架装による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 08:22 UTC 版)
▲: 特種用途自動車(いわゆる8ナンバー)に当たるもの。 平ボディ車 荷台の側方と後方に、アオリがあるだけの車で、無蓋で開放状態となっている。無蓋になっているため、主に雨に濡れても問題の無い品物や、クレーン等を使わないと積み下ろしが困難な重量物を運ぶ場合に使用される場合が多い。積載物の種類によってはトラックシートやトラックロープを用いて上部を覆う。アオリは、後方だけが開くものが「一方開」側方も開くものが「三方開」側方が前後に分かれて開くものが「五方開」と呼ばれる。アオリは鉄製のものもあるが、最近は軽量化のため、アルミ製のものも多い。トラックのボディの中で最も価格が安いことや、軽量なため、積載量がどのボディよりも取りやすいメリットがある。 有蓋車 水濡れや荷痛み防止のための密閉構造の荷台を持つものである。アルミ製の「箱」形状のものを持つことから「ハコ」と呼称されることもある。後面が開閉したり、側面が開閉したりして荷物の積み下ろしを行う。側面が開閉するものは、羽根のように開放されるものがあり、通称「ウイング車」と呼ばれる。 ▲冷凍冷蔵車 冷凍された物品を輸送するため、冷凍機を搭載し断熱構造の荷台を持つものである。 ▲冷蔵車 冷蔵の必要な物品を輸送するため、冷蔵設備を搭載し断熱構造の荷台を持つものである。 保冷車 冷蔵の必要な物品を輸送するため、断熱構造の荷台を持つものである。 通風車 温度上昇に弱い物品を輸送するため、通風構造の荷台を持つものである。 幌付き車 平ボディ車と有蓋車との中間的な車で、水濡れや荷痛み防止のために平ボディ車のボディの上に金属製の骨組みを組み、その上から布製・ビニール製などのシートを被せてリングベルトで固定した車である。水濡れ対策の完璧さでは有蓋車に負けるが、有蓋車よりも価格が安く、そして、軽量なために積載量が取れるというメリットがある。また、骨組みが脱着できる幌は車体の寸法に含まれないため、ベース車が小型車ならそのまま小型車扱いになり、保険料や通行料金の点で有蓋車より有利になる。 キャブバッククレーン車(ユニック車) 荷扱いのための小型クレーンを持つものであり、開放型の荷台のものが多いが、箱車となっているものもある。なお、ユニックとは古河ユニック株式会社の商品名であるが、一般名称として浸透している(正式なユニックはクレーンにUNICと書いてある)。これに対して、例えばタダノでは「カーゴクレーン」、加藤製作所では「積載型クレーン」と呼ぶ。クレーンとしては積載型トラッククレーンとなる。クレーン使用時の転倒を防止するため必ずアウトリガーを持っている。多くは荷台の前にクレーンを持ち通常の平車と同様の積み降ろしが可能だが、後ろにクレーンを持つものもあり、この場合は後ろから積み降ろしができないため荷台が側方二方開もしくは四方開となる。前方にクレーンを持つ場合はダンプのように荷台がせり上がったり、後方へスライドしたりできるものも存在する。荷台を持たないものについては、トラッククレーンを参照。 車載車 小型の自動車を積載するため、荷台がせりあがり乗せる車が自走して積み下ろし出来るようになっている。事故車や動かない車を載せることが出来るように、ウインチがついていることが多い(このタイプは主に自動車整備業者や自動車ディーラーが持っている)。多段式になり複数の車を載せることが出来るものもある(これは主に、新車や中古車のディーラーへの輸送用に、専門輸送会社が持っている)。規制緩和により、高さ4.1mまで積載できる場合があるので、ワンボックス車などを2段に載せて走ることが可能な車載車もある。通称で呼ばれることが多く、「セーフティーローダー」あるいは単に「ローダー」とよばれることがある。多段式の大型のものは「キャリアカー」とも呼ばれる。 ▲タンクローリー 液体・気体を輸送するためのタンクを備え付けたものである。輸送する物質によっては相応の運転免許の他に危険物取扱者等の資格が必要な場合がある。 ▲バルク車 粉粒体を輸送するためのタンクを備え付けたものである。 ダンプカー(ダンプトラック) 土砂・砕石を荷降ろしするための傾斜機構付き荷台のものである。 国内では用途別にナンバーとは別の所定表示義務がある。この表示は、ダンプカーのナンバーが見づらいことから、容易に目視できるうようにしたもので、ダンプカーのみに課せられる表示義務である。 「地域名(ナンバーに準ずるが一部異なる表記の地域がある)・分類・表示番号」となる。 ダンプカーの分類一覧 表示区分ナンバー建 建設業 白地・緑字 営 自動車運送業 緑地・白字 販 砂利販売業 白地・緑字 砂 砂利採取業 白地・緑字 砕 採石業 白地・緑字 他 その他 ※建機レンタル、自治体など 白地・緑字 全て一文字○で囲い文字とされる。 コンテナ車 輸送用の専用固定金具を装備したものである。 ▲トラックミキサ 生コンクリートを撹拌しながら運ぶ。別名「アジテータートラック」「トラックアジテーター」など。一般にミキサー車と呼ばれる。 トレーラー 原動機を持たず、専ら牽引されるための車。牽引されるための装置を持ち、牽引するための装置を持つ自動車(トラクターという)に接続して走行する(注:全日本トラック協会では「トレーラ」「トラクタ」という表記を使用している)。追加の荷台として使用する小さなものから戦車が運搬できる大きなものまでさまざまな大きさがある。数としては圧倒的にセミトレーラーが多い。セミトレーラー: トレーラーの重量の一部をトラクターが支える。普通は専用のトラクター(トレーラーヘッド)で牽引する フルトレーラー: トレーラー自身で自重を支える。トラクターは通常の自動車 ポールトレーラー: トレーラーとトラクターを跨ぐように貨物(主として長尺物)を積載する。トラクターは通常の自動車または専用のトラクター ピックアップトラック 乗用車の後部座席より後ろの部分をそのまま荷台に置き換えたボディ形状のトラック。 ライトバン 貨客兼用車である。乗用車であるステーションワゴンと異なり、貨物車扱いとなる。 ▲広告宣伝車 貨物自動車の車体に看板や拡声器を取付、宣伝を行うクルマ。特殊用途自動車では放送宣伝車に分類される。
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