ソーカル事件
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ソーカル事件(ソーカルじけん、英: Sokal affair)とは、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカル[注釈 1]が、1995年[注釈 2]に現代思想系の学術誌に論文を掲載したことに端を発する事件をさす[1]。
注釈
- ^ Alan Sokal(1955年-)専門は統計力学、場の量子論である。
- ^ この年は、Microsoft Windows 95の発売など、様々な世界的な事案が発生した年でもあった。
- ^ 『「知」の欺瞞』執筆の20年以上前に、クリステヴァは数学的乱用を止めている。しかし、それでもソーカルたちが彼女を批判したのは、「彼女の初期の作品が、ある種の知性のあり方の典型的な症例を示している」と考えたからである。(アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 11)
- ^ その後 Dissent 43(4), pp. 93-99 (Fall 1996)に載り、少し変えた版が「Philosophy and Literature 20(2), pp.338-346 (October 1996).」にも載った。
出典
- ^ 岡本(2015) p.1
- ^ Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity
- ^ a b c d e Guillory, John (2002) "The Sokal Affair and the History of Criticism" (Critical Inquiry, 28:2); Ruark, Jennifer. "Anatomy of a Hoax: how a physicist hoodwinked a group of humanists, and why it still matters 20 years later." The Chronicle of Higher Education 6 Jan. 2017
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 4.
- ^ a b c アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 3
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000.
- ^ “New York University Faculty”. 2019年2月15日閲覧。
- ^ ブラウン、2010、p38
- ^ Hasian, Marouf A. and Thomas K. Nakayama (1997) "The empires strike back: The sokal controversy and the vilification of cultural studies" (Journal of Communication Inquiry, 21:2, 1997)
- ^ Soboul, Mikhail (2015) "Sokal Affair and Academic Disintegrity" (Differences, 30:5)
- ^ Swartz, Aaron (2013) "Sokal Affair." Culture Wars in America: An Encyclopedia of Issues, Viewpoints, and Voices, edited by Roger Chapman, and James Ciment, Routledge, 2nd edition.
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 6.
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 18.
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 9
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 27より重引
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 172より重引
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 54より重引
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 14。正確な引用は『メタファーは、馴染みのない概念を馴染深い概念と関連させることで説明するために使うものであって、決して逆の状況では使わない』
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 14.
- ^ ジャック・デリダ『パピエ・マシン(下)』中山元訳、ちくま学芸文庫、2005年、167頁。原文初出は「ル・モンド」1997年11月20日
- ^ 『パピエ・マシン(下)』166頁
- ^ 『パピエ・マシン(下)』168頁
- ^ ジャック・ブーヴレス『アナロジーの罠―フランス現代思想批判』宮代康丈訳、新書社、2003
- ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. X
- ^ 野家啓一『〔増補〕科学の解釈学』筑摩書房、2007
- ^ a b マーク・エイブラハムズ 2005, p. 275.
- ^ マーク・エイブラハムズ 2005, p. 278.
- ^ 黒木玄 2002.
- ^ a b 浅田彰 2003.
- ^ 菊池和徳 (2002年4月5日). “浅田彰『構造と力』の《クラインの壺》モデルは間違っていない --- 一トポロジストの異論” (HTML). 2007年8月22日閲覧。
- ^ http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/e0015.html
- ^ [1]
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- ^ [5]
- ^ shinkai35のツイート(823438412220764160)
- ^ 仲正昌樹のソーカル事件をめぐる記事について
- ^ [6]
- ^ [7]
- ^ リチャード・ワイズマン著 文藝春秋発行 『超常現象の科学』34ページ 一九七〇年代に、南カリフォルニア大学のドナルド・ナフテュリンとそのチームがこの現象をあざやかに実証した。数学と人間行動の関係という内容でまったくでたらめの講演草稿を作りあげ、それを教育学会で役者に読み上げてもらったあと、会場に集まった精神科医、心理学者、ソーシャルワーカーに感想を聞いたのだ。(中略)参加者はフォックス博士を「最高にすばらしい講演者」で「きわめて明快」であり、「テーマに関するすぐれた分析」をおこなったと評価した。
- 1 ソーカル事件とは
- 2 ソーカル事件の概要
- 3 反応
- 4 イグノーベル賞
- 5 関連項目
ソーカル事件
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詳細は「ソーカル事件」を参照 ソーカルは1996年のソーカル事件によって一般には最もよく知られている。ポストモダン、カルチュラル・スタディーズ系の雑誌『ソーシャル・テクスト』(デューク大学出版)には当時、査読制度がなかったが、この雑誌が「編集者のイデオロギー的土台におもねった」応募論文を掲載するかどうかを試すため、大げさだが実のところ全く意味をなさない文章をソーカルは提出した。タイトルは「境界の侵犯:量子重力の変換解釈学に向けて(Transgressing the Boundaries: Toward a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity)」。 『ソーシャル・テクスト』誌は実際にこの論文を掲載し、出版してしまう。その直後、ソーカルは論文がいたずらであることを『リンガ・フランカ』誌に暴露し、左翼と社会科学は理性に基づいた知的土台によって裏付けられるべきだと主張した。雑誌を欺いたことについてソーカルは左派とポストモダニストたちから批判を受けたが、それらに対して、自分の動機は「左翼を流行かぶれから守ること」にあると答えている。 この事件は、ポール・グロスとノーマン・レヴィットが1994年に出版した『Higher Superstition』と合わせて、サイエンス・ウォーズの一部だと考えられる。 1997年、ソーカルはジャン・ブリクモンと共にフランス語で『Impostures Intellectuelles』を上梓した(1年後、英訳が『Fashionable Nonsense』というタイトルで出版された。日本語訳は『知の欺瞞』の題名で2000年に刊行)。この本では、一部の社会科学者による科学的・数学的概念の誤用が槍玉に挙げられており、また科学社会学における「ストロング・プログラム」の支持者が真理の価値を否定しているとして批判されている。この本の書評では対照的な評価が見られ、一部はソーカルらの努力を賞賛し、またそれ以上の多くは判断を留保した。 2008年、ソーカルはこの事件とその含意を振り返る著書『Beyond the Hoax』を発表した。 一方で、ソーカルとブリクモンは、言及を受けた哲学者たちから、「科学的概念を濫用していることを批判している一方で、批判対象である哲学について基礎的な理解を欠いている、あるいは誤読している」という趣旨の批判を受け、一部の科学者からもソーカルたちの手法について批判の声が見受けられた。ジャック・デリダも、「こういった困難の度合いを正確に測るために読むべきであったテクストを、彼らは読んでいないと考えざるを得ません。おそらく、彼らには読めなかった、ということでしょう。彼らは全く読んでいないのですよ」とインタビュー内でソーカルたちの誤読について批判的に言及している。
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ソーカル事件
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「ソーシャル・テクスト」の記事における「ソーカル事件」の解説
詳細は「ソーカル事件」を参照 この雑誌は1996年に、ソーカル事件の引き金となる、物理学者アラン・ソーカルが意図的にでたらめを書いた論文を掲載したことで悪名をはせた。「著者たちが無意味なことを語り、現実など存在しないということを主張する論文を、理解できないままに真面目な顔で出版した」ことを理由に、ソーシャル・テクストの編集者には1996年度のイグノーベル文学賞が贈られた。当時、この雑誌には学術的な意味での査読がおこなわれておらず、物理学者など外部の専門家によるチェックもないまま論文が掲載されていた。
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