ラテ欄の歴史
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ラジオ試験放送期間中の1925年6月、東京毎夕新聞社によってラジオ番組紹介専門の新聞『日刊ラヂオ新聞』が創刊されたのが、新聞における番組表掲載の端緒である。 一般紙における番組表掲載は、同年11月、読売新聞が別刷りの『よみうりラヂオ版』を設けたのが最初であると見られている。その後都新聞、二六新報が追随し、遅れて1931年、東京朝日新聞、東京日日新聞、時事新報が別刷り番組表の発行を開始した。この当時は放送局がNHK(東京中央放送局)しかなく、番組表は一般の記事と同じ縦書きのレイアウトで書かれた。需要を奪われた『日刊ラヂオ新聞』は、1933年か1934年頃に廃刊したとみられている。 読売の別刷りラジオ番組表は、当初は番組内容の解説、流れた楽曲の歌詞、評論なども掲載されたが、戦時色が濃くなるに従って内容が縮小していき、1941年頃に番組表のみの1ページ刷りとなった。 新聞本体に組み込まれるようになった経緯ははっきりしないが、民間放送が本格的に開局するころには、横書き・時間別のタイムテーブルで掲載されるようになった。ラジオ放送初期の頃、民放局についてはは当該地区の終日の番組表以外に、それ以外の主要地域のラジオ局の夜の番組表を載せていた新聞もあった。また、「ニュース」の放送時間を、番組表内ではなく、別枠に掲載していた新聞もあった。 テレビ欄が新聞にはじめて掲載されたのは1953年2月1日で、これを掲載した読売新聞ではスポーツ欄の片隅に番組表が組み込まれていた。このときはラジオが上でテレビ欄はその下に小さく記載される程度であった。テレビ開局当時の1950 - 1960年代も引き続いてラジオがメイン(フルサイズ)で、テレビは極小サイズ或いはハーフサイズというケースが多かった。テレビが本格普及し、各地に続々と開局していくと、テレビをメインにして、ラジオはハーフサイズとする傾向が増える。この頃、新聞社と資本関連がある放送局の番組表には末尾にスポンサーが書かれたものがあった。 その後、番組表は時代に合わせて必要な情報を盛り込んでいく。カラー化した番組の少ない時代には番組表には「カラー」の表記がされ、逆にほとんどがカラー化されると「モノクロ」の表記がされた。ステレオ放送が少数だった時代にはそれを示す記号が付与された。 ラテ欄を最終ページに掲載したのは、日本共産党機関紙「赤旗」(のちの「しんぶん赤旗」)が最初である。 紙面にカラー印刷を使えるようになってから、新聞社と提携している放送局の全番組や、その日の注目番組(主に番組表の外側に広告や紹介があり連動している)などの背景に目立つ色(ピンクや黄色など)を使用したり、スポーツ・映画(洋画と邦画で色を変えることも)・料理などジャンル別に塗り分ける試み(特にスポーツ新聞)も出てきた。 1990年代に入ると、衛星放送の本格スタートで、多くはテレビ面とラジオ面とに分けて掲載するようになる(一般に地上波テレビ面〔NHKと民放のうち在京キー局系衛星放送・WOWOWプライム含む〕は最終面、ラジオ面・独立系民放衛星放送〔WOWOWライブ、シネマやCSの一部を含む〕は紙面の中間に掲載されている。ただし地方紙では地上波とNHKのBSを最終面、在京キー局系を含む民放BS・CSを中間面に掲載するものもある)。なお2011年7月24日のデジタル完全移行(地上波の福島県・宮城県・岩手県は2012年3月31日まで延期)後は、一部地方紙を除き、在京キー系列の民放BSの番組表を地上波と同じ頁で掲載することが増えている。 録画予約を簡単にするための数字であるGコードは、日本では1992年から朝日新聞など一部の夕刊で掲載された。その後朝刊にも掲載し、徐々に普及していった。その後、電子番組表の普及によりGコードを用いた録画予約需要が薄れたことから(デジタル放送ではGコードが利用できない)、新聞及びテレビ情報誌ラテ欄へのGコード掲載は2011年7月23日付を最後に終了した(岩手・宮城・福島3県で購読されているものも含む)。これに伴い一部新聞はBSデジタル放送の番組欄を中面から最終面に移設している。これに先駆けて、日本経済新聞(大都市圏一部地域)、日刊スポーツ(関東首都圏のみ)では2009年(前者1月31日付、後者3月31日付)の早い段階で収録を終了したほか、同年10月1日付から、西部本部管轄となった産経新聞の「九州・山口特別版」や日刊スポーツ、サンケイスポーツなど一部を除くスポーツ新聞などではGコードを元から掲載していない新聞も多数存在している。
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