本格的な海外進出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:35 UTC 版)
「LOUDNESS」の記事における「本格的な海外進出」の解説
1983年のヨーロッパツアー及び『撃剣霊化』のレコーディング中の間にアメリカのRCAレコードやゾンバ・ミュージック・グループからのオファーが事務所宛に届く。この時点で中下は「RCAと契約した方が良いのではないか?」とメンバーと打ち合わせをしていたが、1984年5月のヨーロッパツアー中にワーナー・パイオニアを通じでアトランティック・レコードより「LOUDNESSに興味がある」との一報が所属事務所に入った。中下はこの時点でアトランティック・レコードの存在を知らなかったが、メンバーにとっては憧れのレッド・ツェッペリンらを輩出した大手レーベルであった事から協議の結果アトランティックと契約。契約内容も7年間にアルバム7枚をリリースするという日本人アーティストとしても前例のない契約であった。 これと前後してデイヴ・ムステインを解雇したばかりのメタリカ側のマネージメントから高崎へ、まだメジャーレーベルと契約する前の無名バンドだったメタリカへの加入へのオファーの手紙とデモテープが届くが、高崎が「LOUDNESSに命を賭けている」事や「日本人チームで世界と闘いたい」という強い思いからオファーを断っている。 1984年5月、高崎はアトランティックとの打ち合わせの為に渡米、全米デビューアルバムのプロデューサーとしてエディ・クレイマー、ニール・カーノン、マックス・ノーマンの名が挙がる中、高崎はノーマンが手がけたオジー・オズボーンのアルバム、特にランディ・ローズの音を好んでいた事から協議の結果、アルバムのプロデューサーにノーマンを迎えた。ノーマンはアメリカ進出するバンドが成功する事を強く意識し、当時アメリカのヘヴィメタルシーンでムーブメントを起こしていたグラム・メタルの様な明るいサウンドを目指す方向性に舵を取った。 1984年7月、中下に英語の発音の悪さを指摘された二井原が、英語やヴォーカルレッスンの為に先に渡米。8月下旬、レコーディングの為残りのメンバー全員が渡米。ノーマンの一切の妥協を許さぬ厳しい指導に耐えながらの2ヶ月以上もの長期レコーディングを経て12月1日、先行シングルとして『CRAZY NIGHT』、翌1985年1月24日に『THUNDER IN THE EAST』がリリース。アルバムは日本のオリコンチャートでは最高第4位、アメリカのビルボード総合チャートで最高74位を記録したビルボードでは24週に渡り、200位圏内にランクインされた。 12月2日の渋谷公会堂を皮切りに翌1985年2月1日まで日本ツアーを開始。4月から6月にかけて全米ツアーを行う。6月21日には劇場用アニメ『オーディーン_光子帆船スターライト』の主題歌や劇中BGMを収録した12インチシングル「GOTTA FIGHT」をリリース、6月30日から8月6日にサポートキーボーディストに元ノヴェラ〜GERARDの永川敏郎を迎えて日本ツアーを行った後、8月8日よりモトリー・クルーの前座として全米ツアーに参加。8月14日には日本人アーティスト及び日本のバンドとして初めてマディソン・スクエア・ガーデンのステージに立った。 モトリー・クルーとのツアーは9月18日まで続き、ツアー終了後に帰国。12月には再びノーマンを迎えて六本木のセディック・スタジオでレコーディングを開始。レコード会社も日本コロムビアからワーナー・パイオニアに移籍、1986年3月には『SHADOWS OF WAR』がリリースされる。同時に大阪城ホールを皮切りに日本ツアーを開始。4月3日、4日に行われた代々木オリンピックプール公演の模様は同年9月に映像作品『LIVE IN TOKYO〜LIGHTNING STRIKES』、11月には2枚組みライブアルバム『8186 LIVE』として発売された。 7月25日には前出の『SHADOWS OF WAR』のUSミックス盤『LIGHTNING STRIKES』が全米で発売。ビルボード総合チャート64位と前作『THUNDER IN THE EAST』を上回る記録を残した。8月には全米ツアー、10月にはヨーロッパツアーを行う。このツアーの間にアメリカでは前半にポイズン、シンデレラを前座に、後半はAC/DCの前座として、ヨーロッパではサクソンと共に行っていた。全米ツアー終了後の9月25日にはシンセサイザーを多用したディスコ的な『RISKY WOMAN』をリリース。12月28日、29日にはバンド初の日本武道館公演を行っている。
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