スキルス‐いがん〔‐ヰガン〕【スキルス胃×癌】
読み方:すきるすいがん
スキルス胃癌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 16:37 UTC 版)
ひとかたまりにならず、正常組織に染み渡るように癌が浸潤するため、病変の表面が正常組織に覆われていたり、病変内に飛び石のように正常組織が残っていることがある。また分化型腺癌と異なり、血管も破壊しながら発育するため、スキルス胃癌では上部消化管内視鏡で狭帯域光観察 (NBI) を用いても病変が茶褐色に描出しにくい(むしろ白色にみえる)。 病理学が発展する前、スキルス胃癌が悪性腫瘍と分かるまでは、一種の胃炎と考えられていたため英語の医学用語では現在もlinitis plastica(形成性胃炎の意)と名付けられている。 スキルス胃癌はヘリコバクター・ピロリとの関連は少ないとされていたが、やはり関連はあるとする報告が最近は多く見られる。 この種類の胃癌はアジア各国、特に日本での報告が多い。遺伝性びまん性胃癌家系はニュージーランドのマオリ族で見出されており、CDH1遺伝子変異によるE-cadherinの機能不全がある。この家系では胃の印環細胞癌が多発し、女性では乳腺小葉癌もみられる。PSCAの遺伝子変異やRhoAの遺伝子変異も関与が研究されている。
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