フックとニュートンとは? わかりやすく解説

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フックとニュートン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 06:04 UTC 版)

ロバート・フック」の記事における「フックとニュートン」の解説

当時天体間に働く引力斥力伝えているのはエーテルだと信じられていた。そんな中1665年の『顕微鏡図譜』でフック重力による引力法則論じている。1666年には王立協会で "On gravity"(重力について)と題して講演をし、移動する物体何らかの力を受けない限りそのまま直進すること(慣性の法則)と引力は距離が近いほど強くなるという法則追加した。Dugald Stewart著書 Elements of the Philosophy of the Human Mindで、フック自身世界体系についての言葉引用している。それによると、フック次の3点述べている。 全ての天体重力によってその各部分を中心に引きつけているだけでなく、天体間で相互に引き付けあって運動する外部から力が継続的に加わらない限り天体単純に直進し続ける。しかし、重力によって天体円軌道楕円軌道などの曲線を描く。 この引力天体同士が近いほど強くなる。距離と引力強さの関係がどうなっているか、今のところ私にも発見できていない1670年講演では、重力あらゆる天体作用する説明し重力が距離が離れるに従って小さくなること、重力なければ物体直進し続けることを説明している。 1672年アイザック・ニュートン光の粒子説発表すると、フック光の波動説応戦また、論文の内容大部分自分が『顕微鏡図譜』で既に発表済み主張大きな議論となった1674年には "An Attempt to Prove the Motion of the Earth from Observations"(観察から地球運動証明する試み)の付録として「世界体系」の若干進化した考え方公表している。フック明らかに太陽惑星の間に相互に引力働いていると仮定し、距離が近いほど引力強くなるとしている。 しかし1674年までにフック重力について逆2乗の法則成り立つとした記述はない。フック考えた重力従来よりも普遍性があったものの、万有引力にまで到達していなかった。また、付随する証拠についても述べていないし、数学的に証明したわけでもない。これらについて1674年フックは「(重力の)いくつかの度合いについて私はまだ実験的に検証していない」(つまり、重力どういう法則に従うかをまだ知らない)と述べ最終的に先にやらなければならないことがたくさんあって、これに専念できない」としている。 1679年11月フックニュートン頻繁に手紙やり取りをし始めた。それらの手紙の全文出版されている。表向き用件フック王立協会通信手紙)の管理をすることになったニュートン伝えるものだった。そのため、会員からそれぞれの行っている研究について、あるいは他の会員研究対す見解について聞きたいという手紙だった。そして、ニュートンへの刺激になればという形で様々な問題についてニュートン意見訊ねている。中心となる天体引力接線方向への運動から惑星軌道構成されること、フック弾性についての法則当時パリ生まれた新たな惑星運動に関する仮説フックはその解説かなりの文を連ねている)、国勢調査実行改良する努力について、ロンドンケンブリッジ緯度の差について、などである。ニュートン地球動き検出する実験として、空中物体浮かせて落下させる実験提案した重要な点ニュートン落下物体が垂線から逸れることで地球動き検出できる考えた点で、もし地面なければ物体螺旋軌道描いて中心に落下していくと考察している。フックはその考察には同意しなかった。その後手紙やりとり続きフック1月6日付けの手紙で、引力それぞれの物体中心間の距離の2乗比例し速度引力の平方根比例するから、ケプラー想定したように速度は距離に比例することになると結論付けている。この速度に関するフック推論実際に間違っている。 1686年ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理プリンキピア)』が王立協会提出されたとき、重力が距離の2乗反比例するという見解自分ニュートン伝えたのだと主張したエドモンド・ハレー同時代記録によればフックはそれによって曲線軌道描かれるという点はニュートン独自の説だと認めていた。 最近の研究で、重力が距離の2乗反比例するという仮説1660年代末までには広く知られており、様々な人々様々な理由でそれを発展させていたことがわかっている。ニュートン自身1660年代惑星円軌道だと仮定したとき、中心方向引っ張られる力は中心との距離と逆2乗の関係にあることを示した1686年5月フック逆2乗の法則自分のものだと主張したとき、ニュートンはその反論として他者フック以前業績示した。さらにニュートンフックから最初に逆2乗の法則について聞いたのがもし事実だとしても、それを数学的に定式化したのは自分であり、フックは単に観察から大まかに推論したに過ぎない主張した一方でニュートンは『プリンキピア』の全ての版でフックや他の先人レンハレーなど)への敬意表している。ニュートンはまたフックハレー1679年から1680年交わした書簡天体の運動対す興味持たせてくれたとしているが、それはフックニュートンに何か新し知識授けたという意味ではないとしている。 ニュートン数学光学発展大い貢献した先駆者だったが、一方でフック創造的実験家であり、あまりにも広範囲に手をつけたため、重力などの研究専念できなかったとしても驚くべきことではない。両者死後数十年後の1759年アレクシス・クレローフック重力に関する著作読んで一見して得られ真理証明され真理には大きな隔たりがあることを示している」とし、「フックアイデアニュートン偉大さ減じることはない」とした。

※この「フックとニュートン」の解説は、「ロバート・フック」の解説の一部です。
「フックとニュートン」を含む「ロバート・フック」の記事については、「ロバート・フック」の概要を参照ください。

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