三段目:住吉鳥居前とは? わかりやすく解説

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三段目:住吉鳥居前(通称:鳥居前)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 13:56 UTC 版)

夏祭浪花鑑」の記事における「三段目:住吉鳥居前(通称鳥居前)」の解説

住吉大社鳥居前にはお梶と息子の長松、三婦らが出迎え来ている。お梶親子は早速主人放免に社へお礼詣り。三婦はたまた通りかかった磯之丞が駕籠代のことで、悪党のこっぱのとなまの八に絡まれているのを救い、磯之丞を近所茶屋行かせる。そこへ、月代と髭の伸びた団七役人伴われて、縄を解かれる。「これも信心いたす、お不動様のおかげじゃ、また、兵太夫様、おありがとうございます、磯之丞様は私が命に賭けてお守り申します」と喜ぶ団七に、三婦が呼びかけ再会喜んだあと、新し着物与える。団七言われるままに床屋に入る。三婦は「さあ、これで何もかもすっくり行った。・・・着物煙草入れに・・・しもた!肝心白旗(白い下帯=褌の隠語忘れてきたがな!・・・まあ、ええわい。わしのは今日切りたて初穂。まあ白旗やのうて赤旗じゃがな。・・・これ床の衆!床の衆!」と自分の赤い下帯脱いで床屋若い者渡し悠々と茶屋へ向かう。 入れ違いに磯之丞の愛人琴浦佐賀右衛門言い寄れられるが、床から現れすっきりした侠客姿となった団七救われる琴浦茶屋に逃がす間もなく佐賀右衛門の子分の侠客一寸徳兵衛現れる。「ちょっと待ってもらおうかい」「待ていうのはわしのことかい」「そうよ」「乙に時代に出かけたな」と双方にらみ合いとなって、ついに争いとなる。「言うをも聞かぬ攫み合い打ち打たれ止めても、踏み飛ばすやら蹴飛ばすやら、止めぬ仕様並び立つ辻札取って二人が中へ、横にこかして機転」の浄瑠璃通り二人争いお梶が「曽根崎心中」の絵看板止め入り徳兵衛お梶以前自身難儀救ってくれた恩人とわかり謝罪するまた、徳兵衛女房お辰玉島家の家臣だったこともわかり、団七徳兵衛互い浴衣片袖交わして義兄弟契りを結ぶ見どころ 前半部のむさくるしい姿から、「ずっと出でたる剃立ての、糸鬢青月代」の竹本言葉どおり、後半部すっきりした侠客姿への団七変わり具合見ものである。とくに二代目実川延若堂々たる容姿上方色気兼ね備えた近代最高の団七であった。 三婦が下帯を床の若い衆に解かせる場面においては東京では地味に床の店に入るが、上方では三婦が床の者に下帯持たせ「それ、引いたりしょ」の掛け声から下座音楽に「かんから太鼓」を交える派手な演出となり、いかにも上方らしいサービス満点さが楽しい。花道引っ込みの際浴衣のすそを捲り上げようとして下帯のないのに気づき慌てて扇子前を隠すという、観客笑いを誘う演出がある。このあと扇子で日をかざし内股小走り引っ込むのが上方の、「どっこいしょ」と前を押さえながらゆっくりと引っ込むのが江戸演出である。 団七徳兵衛立ち回りは、双方同じ見得をする古風なやり方である。団七どことなくもっさりした脂ぎった役柄なのに対して徳兵衛はすらりと小粋な役柄。ただし以前物乞いだったので、どことなく虚勢を張る感じ求められるお梶責められると「面目ない面目ない」と頭を抱え弱さがあり、はじめの格好良さ対比するかつては十四代目守田勘彌当たり役し、また今日では十五代片岡仁左衛門九代目松本幸四郎中村橋之助などが得意としている。また、延若は立ち回りのときに下駄投げ捨てる呼吸群を抜いて上手く誰も真似手がなかった。 最後花道引っ込みでは、お梶団七の髷についた化粧紙をとって仲むつまじさを表す演出がある。 初夏さわやかな雰囲気が、男同士友情際立たせている。団七赦免告げ役人が扇を上にかざして退場する優れた型が伝わっている。2006年平成18年7月大阪松竹座四代目坂田藤十郎がとつめたときは、原作どおりの春に季節変え登場人物浴衣から袷を着用していた。

※この「三段目:住吉鳥居前(通称:鳥居前)」の解説は、「夏祭浪花鑑」の解説の一部です。
「三段目:住吉鳥居前(通称:鳥居前)」を含む「夏祭浪花鑑」の記事については、「夏祭浪花鑑」の概要を参照ください。

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