戦前における高速鉄道とは? わかりやすく解説

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戦前における高速鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 11:18 UTC 版)

新幹線」の記事における「戦前における高速鉄道」の解説

日本の鉄道明治時代草創期コストの面から狭軌採用したため、その規格低さ加えて地形的事情から勾配曲線が多いなどの制約を受け、欧米鉄道のような高速運転とは無縁であった最高速度1910年代から1950年代まで100 km/h以下に留まっていた。 そこで標準軌改軌する提案も、明治から大正にかけて何度出されていたが、政争予算問題などから結局実現しなかった(日本の改軌論争参照)。 また1910年代には、東京 - 大阪間に電車による高速新路線「日本電気鉄道」を敷設する計画民間から出されたが、国の許可するところとならず実現には至っていない。 日本における現実的な高速列車開発は、日本勢力にあった満州現在の中国東北部)を縦断する南満州鉄道満鉄)に始まる。同社日本資本技術により運営されており、ほとんどの幹部技術者日本人で、実質的に日本の鉄道と言っても過言ではない当時満鉄電化以前鉄道蒸気機関車牽引であったが、1,435 mm国際標準軌(日本では広軌称した)を用いた規格路線であり、保守的な日本内地鉄道省とは一線を画し先進的な試み早くら行っていた。 1934年昭和9年)、満鉄自社設計によって当時欧米潮流に互した流線形蒸気機関車パシナ形」を開発、これに新開発流線形客車編成組み合わせ大連 - 新京(現・長春)間701 km特急「あじあ」号を運転開始した。この列車最高速度120 km/h以上を誇り、最高95 km/h留まる鉄道省列車はるかに凌駕した所要8時間30分、表定速度82 km/h達したとはいえ当時欧米鉄道はさらに上を行っていた。例えイギリスロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道LNER)がロンドン - エディンバラ間に運転していた特急列車フライング・スコッツマン」は、蒸気機関車牽引最高速度160 km/h上で営業運転行っており、ドイツ国鉄では気動車列車フリーゲンダー・ハンブルガー」が150 km/h上の高速営業運転していた。さらにアメリカ私鉄各社には、定期運転列車牽引して最高速度優に180 km/h達す蒸気機関車さえ存在していたのである。 「あじあ」号は全客車冷暖房完備など世界最先端行っていた部分もあったが、120 km/h運転そのものは、当時欧米主要幹線での標準的な水準達したものでしかなかった。 この技術が、日本本土鉄道直接生かされることはなかった。しかし満鉄関係者には鉄道技術者の島安次郎がおり、その長男島秀雄と共に後述する「弾丸列車計画」を推し進めることになる。 なお、前述した日本電気鉄道のように、民間による大規模な都市電車実現しなかったが、中近距離都市電車に関しては、新京阪鉄道阪神急行電鉄参宮急行電鉄阪和電気鉄道のように、アメリカインターアーバン技術取り入れるなどして実現させた所もあった。これら路線多くは、既存鉄道線競合する形で敷設されたものとなっており、「(既存並行線よりも)高規格路線において、高速運転を行うこと」がその建設目的となっていた。「新しい高規格線を敷く」という意味では、新幹線通じる所もある。 その中でも、参宮急行電鉄転じた関西急行鉄道途中伊勢中川駅での乗り換えこそあるものの、大阪名古屋という中距離の2大都市間(当時営業キロで189.5 km)を電車で結ぶことに成功しており、また阪和電気鉄道は「あじあ」号の水準匹敵する表定速度81.6 km/hの「超特急」を狭軌路線運転していた。 これらの私鉄用いられ電車ハイレベルな仕様車両多く新京阪P-6形、参急2200系阪和モヨ100形など)、後述する国鉄における動力分散方式開発にも、いくらか影響与えている。

※この「戦前における高速鉄道」の解説は、「新幹線」の解説の一部です。
「戦前における高速鉄道」を含む「新幹線」の記事については、「新幹線」の概要を参照ください。

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