各エピソードの特記事項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 22:30 UTC 版)
「美味しんぼ」の記事における「各エピソードの特記事項」の解説
ホタルイカの生食(踊り食い) 第37巻「生きた宝石」にて、ホタルイカを生食する描写(ホタルイカの踊り食い)がなされているが、ホタルイカの内臓には高い確率で旋尾線虫という寄生虫が生息しており、重篤な寄生虫感染症を起こす可能性が高いため絶対に避けるべき行為とされる。また、内臓ごとの生食はさらに寄生虫感染の危険度が高まる行為である。厚生省生活衛生局は、生食を行う場合には、-30℃で4日間以上か同等の殺虫能力を有する条件で凍結させて寄生虫を殺虫すること、ならびに、内臓を除去すること、または内臓除去が必要である旨を表示すること、生食用以外の場合には加熱処理を行うことと指導している。 ハチミツと半熟卵 『ビッグコミックスピリッツ』2000年42号に掲載された「はじめての卵」(第469話)において、作者の知識不足から離乳食に蜂蜜と半熟卵を勧めるという話が掲載されて問題になり、同年10月16日発行の『ビッグコミックスピリッツ』同年44号で原作者と編集部が謝罪した。この回は単行本に収録されていない。生後数週から数ヵ月の乳児が蜂蜜を摂取した場合乳児ボツリヌス症を引き起こす危険性があり(1987年に厚生省から通達。そのため蜂蜜商品には「1歳未満の乳幼児には与えないようにして下さい」との説明がラベリングされている)、近年でも実際に死亡例が存在する。また卵アレルギーは3歳以下の乳幼児に多くみられるため、卵を与えることで発症させる恐れがある。 食品添加物 第101巻と第102巻には評論家の安部司が実名で登場し、食品添加物を批判している。しかし安部の主張は松永和紀他複数のジャーナリストや科学者により厳しく批判されている(詳細は安部司#批判を参照)。 『ビッグコミックスピリッツ』2007年48号掲載の「食の安全2」においては「食品添加物だけをブレンドしてインスタントラーメンの豚骨スープができる」としたが、翌49号では劇中の安部がブレンドした材料の中に添加物以外に香辛料なども含まれていたため「添加物をもとに豚骨スープができる」と編集部により訂正。さらに同年50号で社団法人日本即席食品工業協会からの抗議によって、実際のスープの主材料は「ポークエキス」や「スキムミルク」などの食品素材であり添加物は補助的なものであると認め、再度訂正を行った。この話は第101巻に収録されているが、雑誌掲載時の「こんなのみんな作り物だ!」との安部のセリフが、「こんなのほとんど作り物だ!」に差し替えられるなど、セリフが大幅に修正されている。 単行本第21巻では友人が送ってきた明太子に対し、化学調味料が大量にまぶされていることから「日本で最も恥ずかしい食べ物」との記述がある。 かまぼこの添加物 第6巻収録の「江戸っ子雑煮」において、士郎が市販のかまぼこを「添加物のかたまり」と評したことについて、業界団体から抗議が寄せられた。単行本掲載時には該当するフキダシのセリフが変更されている。 六ヶ所再処理工場 『ビッグコミックスピリッツ』2010年1号に掲載された「美味しんぼ」(第591話/食と環境問題)の中で、六ヶ所再処理工場に関する内容を取り上げた。日本原燃はこの内容に関して「一般読者の方々が施設の安全性などについて、誤解をされたり不安を抱かれたりする懸念があります」としてサイトに主張を掲載した。 木造建築 『ビッグコミックスピリッツ』2010年20号に掲載された「美味しんぼ」にて「日本の家屋で木材を、それも国産の木材を使う率は恐ろしく低い」と記述。その理由に関する「ひとつは、日本の建築学会が1959年に木造建築を否定したことにある」との記載について、日本建築学会がウェブサイト上に解説文を掲載した。 醤油 作中で複数回繰り返される「丸のままの大豆」ではなく「脱脂した大豆」を使ったものは本当の醤油ではないという表現に、大手醤油メーカーからクレームがついた。しかし、雁屋によればそのメーカーは後に「特別な日のための」というコピーをつけて「丸大豆醤油」を発売したという。なおこの問題については、両者の違いは油分の有無だけであって、技術の進んだ現在では脱脂大豆を使ってもほとんど味は変わらないと主張するメーカーもある。一方で、大豆の油脂分から「まろやかでやわらかな口当たりと深いコク、穏かな香り」が得られるとしているメーカーもあるなど、業界内でもさまざまな考え方が併存しており、優越をつける意味はないとの指摘もある。
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