徳川吉宗への献身とは? わかりやすく解説

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徳川吉宗への献身

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 07:58 UTC 版)

今村英生」の記事における「徳川吉宗への献身」の解説

徳川吉宗1716年将軍任じられる。英生は吉宗三男源三の名を憚り(と本人商館長説明している)、1719年俗称を「源右衛門」から「市兵衛」と改めた実学洋学強い関心を示す吉宗西洋文物輸入させるが、その目的から1721年御用通詞新設さる。1724年江戸通詞の英生は商館長一行江戸参府の折、3月23日城中幕府医官と上外科ケーテラール(Willem Ketelaer)との質疑応答通訳するが、そこに吉宗お忍び参加する25日には奥坊主水谷甫閑(? - 1726)らが吉宗自ら捕えた白鳥をみやげに商館長一行宿舎長崎屋訪れ、それを食材とした西洋料理を賄わせ、同時に甫閑を介し吉宗からの質疑応答が英生の通訳で行われた。英生の解説も含むその時報告書小冊子和蘭問答』として残されており、そこには「麦の酒」「ヒイル」なる語が表記されており、日本初め表記されビールを指すと考えられている。 1725年、英生は前任者の跡を継ぎ御用通詞兼務この年来航オランダ船には吉宗1723年発注したペルシャ馬など5頭が積まれており、その世話のため調馬師ケイゼルHans Juergen KeyserまたはKeyserling)が来日した。これは吉宗軍馬改良政策一環で、日本馬体大きな強い馬を繁殖させるのが目的であったその後、洋馬の輸入1737年まで続き合計28頭にも及ぶ。英生は出島馬場設定来日調馬師出島派遣され幕府の飼育責任者との間の馬術習得、馬療法飼育法質疑応答などに通訳として携わった1728年58歳で英生は通詞目付就任する1729年、彼は再来日したケイゼル付き添い江戸に赴き御浜御殿現在の浜離宮恩賜庭園)で馬場厩舎設営通訳として関与した翌年4月17日朝鮮馬場にてケイゼル馬術吉宗御前披露され、英生は通訳の功により金10両を拝領した吉宗関心は洋馬のみに止まらず天文・暦法、法律医学薬学武器地勢動植物雑学などあらゆる方面にわたり、各種御下問発注長崎奉行所通じもたらされ、それに対処するのが御用通詞・英生の役目でもあった。例え吉宗薬種植物の種子輸入国産化を図る。1727年発注中にサフランなど植物の苗木38種、ケシなど種子31種がある。そのすべてをオランダ語もしくはラテン語翻訳するのも仕事であった実際に注文応じ翌年輸入されたのはコショウなど苗木7種、ケシ・パセリなど種子16種に過ぎず、それらは小石川薬草園などに移植されたが、繁殖には至らなかった。その結果発注その後1735年まで執拗に繰り返される天文測量に関する御下問にも英生が対応していることが『測量秘言』の記述から窺える。 しかしこれらの業務本業であるオランダ通詞としての役目合間行われたことであり、商館日誌記述からも英生は商館から最も信頼され高く評価されていた通詞一人であったことが分かる。 英生は前述1729年から30年にかけての江戸滞在中に欽命により、1725年渡来したピーテル・アルマヌス・ファン・クール(Pieter Almanus van Coer)著の『Toevlugt of heylsame Remedien voor alderhande Siektens en Accidenten die de Paerden soude konnen overkoomen (馬に多発する疫病および障害予防または治療)』いわゆる「馬療書」の翻訳行ったそれまで調馬師との質疑応答やこの翻訳など編集し集大成したのが今村市兵衛の名による著書『西説伯楽必携』(1730年頃)である。構成は「長崎奉行トノ問答」「馬相形」「轡沓」「厩並飼料」「乗方」「薬方」「馬疾療法」から成り最後の項の原典前述ファン・クール著書である。原書翻訳比較分析した獣医学者・濱學は論文の中で、Zenuw(神経)にたいし、その機能理解し今日でいう自律神経系乃至は運動・知覚神経系にも該当する漢方でいう「『気』の筋」を訳語当てた、とその的確な翻訳評価し、さらに薬材関し300余種の掲載薬材中、50遥かに超える薬材解明し和漢名に翻訳している (中略短期間にこの書を完訳した能力只々感嘆通り越して畏怖の念さえ覚える」と称賛している。 英生は1736年、健康上の理由から通詞目付辞するが、御用通詞現役のまま9月22日元文元年8月18日没し菩提寺である浄土宗正覚山大音寺に葬られた。享年66戒名は「知新院寛誉舊古居士」と称す1924年大正13年2月11日生前の功により正五位贈位された。

※この「徳川吉宗への献身」の解説は、「今村英生」の解説の一部です。
「徳川吉宗への献身」を含む「今村英生」の記事については、「今村英生」の概要を参照ください。

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