死後の出版とは? わかりやすく解説

死後の出版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 00:56 UTC 版)

シルマリルの物語」の記事における「死後の出版」の解説

トールキンの死の数年後息子のクリストファー・トールキンは『シルマリルリオン』の物語編集作業着手した。彼は可能な限り晩年書かれ遺稿使用し作品一貫性を(加えて指輪物語』との一貫性も)持たせようとしたようだが、一方で完璧な一貫性持たせるのは不可能だったと後に認めている。『中つ国歴史』で説明されているように、彼は膨大な量の草稿の中からできる限り指輪物語』の後に書かれたものに依拠しようとしたが、結局トールキン意図したもの結局書かれなかった箇所については1917年の『失われた物語の書』にさかのぼって間を埋めることになった。たとえば、『クウェンタ・シルマリルリオン』後半の章である「ドリアスの滅亡のこと」(第22章)は、1930年代初期最後に手を付けたまま放置されており、クリストファー断片から物語を創りださなければならなかった。最終的にできあがったものは、系図地図索引初出エルフ語単語集付けられ1977年出版された。 (『中つ国歴史』で明らかにされた)出版に至るまでについての経緯問題となり、『シルマリルの物語』の大部分読者議論の的になってきた。クリストファー直面した問題が非常に困難なのだったということは一般に受け入れられている。トールキン死去したときの原稿の状態は、とても錯綜していたからである。重要なテキストいくつかはすでにトールキン家の所有ではなくなっており、クリストファー様々な資料渉猟しなければならなかった。『中つ国歴史』の後半の巻で、出版されバージョンとは異な様々なアイデアトールキン遺稿存在することが明らかになった。もしもっと時間があってすべてのテキスト触れることができたなら、出版された作品はもっと違ったものになっていただろうと彼はのちに述べている。しかし、彼はできるだけ早く出版可能なものを生み出すよう、出版社読者からの圧力要求晒されていたのである読者中には、『シルマリルの物語』は父の作品というより息子作品だと主張するものがおり、いくつかの文学サークルではこの作品の「中つ国の正典」における立ち位置熱心に議論されている。 1996年10月クリストファーカナダイラストレーターのテッド・ネイスミス(英語版)に『シルマリルの物語』の全ページフルカラーのアートワーク制作依頼した。それが収録されバージョン(イラストレイテッド・エディション)は1998年出版された。このイラスト版は、2004年ネイスミスイラストをさらに追加しいくつかの修正施した第2版出版された。 1980年代から1990年代にかけて、クリストファーは父の中つ国に関する遺稿のほとんどを『中つ国歴史12巻として公刊した。『指輪物語』の初期草稿加え、このシリーズは『シルマリルの物語』として出版され物語のもととなった素材大量に含んでおり、『シルマリルの物語』と異なっているものが多くある。さらに、『中つ国歴史』は『シルマリルリオン』の後期バージョンどのような状態で未完終わったかを明らかにしている。『失われた物語の書』のときに書かれたきり、二度と書き直されることのなかった部分いくつも存在するのである

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死後の出版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 06:16 UTC 版)

トーマス・ウルフ」の記事における「死後の出版」の解説

ウルフ生前出版された作品全体半分無く死後多く未出版原稿残された。出版社完成済で未出版小説を2冊残して亡くなったのは、アメリカ作家ウルフ初めてだった。この2冊は、ハーパー&ブラザーズ英語版)のエドワード・アズウェル(英語版)が編集した後、『くもの巣と岩(英語版)』・『汝再び故郷帰れず(英語版)』として出版された。それぞれ700ページ近くある2作には、「今まで書かれ単巻小説の中で最長の2冊」との批評付けられた。作中で、ウルフ自己投影した登場人物の名前を、それまでのユージーン・ガントからジョージ・ウェバー(英: George Webber)へ変更している。 『天使よ故郷を見よ英語版)』の「作家版」("author's cut") である、オリジナルの『失われしもの』"O Lost" は、F・スコット・フィッツジェラルド研究者であるマシュー・J・ブルッコリ(英語版)によって再構成され、ウルフ生誕100年記念した2000年出版された。ブルッコリは、パーキンズ有能な編集者だったものの、『天使よ故郷を見よ』は完全版の『失われしもの』に見劣りし、完全版小説刊行は「文学正典名作復活させる同然だ」(英: [the publication of the complete novel] "marks nothing less than the restoration of a masterpiece to the literary canon.")と述べている。

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