技術者に要求される計算力とは? わかりやすく解説

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技術者に要求される計算力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/21 14:02 UTC 版)

計算力」の記事における「技術者に要求される計算力」の解説

技術者研究者一部)の世界においては設計計算や、実験結果事前予想実験結果現象論的な解釈において、 何が現実世界影響及ぼしうるファクターか? 何が検討対象値するか、なにが影響しないのか? データどのような曲線を描くか? 等を検討する必要がある また、上の検討踏まえたうえで、データ適当な統計図表可視化する必要がある。 さらに、現実問題モデル落とし込み数値的、あるいは、数理的解析する必要がある。 ところが、きちんとした解析をしていては、「後の祭り」になる可能性があるため、標語的に「牛を球として扱う」等と言われるように、「何らかの複雑な法則に従っている複雑な現象を、平行平近似球体近似等のように、一次近似などの簡略化用いることで、大雑把に見積もること」(オーダーエスティメーション能力や「単位換算」などのこまごまとした計算手際よく行う能力が必要となる。 このようにモデル初等的なものに限定し算数+αレベル基づいて、「合えば充分」といった姿勢取り扱うことを、オーダーエスティメーションという。 このような能力は、実験局地戦で行う場合に特に役に立つ実験家の場合には、適宜得られデータを、実験ノート上やその他の適切な媒体上で統計図表等にまとめることで随時分析し、 「本来同データ得られるはずの実験再現しているか」(単にデータ羅列のみでは、誤差影響など再現しているか否か分からない可能性がある) 「何か異常なはないか」(異常な点は必ずしも誤りではなく発見に繋がる可能性がある) 「計測機器設定最適か」 「その他何か問題点などがないか」 などを把握しその実験の対処軌道修正案をすぐさま立案実験フィードバックすることが要求されるが、このような場合には、上記の意味計算力功を奏する技術者場合には、「設計対象仕様影響与えドミナント支配法則をまず考慮して概略傾向数値的に掴むこと」や、「2次的効果を及ぼす項目の洗い出し」を手際よく行うことが要求されるこのような場合にも、上記の意味計算力功を奏するこのような能力身につける上では、通常の高校、大学レベルまでの演習経験学生実験等のトレーニング加え実際の設計研究経験重要だが、そのうえで現象法則を、直観的に説明出来、かつ、具体的なオーダースケール)まで瞬時予想できる」よう注意を配る必要があるしかしながら科学系の技術者研究者、およびそれを目指す者を対象に、この能力、つまり「オーダーエスティメーション能力」を高めることそのもの指南書は、存在しないか、極めて僅少である。 「即算術」などの計算技法指南書多数出ているが、これらの大半は、研究者技術者との間の意識乖離しているという指摘がある。設計には公差があり、実験には誤差があり、それを見込んで設計/実験を行うため、少なくとも概算場合には、必ずしも「完全に正確な計算結果」が必要でない場合圧倒的多数である(通常は、オーダー最初の1~2以外はあまり意味をなさない)。ところが通常の計算技法指導書は、「無理に完全な答え出そうとするあまり、現実研究開発現場で要求されている計算技術としては無駄が多い。さらに「単に、筆算速い」とか、「桁数の多い四則演算高速暗算できる」等といった、一種の”芸”よりもはるかに実践的な計算力”として重視される傾向がある。また、背後にある物理現象重要性極めて大きい。 科学技術分野での「オーダーエスティメーション」に、「仮説推定組み合わせておおよそ数字見積もる」という点において、共通点が多いものとしては、「IT技術者」や「ビジネスプロフェッション」向けに、行われるいわゆるフェルミ推定といわれるスキル訓練がある。フェルミ推定においては、「シカゴ市内のピアノ調律師の数を推定せよ」などといった、簡単に調べにくい問題対し比較調べやすいパラメータや、すでに知っている数字から、論理的に推定与えトレーニングである。 先述のように、「仮説推定組み合わせておおよそ数字見積もる」ことは、科学系の技術者研究者においてこそ重要であるが、科学系の技術者研究者直面する問題には、本質的に物理学化学工学見識要求される部分が多いため、「いろいろな現象に対して法則、公式をどのように適用して推定していく」という問題対し、 「具体的な近似)公式に数値代入する作業」 「現実現象モデル化する」 の両方に、「思いつき」ではどうにもならない本質的な難点がある。 「具体的な近似)公式に数値代入する作業」については、演習書が有効である。 高校レベル大学レベル演習にあっては、「具体的な近似)公式に数値代入する作業」を通じて、 「オーダースケール」、「典型的な現象の理解」を定着させることを主眼置いた書物多数ある。 また、現実現象モデル化する」という部分まで含めた例解演習について、計算の例は、寺田寅彦随筆中に多く見られファインマン物理学等の海外教科書や、朝永振一郎の「量子力学」などの国内教科書一部には、このような計算訓練行えるよう配慮されている。 このように、「オーダーエスティメーション能力高めることそのもの指南書は、存在しないか、極めて僅少である」ものの、部分的にであれば、すでにある本の中でかなりの基礎が培える。

※この「技術者に要求される計算力」の解説は、「計算力」の解説の一部です。
「技術者に要求される計算力」を含む「計算力」の記事については、「計算力」の概要を参照ください。

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