テレビで懲戒請求呼びかけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 05:22 UTC 版)
「光市母子殺害事件」の記事における「テレビで懲戒請求呼びかけ」の解説
詳細は「光市母子殺害事件弁護団懲戒請求事件」を参照 弁護士・橋下徹(後に大阪府知事及び大阪市長を歴任)が、本事件弁護団に対し、2007年(平成19年)5月27日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』において、「あの弁護団に対してもし許せないと思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたい」と懲戒請求を行うよう視聴者に呼びかけた。これによりテレビを見た視聴者らから約7,558通の懲戒請求書(2006年度における全弁護士会に来た懲戒請求総数の6倍を上回る)が弁護士会に殺到することになった(しかしながら、橋下自身は「時間と労力を費やすのを避けた」「自分がべったり張り付いて懲戒請求はできなくはないが、私も家族がいるし、食わしていかねばならないので……」などの理由で懲戒請求はしていない)。これに反発した光市母子殺害事件弁護団のうち、足立修一・今枝仁ら4人は2007年9月に橋下に損害賠償を求める訴えを広島地裁に起こした。第一審、控訴審では橋下の行為を不法行為と認定して損害賠償を命じたが、2011年7月15日、最高裁判所は橋下の行為には弁護士として問題なしとはしないが、懲戒請求の呼びかけそのものは不法行為とはいえないとして、原告の訴えを棄却した。 この懲戒請求呼びかけについて江川紹子からは「請求の内容によっては、懲戒請求をされた弁護士の側から訴えられる可能性もある。実際、懲戒請求をした側が敗訴し、50万円の慰謝料を支払うよう求める判決が出ているケースもある。橋下は、そういう負担やリスクを説明せず、ただ「誰でも簡単に」できると、気楽なノリでしゃべっている」と批判されている。 懲戒請求の具体的内容については、web上で懲戒を求める書面のフォームが出回り、それに基づく懲戒請求が多かった旨弁護団は主張しており、その内容は弁護団の法廷戦術を根拠に「弁護士に相応しいとは思えない」といったものであった。 2007年の弁護士に対する懲戒請求件数は、前年1367件の約7倍に当たる9585件となり、うち84%に当たる8095件が弁護団に対するものだった。 しかしいずれの弁護士会も、「弁護士の職責を果たすためで、懲戒事由に当たらない」との理由で、2007年11月22日付の東京弁護士会を始め、12月下旬の大阪弁護士会、仙台弁護士会、2008年4月の広島弁護士会と、いずれもが処分せずの結論を出した。これに対し橋下は2007年12月9日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』において、「7000通も(懲戒)請求が出てるのに何にも意味がないんだ」と懲戒請求制度および弁護士会の態度に不満を洩らしている。
※この「テレビで懲戒請求呼びかけ」の解説は、「光市母子殺害事件」の解説の一部です。
「テレビで懲戒請求呼びかけ」を含む「光市母子殺害事件」の記事については、「光市母子殺害事件」の概要を参照ください。
テレビで懲戒請求呼びかけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 20:00 UTC 版)
「光市母子殺害事件弁護団懲戒請求事件」も参照 2007年(平成19年)5月27日放送の読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』において、「あの弁護団に対してもし許せないと思うなら、一斉に懲戒請求をかけてもらいたい」、「何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたいんですよ」 と山口県の光市母子殺害事件の弁護団に懲戒請求を行うよう視聴者に呼びかけた。これによりテレビやインターネットなどで、「懲戒請求書の記載の仕方」を見た人たちの懲戒請求書約7,558通(前年の2006年度中に全弁護士会に来た懲戒請求総数の6倍以上)が殺到することになった。 これに反発した弁護団のうち4人が業務を妨害されたとして、2007年9月、橋下に1人当たり300万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴した。橋下は「発言に違法性はない」、「懲戒請求は市民の自発的意思」、「自身のテレビでの発言と一般市民の懲戒請求の間には因果関係はない」などと反論した。 後に橋下自身は懲戒請求していなかったことが明らかになり、そのことを批判されたが、その理由について「時間と労力を費やすのを避けた」、「自分がべったり張り付いて懲戒請求はできなくはないが、私も家族がいるし、食わしていかねばならないので…」などと釈明した。 この懲戒請求呼びかけについて、ジャーナリストの江川紹子は「請求の内容によっては、懲戒請求をされた弁護士の側から訴えられる可能性もあるという負担やリスクを説明せず、ただ『誰でも簡単にできる』と気楽なノリでしゃべっている」、「「世間」を煽っている感じさえする」などと批判。 同年8月6日、橋下は弁護団が開いた緊急報告集会に出席していたが、その場では「安田弁護士が最高裁の弁論を欠席したこと、これは究極の弁護方針として、弁護戦術として、これはもうもっともだと思う」などと発言していたが、翌8月7日の自身のブログにおいては、自分たちだけが正義の実現者だと思い上っているとして、「この集会はカルト集団の自慰(オナニー)集会だね。」と酷評した。また、「チンカス弁護士」「オタク法律家」「法律オタクのお坊ちゃん弁護士」などと述べた。 また、横浜弁護士会が懲戒請求者に対して住民票の提出を要求したことに対して、自身のブログで「横浜弁護士会のトンチキ野郎」「偽善に満ちた行為」と激しく非難。 懲戒請求自体は「正当な弁護活動の範囲」などとして各弁護士会で次々と却下されており、懲戒処分された弁護士は1人もいなかった。 同年12月17日、今度は反対に、市民約350人が「刑事弁護の正当性をおとしめたことは、弁護士の品位を失うべき非行だ」として、大阪弁護士会に橋下に対する懲戒処分を請求した。橋下弁護士が懲戒請求をよびかけた弁護団の中に兄弁護士にあたる先輩がいた事から、橋下弁護士の最初の勤め先の親弁護士であった樺島弁護士も、この橋下弁護士に対する懲戒請求に名前を連ねている。その後2009年4月14日、弁護士会綱紀委員会は懲戒相当である旨議決。2010年9月17日、業務停止2ヶ月の処分が下った。また21日、処分内容が一部マスコミに漏れた点を問題視し、大阪弁護士会会長に対しても懲戒処分申し立てをした。「弁護士会の品位の基準と僕の基準は違う」とまで発言している。 広島弁護士会に請求申し立てされた7弁護士への懲戒請求は却下されたが、これを受け、弁護団の4人が橋下を相手に損害賠償請求を行った。一審の広島地裁は2008年10月2日名誉棄損を認め計800万円の賠償を命じた。二審の広島高裁は2009年7月2日、賠償責任は認めたが賠償額を360万円に減額する判決を下した。終審の最高裁は2011年7月15日、二審を破棄し、賠償請求を棄却した。これにより橋下の逆転勝訴が確定した。 また、2009年11月27日に弁護団21人のうち19人が、橋下と読売テレビに対して合計1億2,400万円の損害賠償を求めて訴訟をおこした が、広島地裁は2013年4月30日、請求を棄却した。2014年2月28日に広島高裁は地裁判決を支持し、弁護士側の控訴を棄却した。 2015年3月26日、最高裁は弁護団の上告を退け、弁護団側の敗訴が確定した。
※この「テレビで懲戒請求呼びかけ」の解説は、「橋下徹」の解説の一部です。
「テレビで懲戒請求呼びかけ」を含む「橋下徹」の記事については、「橋下徹」の概要を参照ください。
- テレビで懲戒請求呼びかけのページへのリンク