会の結成
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「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の記事における「会の結成」の解説
1993年(平成7年)8月22日、東京都中野区の焼肉店で証言会が開かれ、在日朝鮮・韓国人約10名と日本人約5名が集まった。日本人参加者は小川晴久夫妻、高柳俊男、谷川透などであった。証言会では、焼肉店の女将、帰還事業で北朝鮮に渡った兄が1980年に銃殺された朴春仙、1991年に平壌留学の体験をもつ関西大学講師の李英和が証言した。この会に参加者した人の多くが、北朝鮮の山中に「管理所」「教化所」という強制収容所があり、帰国者はじめ多くの北朝鮮人民が過酷な扱いを受けていることを初めて知って大きな衝撃を受けた。 参加者のなかからもっと大きな証言集会を持つべきだという声があがり、同年11月7日、千代田区の神田パンセで約200名が参加する大集会開催につながった。このときの証言者は、朴春仙、李英和のほか、帰国した弟が強制収容所で殺された金民柱、朝総連新潟県本部で帰国者を送り出した張明秀、逃亡を図って銃撃で死亡したと北朝鮮が発表した曺浩平の妹の曺幸、それに、中野焼肉店のアジュモニの証言代読があり、支援者として愛知県立芸術大学の萩原重夫が加わって7名となった。短期間で200人もの人びとが集まったのには、李英和が大阪府で立ち上げたRENKの力が大きかった。 この2つの集会を経て、1994年の正月には帰国者問題を担う恒常的な組織を作る準備会が開かれ、そこで小川晴久が「北朝鮮帰国者の生命(いのち)と人権を守る会」という組織名を提案した。小川が北朝鮮当局が人の生命をいとも簡単に殺すので「生命」の語を入れるべきと主張すると、準備会に出席していた南朝鮮労働党元幹部の朴甲東がこれに強い賛意を示し、名前が決定した。 「守る会」の結成日の出席者は約180人だったが、うち朝鮮総連から組織動員をかけられた50人が妨害者として参加しており、開会冒頭から野次や罵声が浴びせられた。金英達による講演「帰国事業とは何か」は当初1時間を予定していたが、朝鮮総連の妨害者からの野次や怒号のため30分で終わらざるを得なかった。朴春仙、曺幸、金民柱による被害者家族の訴えの間も、朝鮮総連から動員された妨害者たちからの罵詈雑言はやまなかった。山田文明が会則案の朗読を始めると、前方を占めていた朝鮮総連の若者たちが演壇をめがけて実力行使の挙に出た。ついに会場側が110番通報するなか、仲間たちに守られながら山田が会則案を最後まで朗読し、賛否を会場に諮ると100名以上から賛同の拍手が得られたので、その場で成立を宣言した。 現在、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(守る会)では「70円で北朝鮮の拉致被害者に葉書を送ろう」という葉書キャンペーンを実施している。
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会の結成
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「救え! 北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」の記事における「会の結成」の解説
1954年(昭和29年)、在日朝鮮人3世として大阪府堺市に生まれた李英和は、関西大学専任講師だった1991年(平成3年)の4月から12月まで、開発経済学者として平壌直轄市の朝鮮社会科学院への短期留学を経験した。そして、留学によって実際に北朝鮮に入国してみると、金日成と金正日に対するあまりに度を超えた極端な個人崇拝、日常的に盗聴・監視・禁足の行われる徹底した監視社会の実態、あるいは庶民生活の経済破綻と困窮等を知るに及び、同国に強い失望の念をいだいたという。 帰国後の1992年10月、李英和は「民主と友愛のコメ」と題し、食糧難にあえぐ北朝鮮民衆への民間レベルでの食糧援助と日本政府への緊急人道援助を求めるキャンペーンを展開するが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)当局と在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)からの猛反発や妨害活動によって結局頓挫した。こうした経験により、1993年(平成5年)6月、高英起とともに「救え! 北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)を立ち上げた。6月3日には、メンバー50人余りが大阪市内の目抜き通りを「強制収容所を廃止し、すべての政治囚を釈放せよ」「金日成政権は人権弾圧をやめろ」「北朝鮮民衆に民主主義と人権を保障せよ」と書いたプラカードや横断幕を掲げてデモ行進をおこなった。また、RENKでは脱北者の支援や北朝鮮内部の資料、映像を世界へ公開する活動を展開した。出版物に、安哲兄弟による『秘密カメラが覗いた北朝鮮』(李英和、RENK 訳)がある。
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