ドリアスの滅亡とは? わかりやすく解説

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ドリアスの滅亡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:22 UTC 版)

モルゴス」の記事における「ドリアスの滅亡」の解説

フーリンがメネグロスを去った後、シンゴル玉座座したままナウグラミーアを見つめていた。ふとその時に、これを作り直してシルマリルをそこに塡め込もう、という考え心に浮かんだシンゴルシルマリル手に入れてからというもの、時が経つに連れ彼の思い絶えフェアノール宝玉に執らわれるようになっていて、最早メネグロスの宝物庫大事に仕舞うだけでは飽きたらず、常に身につけていたいという気持ちになっていたからである。そこで彼はこの仕事ドワーフ職人任せることにした。その頃ドワーフ達はエレド・ルインの彼らの都市からベレリアンドに旅をしており、サルン・アスラド(石の浅瀬)でゲリオン河を渡り、そうしてドリアスにまでやって来ていた。何故ならば金属細工石工腕前にかけては、シンダール・エルフはドワーフには及ばなかったため、メネグロスの宮殿では彼らの業が大いに必要とされたからである。しかし今では、ドワーフ達は昔のように少人数やって来ることはなく、道中の危険から身を守るために、充分に武装した大部隊でやって来るようになっていた。そしてメネグロスにはドワーフ用の居住スペース工房用意されていた。丁度その時は、ノグロドの優れたドワーフ工人たちがドリアスにやって来ていたので、シンゴルは彼らを召し出し、もし出来るのならナウグラミーアを作り直して、そこにシルマリル塡め込んで欲しいと伝えたドワーフ達は彼らの父祖傑作と、フェアノール宝玉魅入られた。そしてこの二つ我が物とし、自分たちの国に持ち去りたいという強い欲求駆られた。しかし彼らはそれをおくびにも出さず、その仕事引き受けた。この仕事長いことかかったその間シンゴル一人ドワーフ達の仕事場訪れては、絶えずその進捗状況見守っていた。やがて、ついにエルフドワーフ各作品中でも、最も優れたものがここで一つとなり、この上なく美し芸術品世に生み出されのであるシンゴルは早速これを手に取り頸にかけようとした。しかしドワーフ達はその手押さえると、この首飾り自分たちに引き渡すよう要求した。彼らは、この首飾り今はもう亡いフィンロド・フェラグンドに対して贈呈されたものであってシンゴル王にどうして所有権があるのかと問うてきた。ドル=ローミンのフーリンナルゴスロンドから王の許へ持ち来たっただけではないかと言うのである。これに対してシンゴルは彼らの本心読み取りシルマリル己が手に入れんがために、自分たちに都合のよい口実こじつけ難癖をつけていることを見抜いた。彼は激怒し自尊心から、ベレリアンドの上級王たるこの自分に、野卑な種族であるドワーフが、よくもそんなことを要求してのけたなと言うと自分発育不全種族であるお前たち先祖目覚めるよりも遥か昔に、クイヴィエーネンの畔で目覚めたのだぞ、と彼らを侮辱した。そして報酬なしで今すぐにメネグロスから立ち去るよう命じたドワーフ達はシルマリルへの欲望から、王の言葉激高し猛り狂った。そして彼らはエルフ王を取り囲むと彼を殺めたのである。こうしてドリアスエルウェ・シンゴルロは、メネグロスの地下深く独り死んだであったシンゴル殺したドワーフ達は、ナウグラミーアを奪うと、メネグロスを出て東に逃れようとした。しかし王を弑した者達の殆どが逃れることは出来なかった。王の死報せドリアス中にすぐに行き渡り復讐のための追跡部隊ドワーフ達に追いつき、これを殺したからである。ナウグラミーアは奪い返されて、悲しみに沈む王妃メリアンの許へと届けられた。しかし追手追跡逃れて、エレド・ルインのノグロドに命からがら帰り着いた者が二人いた。二人はメネグロスでの事の詳細語らず、ただ報酬惜しんだエルフ王によって殺された、とだけ報告した殺された者の身内仲間たちは、悲しみ余り鬚を掻き毟って泣く同時に激し怒りが心に燃え盛った。彼らは復讐するため、ベレゴストのドワーフたちに援助乞うたが、これは断られ逆に思い止まるよう説得されたのだが、ノグロドのドワーフたちはそれには耳を貸さず復讐のため大軍組織してドリアス向けて進軍していった一方その頃ドリアスでは大きな変化起こっていた。王妃メリアンは、シンゴルとの別れがさらに大きな別れへとなること、ドリアス命運最早尽きようとしていることを知ったというのもメリアンはもともとはエルフではなく聖霊たるアイヌアマイアール属する者であって、ただエルウェ・シンゴルロへの愛のためだけに、エルフの姿をとってこの地に縛られて来たのである。そしてその仮の姿アルダに及ぼす力を得てルーシエン産み、彼女の魔法帯によってドリアス守られてきたのである。しかし今やシンゴル死に彼の魂魄マンドスの館へと去っていた。そして彼のとともにメリアン変わってしまい、彼女の守りの力もドリアスの地から失せてしまった。以後メリアンはマブルングを除き、だれとも口を利かなくなりシルマリル注意するよう、オッシリアンドにいる自分の娘とその夫に至急伝えよう言い残すと、中つ国から姿を消してしまい、西の海果てにあるヴァラールの国に、去っていってしまったのである。こうして魔法帯の消えたドリアスドワーフ軍勢易易侵入した。彼らは殆ど抵抗を受けなかった。何故ならドワーフ軍は多数猛々しく対してシンダール・エルフの指揮官達は、王と王妃急になくなったため、不安と絶望で何も出来ず右往左往するばかりだったからである。ドワーフ達はそのまま進軍するとメネグロスに入り、ここに上古の代でも最も嘆かわしいことが起きたのであるドワーフ達は多くシンダール殺しシンゴル宮殿略奪ほしいままにし、シルマリル奪われたからである。武勇長けたマブルングも宝物庫の前で討ち死にした。この事は後々の世まで両種族の間での確執となる。 その頃ベレンとルーシエンは、オッシリアンドの最南位置する川の中島トル・ガレンに住んでいた。彼らの息子ディオル・エルヒールは、ガラドリエルの夫ケレボルン縁者ニムロスを妻とし、二人の間にはエルレードとエルリーンという二人の息子エルウィングという名の娘がいた。ドワーフ大軍が石の浅瀬でゲリオンを渡ったという報せは、オッシリアンドのエルフたちにも伝えられ、そこからベレンとルーシエンにも伝わった。更にドリアスからも使い来て、メネグロス内でドワーフ達が働いた狼藉伝えられた。そこでベレン立ち上がり、トル・ガレンを去るとディオル伴って北へ向かった。オッシリアンドのエルフたちも多数彼に従った。メネグロスからの帰途についたノグロドのドワーフたちが、再び浅瀬さしかかった時、彼らは不意打ちを受けることとなったドリアスでの略奪品背負ったドワーフ達が、ゲリオンの土手を登った時、森中エルフ角笛響き渡り一斉に矢が射かけられた。この最初一撃多くドワーフ死んだ。しかしこの待ち伏せ遁れたドワーフもおり、彼らはエレド・ルイン目指し逃げたが、エント達が現れドワーフ達を追い込み全滅させた。 この合戦ベレン彼の最後の戦い行った。彼はノグロドのドワーフ王討ち取ると、ナウグラミーアを奪いとった。しかしドワーフ王死に瀕しながら、ドリアス財宝全て呪いをかけた。そこでドリアスの宝はアスカール川に沈められ、この時からこの川はラスローリエル(黄金川床の意)と名づけられた。しかしナウグラミーアだけは、ベレンの手でトル・ガレンに持ち帰られた。ドワーフどもが殲滅されたことを知ってルーシエン嘆きが止むことはなかった。しかしナウグラミーアとシルマリルを身に帯びた彼女は、彼女の美しさ相まって、トル・ガレンの地を至福の国の如く変えたとされる束の間ではあるものの、これ以上美しく光に満ちた場所は、この世には存在しなかったと言われている。 一方ベレンとルーシエン息子ディオルは、二人別れを告げると妻や子供たちと共に、メネグロスへと出発し、無事到着したシンダール達は彼らの来訪喜び、王と身内の死や、いなくなった王妃嘆いていた日々から立ち上がった。そしてディオルを王に戴きドリアス王国再建しよう務めたのである。そんなある秋の夜のこと、メネグロスに一人エルフがやって来た。彼はオッシリアンドからやってきたエルフで、ディオル目通り願った。彼はディオル無言宝石箱手渡すと、直ぐ様去っていった。箱の中にはナウグラミーアがあった。ディオルはこれを見てベレンとルーシエン今度こそ本当に死んでこの世去ったことを知った後の世賢者達が言うにはシルマリル輝き二人の死早めたのだという。この宝玉を身に着けルーシエン美しさは、生者必滅の地にあってあまりにも輝きが強すぎたのである。そしてディオル今や父母形見となった、ナウグラミーアをその身に付けようになったシンゴル世継ぎであるディオルシルマリルを身に帯びているという噂は、ベレリアンドに四散したエルフの間でも知られるようになり、フェアノールの息子たちの耳にも入った。そこであの恐ろしいフェアノールの誓言が、再びその効力発揮した放浪していた七人は再び集まると、ディオルの許に使者出しシルマリル引き渡すよう要求したディオルはこれに対し無視貫いた。そこでケレゴルム兄弟たち煽動し手勢率いてドリアス奇襲仕掛けた。ここに二度目同族殺害が行われたのであるケレゴルムディオルの手かかって死にクルフィンカランシア命を落とした。しかしディオルと妻のニムロスも殺された。ケレゴルム召使い達は、幼いエルレードとエルリーン捕らえると、無情に置き去りにし、餓死するまかせたマイズロスはこのことを悔いてドリアス何日もかけて探したが、幼い兄弟の姿を見出すことは出来なかった。こうしてドリアスは完全に滅ぼされ再建不能となった。しかし滅亡させたフェアノールの息子たちも、求めていた物を手に入れることは出来なかった。というのも生き残った者達はシリオンの河口遁れ、その中にはディオルの娘エルウィングもいた。今や彼女がシルマリル持ち主となっていたのである

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ドリアスの滅亡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/24 14:06 UTC 版)

ディオル」の記事における「ドリアスの滅亡」の解説

ルーシエンこの世を去ると、ディオルシルマリル受け継いだフェアノールの息子たちはこれを引き渡すよう要求したが、ディオル返答しなかった。するとケレゴルムはその兄弟たち煽りたて、フェアノールの誓言にしたがってドリアス襲い、これを滅ぼしたディオルフェアノールの息子たちのうち、ケレゴルムカランシアクルフィン打ち倒したが、ディオルもまた討ち死にし、妻のニムロスも殺された。エルレードとエルリーンケレゴルム配下だったものにさらわれて、置き去りにされた。しかしエルウィング生存者らとシリオンの河口落ち延びシルマリルかの女とともにあった。

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ドリアスの滅亡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/15 22:13 UTC 版)

エルウィング」の記事における「ドリアスの滅亡」の解説

ルーシエンこの世を去ると、ディオルシルマリル受け継いだフェアノールの息子たちはこれを引き渡すよう要求したが、ディオル返答しなかった。するとケレゴルムはその兄弟たち煽りたて、フェアノールの誓言にしたがってドリアス襲い、これを滅ぼしたディオルフェアノールの息子たちのうち、ケレゴルムカランシアクルフィン打ち倒したが、ディオルもまた討ち死にし、妻のニムロスも殺された。エルレードとエルリーンケレゴルム配下だったものにさらわれて、置き去りにされた。しかしエルウィング生存者らとシリオンの河口落ち延びシルマリルかの女とともにあった。

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