ミモザの花言葉
ミモザとはフサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属の植物を総称する名で、その多くがオーストラリア原産である。持ち込まれた地域の文化的な違いから、異なる意味の花言葉が生まれたのだろう。
ミモザの花言葉の由来
#(1)先住民の習慣から来た説かつてアメリカ先住民(インディアン)の習慣として、愛を示すために男性から女性へミモザ(アカシア属の花)を贈っていたという言い伝えに由来するという説だ。特に「真実の愛・秘密の恋・気まぐれな恋」といった恋に関連する意味を持つ理由として語られる。しかし、これはミモザの原産国であるオーストラリア先住民の文化であるという意見もある。オーストラリア先住民のあいだでは、楽器や武器など身の回りで使用するものの材料として幅広く使用されていた。そのためミモザの花を贈る風習があったとしても不自然ではない。もちろん、オーストラリア先住民・アメリカ先住民の両者でそのような文化があった可能性もある。真相は定かではない。
#(2)イタリアの花を贈る習慣が起源である説
ミモザは3月8日の国際女性デーに女性に贈られる花でもある。国連で1975年に制定された国際女性デーだが、そのはじまりは1904年にアメリカの女性労働者たちによるデモ活動だった。そこから徐々に世界へと広がっていき、イタリアでは「Festa della donna(フェスタ・デッラ・ドンナ=女性の日)」として男性から日頃の感謝を込めて女性に花を贈るようになった。当初はスミレの花を贈るのが良いとされていたが高価だったため、より手にしやすいミモザが贈られるようになったという。その習慣から「女性の日」は「ミモザの日」とも呼ばれている。ミモザを贈る相手は母親、祖母、妻、会社の同僚など関係性は問わない。このことから、ミモザの「感謝」さらには「友情」という花言葉が生まれたという説である。
#(3)ミモザの花の明るい印象から生まれた説
オーストラリアが原産のミモザは19~20世紀にかけてフランスで栽培されるようになった。イタリアに隣接する南フランスの地中海沿岸一帯では毎年2月に「ミモザ祭り」が開催されている。フランスでミモザの花言葉には「安全」「愛」という意味がある。そして「私がどれほどあなたを愛しているか、誰にも分かりはしない」という意味を込めて母親や祖母に贈るのだ。2月に花を咲かせるミモザの鮮やかな黄色と丸い形は、冬の終わりを告げる太陽を思わせる。その力強く明るい印象に、人々は母や祖母の姿を重ねて花言葉をつけているのかもしれない。
ミモザの英語の花言葉
ミモザの花言葉は英語で「secret love(秘密の恋)」「sensitivity(感受性、思いやり)」である。愛や感謝の気持ちなど、ポジティブな意味が込められており、日本語の花言葉もこれらの意訳から来ている。また、「affection beyond the grave(死に勝る愛情)」という花言葉もある。直訳すると「墓を越えた愛情」だ。beyond the grave(墓を越えて)というのは、死後も永遠に途切れない強い信念やつながりを表す慣用句。そしてaffectionは人間愛や心の絆、情感という意味合いが強い語である。そのため「死に勝る愛情」とは燃え上がるような恋愛感情ではなく、相手を深く思いやる慈愛の心というイメージが近いだろう。オジギソウは、ミモザとよく似た葉と花を咲かせる植物である。触れると葉を閉じることから「sensitiveness(感受性、鋭敏)」という花言葉がある。ミモザの葉は触れても閉じないし、オジギソウの花はピンクであるがその姿はよく似ている。そのため、オジギソウの花言葉からミモザの「sensitivity」という花言葉が派生したという説もある。
ミモザの色別の花言葉の解説
ミモザの花の色として一般的に広く知られているのは黄色い花である。その他にもオレンジ色や白い花を咲かせる品種があり、色によって異なる花言葉をもっている。ミモザには種類が多く、葉の色や形が異なる場合も多い。しかし葉の違いによって花言葉が変わることはない。#(1)黄色のミモザの花言葉
黄色のミモザには「感謝」「友情」「密かな恋」の意味がある。先にも述べたように、感謝の意を込めて男性から女性に贈られることが多い。どれも相手を思う気持ちだがニュアンスが微妙に異なるため、花言葉を的確に伝えたいときには工夫が必要かもしれない。また、黄色の花を咲かせる品種は数多く、濃い黄色から薄い黄色のものまで多様であるが、色の濃さによって花言葉が変わることはない。
#(2)オレンジ色のミモザの花言葉
オレンジ色のミモザの花言葉は「エレガント」「優雅な」「上品」など。これは見た目が豪華でひときわ目立つことに由来するといわれている。オレンジ色のミモザは黄色のものほど栽培されていないため、高貴さを感じさせる意味が込められたのだろう。オレンジ色や白い花を咲かせるミモザは種類も少なく、分布もオーストラリアの一部に限られるなど、目にする機会はあまりないのだ。また、これらの花言葉をオレンジ色に限定しないという説もある。放射状の花を一斉に咲かせる優雅な様から、黄色のミモザもエレガントさや優雅さを表すだろうという意見だ。
#(3)白いミモザの花言葉
白いミモザの花言葉として「頼られる人」「死に勝る愛情」が知られている。しかしこれはニセアカシアの花言葉の誤用である可能性がある。ミモザはマメ科アカシア属の総称であるが、ニセアカシアはマメ科ハリエンジュ属だ。明治時代に日本に持ち込まれた際は「アカシア」と呼ばれており、後に本来のアカシアが入ってきたことで「ニセアカシア」と呼ばれ区別されるようになった。ミモザと花のつき方が多少似ているともいえるが、花の形は全く異なる。そして、ニセアカシアの花言葉は「慕情」「親睦」「友情」「優雅」「頼られる人」「死に勝る愛情」である。
ニセアカシアはその丈夫な材質から、木材として広く利用されてきた。また、繁殖力が強いため荒地の緑化や薪や炭としても活用された。さらに花は貴重な蜜源となっている。そういった汎用性の高さから「頼られる人」という花言葉が生まれたとされている。実のところ、繁殖力の強さはときに浸食植物として問題になるほどである。取り除くのが困難なものでもあるということから「死に勝る愛情」という意味が生まれたという。先にも述べたが、白いミモザは存在するものの多くはない。ニセアカシアの「慕情」「親睦」「友情」なども、ミモザの花言葉と近しい部分もある。言葉の誤用が時を経て常識になるように、白いミモザの意味も「頼られる人」「死に勝る愛情」としても問題はないのかもしれない。
ミモザの本数別の花言葉の解説
ミモザはアカシア属の花の総称であり、フサアカシア、ギンヨウアカシア、パールアカシアなどさまざまな種類がある。花はおしべが放射状に広がり球形をなしている。それが一本の枝に並んでいることが多い。ミモザとしての印象は変わらないものの、種類によって花のつき方が異なる。それらの本数・花の数などによって表現される花言葉はない。ミモザの怖い花言葉
明るい花言葉の裏には怖い意味が隠されていることも多いが、ミモザの花言葉にネガティブなものは一切ない。誰かに贈るときは気兼ねなく花束に添えられるだろう。しかし、どんな言葉もそうであるように、使う場面や関係性によっては嫌味になることもあり得る。ネガティブな意味として伝わることがないよう、大切なことはきちんと言葉にして伝えたいものである。※ 花言葉の内容は諸説あります。
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