今村英生とは? わかりやすく解説

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今村英生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/29 02:09 UTC 版)

今村 英生(いまむら えいせい、1671年12月6日寛文11年11月5日) - 1736年9月22日元文元年8月18日))は、江戸時代中期のオランダ通詞(幕府公式通訳官)。通称は源右衛門、のち市兵衛。若いころ出島でエンゲルベルト・ケンペルの助手となり語学に磨きをかけると共に薬学・医学・博物学を習得。通詞に採用されてのち、抜群の語学力[1]と学識[2]を生かし、新井白石徳川吉宗洋学を陰で支えた。著書『西説伯楽必携』は日本初の西洋獣医学・馬術・飼育法の翻訳書として高く評価されている。


  1. ^ 「私は最初の年にこの抜け目のない頭脳にオランダ語を(さもないと私は意思の疎通がままならないので)文法から教え込んだ。その結果彼はオランダ語を自ら書けるようになり、そしてどんな日本人通詞よりもはるかに上手に話せるようになった」(ケンペル『Heutiges Japan』の序より、同著書, p.7)
  2. ^ 「だが私には望外のあの幸運がおとずれた。すなわち学識(gelehrt)のある若者を私の目的を達するための待望の手先とし得て (中略) この日本とシナの書籍と知識において学識があり…」(ケンペル『Heutiges Japan』の序より、同著書, p.6)
  3. ^ 今村明恒『蘭学の祖今村英生』(朝日新選書 4、1942)、『祖先を語る』私家本(1945)
  4. ^ ユーイン・ブラウン「大英図書館所蔵ケンペル将来日本資料の意義」『ケンペル展』(ドイツ・日本研究所、1990)
  5. ^ ヴォルフガング・ミヒェル「エンゲルベルト・ケンペルからみた日本語」『洋学史研究』13号(1996)
  6. ^ ユーイン・ブラウン「大英図書館所蔵ケンペル将来日本資料の意義」『ケンペル展』(ドイツ・日本研究所、東京、1990)
  7. ^ 1695年9月26日:「奉行達は今朝、稽古通詞3人任命した由、 (中略) 2人目の自人物はオランダ語のImamorach Gennemonと名乗る者で、我々の言葉に熟達しており、だれ一人彼の上を越す物は居なかった。彼は若い頃より現在迄当地商館の上位外科医に奉公している。」今村英明「『商館日誌』と『オランダ商館日誌と今村英生・今村明生』、p.1
  8. ^ 片桐一男『阿蘭陀通詞今村源右衛門英生 ― 外つ国の言葉をわがものとして』丸善ライブラリー145(丸善、1995) ISBN 4621051458
  9. ^ Japans Dagregisters(日本商館長日誌)。原本はオランダ国ハーグの国立中央文書館(Nationaal Archief)所蔵。日誌部分訳;今村英明訳『オランダ商館日誌と今村英生・今村明生』(ブックコム、2007年)
  10. ^ 宮崎道生校注、新井白石著『新訂西洋紀聞』(東洋文庫113、平凡社、1968)
  11. ^ 今村英明「ブラウ世界図の付箋について」『日蘭学会会誌』37巻1号(日蘭学会、2007)
  12. ^ 宮崎道生「『外国之事調書』について」『史学雑誌』66巻(山川出版・史学会編、1957)
  13. ^ Japans Dagregisters(日本商館長日誌)。原本はオランダ国ハーグの国立中央文書館(Nationaal Archief)所蔵。日誌部分訳;今村英明訳『オランダ商館日誌と今村英生・今村明生』(ブックコム、2007)
  14. ^ 今村英明「徳川吉宗と『和蘭問答』」片桐一男編『日蘭交流史 その人・物・情報』(思文閣出版、2002)
  15. ^ 今村英明「徳川吉宗と洋学(その一、軍事・工学)」『洋学史研究』19号(洋学史研究会、2002)
  16. ^ 今村英明「徳川吉宗の植物注文と御用方通詞」『洋学』10(洋学史学会、2001)
  17. ^ 今村英明「『測量秘言』成立の背景について」『洋学史研究』28号(洋学史研究、2011)
  18. ^ 日本商館長日誌、1718年9月6日:「このfijne vos[賢い狐、源右衛門のあだ名]は物事の白黒をはっきりさせず、公的な発言を控える。そして重大事を会社にとって希望を持てる様に、有利になる様にと取り計らう」今村英明訳『オランダ商館日誌と今村英生・今村明生』 pp. 118(ブックコム、2007)
  19. ^ In 's Gravenhage: Gedrukt voor den autheur, by Levyn van Dyck [...] 1688
  20. ^ 勝山 修「江戸時代に翻訳されたオランダ語獣医学書の原典の探索」『洋学』4(洋学史学会、1995)
  21. ^ 濱 學「我国初の西欧馬医書の完訳本阿蘭陀馬療治和解と訳者今村英生」『ヒポファイル』15、16(日本ウマ科学会、2003)
  22. ^ 田尻佐 編『贈位諸賢伝 増補版 上』(近藤出版社、1975年)特旨贈位年表 p.51


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