タイムズ文芸付録とは? わかりやすく解説

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タイムズ文芸付録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/26 01:31 UTC 版)

タイムズ文芸付録
The Times Literary Supplement
編集者 マーティン・イヴェンス英語版
カテゴリ 文学, 時事
刊行頻度 年50回
発行者 ニューズUK英語版
創刊年 1902年 (121年前) (1902)
イギリス
拠点 ロンドン
言語 英語
ウェブサイト www.the-tls.co.uk
ISSN 0307-661X
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『タイムズ文芸付録』 (タイムズぶんげいふろく、The Times Literary Supplement (TLS)) は、ニューズ・コープ傘下にあるロンドンニューズUK英語版が発行する、週刊の文芸雑誌である[1]。世界各国のあらゆる分野の新刊の書評を中心に掲載している[1]

概要

『タイムズ文芸付録』は1902年にイギリスの日刊新聞『タイムズ』の付録として創刊された[2]。その後、1914年に独立して刊行されるようになった[3]T・S・エリオットヘンリー・ジェイムズヴァージニア・ウルフといった多くの著名な作家が寄稿した。初代編集長はジェームズ・サーズフィールド英語版であったが、まもなくブルース・リッチモンド英語版が編集長となり[4]、彼は1937年までその職を務めた。

1932年には『タイムズ』と共に『タイムズ文芸付録』も印刷活字をTimes New Romanに変えたが[5]、それに携わったスタンレー・モリスンは、1945年から1947年まで『タイムズ文芸付録』の編集長を務めた。

1974年までは批評は通常匿名であったが、ジョン・グロス英語版が編集長になってから署名入り批評が導入されるようになった[1][6]。これは大変な議論を呼んだ。「匿名批評は他の出版社では一般的だったかもしれないが、その時代は過ぎた」とグロスは語り、「私は個人的に、批評者は自分の主張に責任を持つべきだと考えている」と付け加えた[6]

TLSのオフィスはロンドンのニューズビル英語版に本拠地がある。編集長は2020年6月から、スティッグ・エイベル英語版の後を継いだマーティン・イヴェンス英語版が務めている[7][8]

TLSには、D・M・トーマス英語版[9][10]ジョン・アッシュベリーイタロ・カルヴィーノパトリシア・ハイスミスミラン・クンデラフィリップ・ラーキンマリオ・バルガス・リョサヨシフ・ブロツキーゴア・ヴィダルオルハン・パムクジェフリー・ヒル英語版、そしてシェイマス・ヒーニーなど多くの作家のエッセイ、批評、詩が掲載されている[11]

2010年のノーベル文学賞を受賞した小説家のマリオ・バルガス・リョサ[12]はTLSについて、「私が話している5か国語の中で、最も真面目で、権威があり、ウィットに富み、多様で刺戟のある文芸誌だ」[13]と書いているように、多くの作家がこの刊行物を必要不可欠だと評価している。

歴代編集長

  • 1902年: ジェームズ・サーズフィールド英語版
  • 1902年: ブルース・リッチモンド英語版
  • 1938年: デビッド・マレー英語版
  • 1945年: スタンレー・モリソン
  • 1948年: アラン・プライス=ジョーンズ英語版
  • 1959年: アーサー・クルック英語版
  • 1974年: ジョン・グロス英語版
  • 1981年: ジェレミー・トレグロウン英語版
  • 1991年: フェルディナンド・マウント英語版
  • 2003年: ピーター・ストサード英語版
  • 2016年: スティッグ・エイベル英語版
  • 2020年: マーティン・イヴェンス英語版

関連項目

脚注

  1. ^ a b c 『世界大百科事典. 17(改訂新版)』平凡社、2007年9月、115頁。ISBN 978-4-582-03400-4 
  2. ^ May, Derwent (2001). Critical times : the history of the Times literary supplement. HarperCollins. p. 1. ISBN 0007114494. NCID BA55256506 
  3. ^ May (2001). Critical times. HarperCollins. p. 95 
  4. ^ May (2001). Critical times. HarperCollins. p. 20 
  5. ^ May (2001). Critical times. HarperCollins. p. 193 
  6. ^ a b May (2001). Critical times. HarperCollins. pp. 419-420 
  7. ^ Comerford, Ruth (24 June 2020). “Martin Ivens to become TLS editor as Stig Abell departs”. The Bookseller. https://www.thebookseller.com/news/martin-ivens-named-new-editor-tls-1207920# 2020年7月1日閲覧。. 
  8. ^ Tobitt, Charlotte (2020年6月24日). “Ex-Sunday Times editor Martin Ivens takes helm at TLS as Stig Abell focuses on radio”. PressGazette. https://www.pressgazette.co.uk/ex-sunday-times-editor-martin-ivens-takes-helm-at-tls-as-stig-abell-focuses-on-radio/ 2020年7月1日閲覧。 
  9. ^ Ararat”. 2023年6月20日閲覧。 “The TLS asked me to review an Anthology of Armenian Poetry, edited by Diana der Hovanessian.”
  10. ^ McCulloch, Andrew. “'Stone'”. The Times Literary Supplement. https://www.the-tls.co.uk/articles/stone-poem-of-the-week/. "In 1978, the poet, translator and novelist D. M. Thomas drew a useful distinction between twentieth-century English and Russian poetry in a TLS review of a collection of poems by Osip Mandelstam." 
  11. ^ "TLS writers past and present", Times Online. Archived 17 May 2009 at the Wayback Machine.
  12. ^ The Nobel Prize in Literature 2010”. The Nobel Prize (2010年10月7日). 2019年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月17日閲覧。
  13. ^ Fulford, Robert (Spring 2014). “Neither Times, nor Literary, nor Supplement”. Queen's Quarterly 121: 72–81. http://www.robertfulford.com/tls-2014.html. 

参考文献

  • May, Derwent. Critical Times: The History of the Times Literary Supplement, 2001, HarperCollins, ISBN 0-00-711449-4.

外部リンク


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