日本での報告
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国内での最初の症例報告は大正時代であり、中村古峡の『変態心理の研究』(大同館書店、1919年)に「二重人格の少年」「再び二重人格の少年に就いて」の2例の報告がある。中村は別の女性患者について「二重人格の女」を『変態心理』(日本精神医学会)1919年1月号より1926年9月号まで15回連載し、『ヒステリーの療法』(精神衛生講話第二冊、主婦之友社、1932年)「附録 二重人格の女」を経て、単行書『二重人格の女』(大東出版社、1937年)に結実した。続いて京都大学の中村敬三が、1947年10月の第34回近畿精神神経学会で17歳の女子学生の症例を報告している。ただし現在に続くDIDの治療・研究は1990年初頭からである。従って国内での報告のほとんどは2000年以降に発表されたもので、公表されているものは以下の通りである。神戸大の安らの報告が唯一1990年代であるが、調査人数はそれ以降のものに比べて少ない。 安克昌、 1997年の報告:調査人数15人。女性87%、情緒的虐待87%、性的虐待73%、身体的虐待60% 町沢静夫、 2003年の報告:調査人数 70人。女性 89%、父母との別離および夫婦喧嘩 16%、親の情緒的虐待 4%、身体的虐待 37%、性的虐待 26%、他人からの性的トラウマ 30%、いじめ 29%、交通事故および死の目撃 3% 。 舛田亮太、中村俊哉、 2007年の報告:調査人数55人。性被害 36%、死の目撃 6%、性的虐待 22%、身体的虐待 33%、心理的虐待22%、ネグレクト 11%、重要な他者の死亡・別離36%、特に報告無し 36%。 柴山雅俊、 2007年の報告:調査人数42人。両親の不仲60%、性的外傷30%、近親姦9%、両親からの虐待30%、学校でのいじめ60%、交通事故20%。 岡野憲一郎、2009年の報告:調査人数 28人。女性 96%、情緒的虐待 29%、性的虐待 22%、身体的虐待 18%。 白川美也子、2009年の報告: DID、調査人数 23人。身体的虐待 61%、心理的虐待 74%、ネグレクト 43%、家庭内性的虐待 22%、家庭外性的虐待 30%、DV目撃 65%。 DD全体では調査人数 105人。身体的虐待 57%、心理的虐待 83%、ネグレクト 49%、家庭内性的虐待 31%、家庭外性的虐待 43%、DV目撃 64%となる。 一丸藤太郎、 2009年の報告:調査人数19人。性被害 32%、死の目撃 0%、性的虐待 11%、身体的虐待 21%、心理的虐待11%、ネグレクト 11%、重要な他者の死亡・別離21%、特に報告無し 21%。 岡野は一般的見解として、情緒的虐待は軽いものまでふくめれば大多数。身体的虐待は推定では半数ぐらい。性的虐待については説によって大きく異なり不明としている。北米での報告では患者のほとんどが幼児期に身体的虐待、性的虐待を受けているとする。日本においても、身体的虐待、性的虐待を受けた人は確実に存在する。DIDとして現れるのはその一部に過ぎない。しかし日本のDIDの患者にはそれ以外の深刻なストレスを訴える患者もかなり多いのが北米統計との大きな違いとなっている。上記表で、舛田亮太らの報告、一丸藤太郎の報告にある「特に報告無し」とは心的外傷の顕著ではない「一時的ストレス型」「持続的ストレス型」の合計である。また岡野憲一郎の報告では「上記統計とはほかに・・・関係性のストレスを経験した例が28.5%、原因不明の例が多数」とある。 なお、柴山雅俊2007年報告の調査対象はDIDを含む解離性障害であるが、国立精神・神経センター病院からの白川美也子報告に見られるように、DIDだけと、それを含む解離性障害全体での虐待比率には有意差はない。なお、白川美也子報告についてより詳細には「解離性障害」の「ストレス要因」を参照されたい。解離性障害全体の中でDIDの比率は、日本でも北米でも10% - 20%とされており、特定不能な解離性障害 (DDNOS) が50% - 60%、残りが解離性健忘障害その他とされており、大きな違いはない。。
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日本での報告
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東京電力や経済産業省などのレポートでは、2007年現在までに日本で確認されている臨界事故は、核物質処理施設における事故と研究用原子炉で起きた事故に分けられる。前者は一般に臨界が決して起きないように管理された環境で起きた事故であるのに対して、後者の場合には臨界状態は原子炉内で人為的に常時起こされているものの、何らかの理由でこの臨界状態が制御されない状態に陥ったものである。またこれらとは別に、2007年には、日本の商業用原子力発電所で1978年と1999年に臨界事故が起きていた可能性が高いことが明らかになっている。
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