マルクス死後の出版と影響とは? わかりやすく解説

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マルクス死後の出版と影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 03:57 UTC 版)

経済学批判要綱」の記事における「マルクス死後の出版と影響」の解説

マルクス死後ソビエト連邦において全連邦共産党(ボ)中央委員会付属マルクス=エンゲルスレーニン研究所がこれらの諸草稿を「経済学批判要綱」と名付けて、1939年および1941年に2分冊として出版した。この2分冊1953年写真複製版・合本東ドイツディーツ出版社から出版され巷間知られることによりこの名前が定着するそれ以来マルクス初期の著作である「経済学・哲学草稿」(1843-45年、「パリ・ノート」の一部)・「ドイツ・イデオロギー」(1845-46年)・「共産党宣言」(1848年)と、主著である『資本論』(1867年)を媒介する文献として多く研究議論が行われている。 この草稿学者・思想家与えた影響は非常に大きい。フランス哲学者ルイ・アルチュセール草稿と『資本論』を比較するなかで、マルクスの諸著作全体として首尾一貫したものとみなすのではなくマルクス思想価値形態論の「断絶」を見出した。それはマルクス・レーニン主義を含む従来様々なマルクス解釈批判するものであったまた、イギリスの文化理論研究者スチュアート・ホール草稿の「序文」に特に注目しいくつもゼミナールを持つとともに論文マルクス理論ノート――「1857年序文」を読む」(Stuart Hall, Marx’s Notes on Method: A ‘Reading’ of the ‘1857 Introduction’, Cultural Studies Vol.17 No.2, pp.113–149, 2003)へと結実するなど、カルチュラル・スタディーズにも大きな影響与えたこの他アントニオ・ネグリのように『資本論』よりも重要視する思想家存在している。 「序説」については、この草稿議論見通し方法書かれているため、『経済学批判』の付録として出版され重視される場合が多い。例えば、ソ連共産党マルクス=レーニン主義研究所ドイツ社会主義統一党マルクス=レーニン主義研究所制作したMarx-Engels Werke日本語訳大月書店版『マルクス=エンゲルス全集』)では、『経済学批判』と同じ巻(第13巻)の付録として収録されている。日本語訳でも、岩波文庫版および国民文庫版で付録として「序説」が収録されている(#日本語訳参照のこと)。 草稿一部である「資本制生産先行する形態」(独: Formen, die der kapitalistischen Produktion vorhergehen、「諸形態」とも略される)は、『経済学批判序言示される史的唯物論定式の元となった文章であり、歴史学中心に特に注目された。ソ連では1939年ロシア語訳され、国際的に行われていたアジア的生産様式に関する議論影響与えたイギリスの歴史学者エリック・ホブズボームは、「諸形態」を英訳して長文解説論文執筆し資本主義以前の歴史発展段階単線的なものではなく複数タイプ存在することを主張した

※この「マルクス死後の出版と影響」の解説は、「経済学批判要綱」の解説の一部です。
「マルクス死後の出版と影響」を含む「経済学批判要綱」の記事については、「経済学批判要綱」の概要を参照ください。

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