地層の形成と地層に見られる構造とは? わかりやすく解説

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地層の形成と地層に見られる構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 07:30 UTC 版)

地層」の記事における「地層の形成と地層に見られる構造」の解説

地層は、その成因から水成層と風成層区分される以下に挙げるのは、水成層の形成過程である。 地球上には、水中窪地などの環境がある。そのような範囲内に、他の場所から侵食されてきた岩石土砂が、降り積もったり、によって運搬されてきたりして、堆積物長い期間を経て次第溜まっていく。これがひとつの層になり、その層が積み重なって大小なりの地層形成される地層一般的に水中のほぼ水平なの上に、一定の厚さ溜まっていく。比較均質な構成物からなる1枚地層単層呼び単層単層の間の境界面を層理面という。普通、地層地面中に隠れており見ることはできないが、火山性地震断層がずれることなどによる隆起地面断面見えるようなところでは、地層観察できる。これを露頭という。典型的な露頭は、崖や、道路脇地面削り取られたところ、採石場川岸土手などで、粒径構成物異なったからなる平行な帯のひとつとして観察することができる。グランドキャニオンのような大渓谷では、数億年に渡る期間の地層観察できることもある。それぞれの単層厚さは、1 mmにも満たない単層から、1 km越え単層まで様々である。 それぞれの地層から、その層が堆積した環境推定できる水成堆積物では河口に近い位置堆積したものほど粒度が荒い砂、離れる従い細かくなり、シルト粘土となる。地層構成する物質当時有機物もしくは生物である場合もあり、泥炭地植物堆積した石炭深海微生物堆積したチャートなどがある。現在見つかっている最古地層は、グリーンランドにある約40年前地層で、海底作られ地層考えられている。 地層は、堆積する速度変化はあるものの、おおむね連続して堆積している。これを整合と呼ぶ。これに対し地層地層境界に非常に長い不連続があり、侵食により一部地層欠落しているものを不整合という。堆積止まっている間に、地層侵食されたり、傾いたり、褶曲したりといった変動があることも多い。そのようなところに、再び水平に地層堆積したりする。下の地層上の地層が平行なものを平行不整合呼び上の地層と下の地層が傾いていたり、下の地層褶曲したりしているものを傾斜不整合と呼ぶ。また、下の地層火成岩からなる場合は、非整合と呼ぶこともある。地層欠落伴わず不連続時間が非常に短い場合時間間隙呼んで不整合区別することもある。不整合は、陸上でも海底でもつくられるが、いずれの場合も、岩石土砂堆積するような環境だった地域が、浸食され環境変化し、再び堆積する環境戻ったことを示している。不整合面のすぐ上には、比較大きな粒の礫が堆積していることが多く基底礫岩呼ばれる。これは、侵食され下部地層岩石から供給された礫である場合がある。 地層見られる特徴的な堆積構造として、以下のものがある。 斜交層理斜交葉理クロスラミナ、cross-bedding) 水流や風の速さ向き変化する環境堆積起こったときにできる、層理面と斜交した細かな縞模様である。当時水流などの方向推定できる級化成層級化層理級化構造graded bedding構成粒子が、下部粗粒で、上部に向かうにつれて連続的に細粒へと変化している単層のことである。時間とともに粒子運搬する水流弱まった場合や、乱泥流によって運ばれ粒子堆積した場合生じる。粗粒のほうが堆積した時点での下部だと分かるため、もともとの地層の上下方向決めるのに役立つ。 漣痕砂紋リップルマークripple mark水底に波が形成した模様残ったものである。堆積した当時の上方に尖った形で残るため、上下判定に役立つ。 スランプ構造(スランピング、slumping structure海底などに堆積した堆積物が、固化していないうちに海底などの斜面滑り落ち不規則に堆積してできたものをいう火炎構造フレーム構造flame structure泥質堆積物固結していないうちに上に砂質堆積物堆積し、その重み上位の砂が沈み込んで下位の泥が上昇したために、層理面が炎のように不規則なになったものをいう底痕ソールマークsole mark堆積粒子水流そのものにより堆積物表面につけられた溝が、その上に堆積した砂礫によって充填されたもの。特に堆積物タービダイト)のように泥層上に砂礫堆積する際に形成され底痕]は、露頭では差別侵食のために観察しやすく、古流向を知る手がかりとして役立つ。 化石層(fossil bed水流などにより、化石掃き寄せられて密集した層をいう。化石層からは貝殻発掘されることが多い。 砂管(サンドパイプ、sand pipe海底の砂の中に生息していた動物作った巣穴の跡である。巣穴最上部は当時海底で、巣が掘られている方向当時の下だと推定できる地層は、地殻変動などがあると大小なりに傾くことがある地層が傾いている場合層理面水平線交線方向走向層理面水平面のなす角を傾斜呼び、この2つ使って、傾いた地層方位を表す。走行傾斜は、断層や、不整合面など、地質学扱われる様々な面の方向を表すのにも用いられる地層地殻変動大地震大きな力がかかったりすると、大小なりに地層曲がってしまうことがある。これを褶曲と呼ぶ。上に凸の部分背斜、下に凸の部分向斜と呼ぶ。また、曲がらずに、ある平面を境にしてずれることもある。これを断層と呼ぶ。地層激しく褶曲した場合でも、地層が低角度断層伴ってずれ、大小なりにちぎれることがある石油は、地層背斜構造示しロックキャップとなっている部分溜まっていることが多い。 地層中には過去地層切って貫入したマグマ固結して残っていることがあり、岩脈呼ばれる岩脈は、過去マグマ通った火道である。一般にかなりの急傾斜であることが多い。また、過去地上マグマもたらした火道層状残っている場合があり、岩床呼ばれる一般に岩脈ほど傾斜きつくないまた、花崗岩岩石作る大規模な岩体で、露出面積100 km2上のものを底盤バソリス)と呼ぶ。

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