本格的な考古学調査の時代の到来とは? わかりやすく解説

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本格的な考古学調査の時代の到来

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 23:39 UTC 版)

グレート・ジンバブエ遺跡」の記事における「本格的な考古学調査の時代の到来」の解説

20世紀入り、ようやく正確な考古学調査始まった1905年イギリス科学振興協会エジプト考古学業績のあったデイヴィッド・ランダル・マッキーヴァー (Randall-MacIver,D) に調査依頼した。マッキーヴァーは現地グレート・ジンバブエのほかカミ遺跡ドーロドーロ遺跡、ナレタレ遺跡など6カ所の遺跡調査した。彼はホール放置して廃棄した土器はじめとする生活用具関連出土品一級資料とし、現地地層構造との関係を検証した。そして、発見され土器片が現在のショナ人使用しているものとほぼ同じであって石造建築物何らアラビア風の影響は認められない論じ遺跡ショナ人など現地住民築いたものだと主張したまた、発見時の遺物層位学的な位置関係注目するとともにアラブペルシャビーズ中国陶磁器などの搬入品はソロモン時代紀元前どころか早くて11世紀さかのぼことはなく、これらの遺跡15世紀ごろのものである論じたホールはさっそく反論書いて決着つかないかに思われた。 1929年に再びイギリス科学振興協会要請に応じて女性考古学者のガートルード・ケイトン=トンプソン (Caton-Thompson,G.) が発掘調査をすべく現地赴いた。彼女は、「谷の遺跡」とモーンド廃墟について緻密なトレンチ調査行い層位学的研究法見地から最下層までの層位遺物を対応させた実測図データ提示して、後の研究者データ検証できるような報告書作成するように努めた。そして彼女は自らの調査成果からマッキーヴァー説を強く支持する調査結果発表した。彼女の調査法フィールド調査の手本とされ、ガーレイクはその調査法を「広域発掘調査最初にして唯一の調査」と賞賛し、今日でも高く評価されている。 その後ケイトントンプソン各地講演行ったが、プレトリア行った講演遺跡建築者は紛れもなく現地アフリカ人であること、彼らが成熟した文明担い手であって高度な国家的組織優れた独創性と高い技術持っていたことを論じ南部アフリカ学界挙げて取り組むにふさわしいテーマだと訴えると、アウストラロピテクス発見者として知られるレイモンド・ダート激怒して演壇司会者向かって怒鳴りつけ、会場から足を踏み鳴らして出ていったという逸話がある。このようにグレート・ジンバブエアフリカ人建設説は、当時アフリカ南部白人社会においては受け入れがたいものであった1958年ローデシア政府のもとでロジャーサマーズはグレートエンクロージャーの再発掘調査、キース・ロビンソンは出土陶磁器編年、A.ウィッテイが建築学的発展過程についての調査行った。この3者によって包括的基礎的なデータの収集が行われた。また、D.P.アブラハムによるポルトガル人残した文献口伝考古遺跡発掘調査検討による研究世界的に注目された。後述するように彼の研究は、日本国内におけるように未だ誤解残している面があるが、当時としては優れた学際研究みなされた。 1961年ジンバブエ・アフリカ人民同盟 (ZAPU) が結成されグレート・ジンバブエこそアフリカ人新国家の誇るべきシンボルであると主張したこのためローデシア政府白人保守派は、グレート・ジンバブエアフリカ人建設説はアフリカ原住民ナショナリズム鼓舞しかねない恐れ未だに「謎に包まれているという」公式見解を発表した1965年にはグレート・ジンバブエに関する文献検閲することで、アフリカ人にとって有利であり、白人のみが優等人種であるという考え方にとって都合の悪い事実隠そう試みた1970年代に入るとトーマス・ハフマンとガーレイクによる発掘調査が行われた。ハフマン庶民居住区1200m2の調査行ったこれまで石造建築物中心だった調査目標石造物以外の庶民の生活にスポットあてようとするものだった。しかし、ローデシア政府はこれらの研究者冷遇し、ガーライクなどの研究者アフリカ人にとって有利で白人のみが優等人種であるという考え方にとって都合の悪い事実調査している、との判断基準から国外退去せざるを得なかった。1980年ロバート・ムガベによる黒人多数政権ができてから「公式見解」が取り消され学術的な成果還元できるようになった

※この「本格的な考古学調査の時代の到来」の解説は、「グレート・ジンバブエ遺跡」の解説の一部です。
「本格的な考古学調査の時代の到来」を含む「グレート・ジンバブエ遺跡」の記事については、「グレート・ジンバブエ遺跡」の概要を参照ください。

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