 ブール・ホール (Buell Hall) 1897年完成。当初はスクール・オブ・ジェネラル・スタディーズやコロンビア大学出版会のオフィスとして使われていた。1977年以降はフランス政府の文化交流機関であるメゾン・フランセーズの主オフィスで、大学キャンパス内のフランス文化施設としては米国最古である。 数学ホール (Mathematics Hall) 数学科の建物で、応用数学に関する世界的な専門図書館が入っている。アンドレイ・オクーロフなど5人がここでフィールズ賞を受賞した(このうち日本人は広中平祐と森重文の二人)。建物が立っているのは1776年のハーレム・ハイツの戦いでジョージ・ワシントン率いる連帯がイギリス軍に勝利した場所でもあり、その記念碑がブロード・ウェイに面した建物の側面に埋め込まれている。 フィロソフィー・ホール (Philosophy Hall) 1910年完成。当初は電子工学研究所があり、ここでエドウィン・アームストロングがFM放送の技術を開発したため合衆国史跡に指定されている。その後は哲学科・文学科の拠点となり、ジョン・デューイやエドワード・サイード、ガヤトリ・C・スピヴァクといった世界的な思想家・文学研究者がここで教壇に立っている。建物の前の中庭にオーギュスト・ロダンの銅像「考える人」が設置されている。
※この「歴史的建築物・モニュメント」の解説は、「コロンビア大学」の解説の一部です。
「歴史的建築物・モニュメント」を含む「コロンビア大学」の記事については、「コロンビア大学」の概要を参照ください。
- 歴史的建築物・モニュメントのページへのリンク