タイムズ紙とは? わかりやすく解説

タイムズ

(タイムズ紙 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 07:37 UTC 版)

The Times
タイムズ(表紙、1788年12月4日付け)
種別 日刊紙
所有者 ニューズ・コープ
編集者 James Harding
設立 1788年1月1日
政治的傾向 中道右派[1]
保守主義[2]
発行数 365,880 (2020年3月現在)
ウェブサイト The Times

タイムズ』(The Times)は、英国1785年に創刊した世界最古の日刊新聞である。発行部数は2020年時点で35万9960部である[3]。また、日本読売新聞(発行部数は686万部で世界一位)とも提携している。 

ニューヨーク・タイムズ』などの新聞との区別のために『ロンドン・タイムズ』タイムズ・オブ・ロンドン(Times of London=ロンドンのタイムズ)』などと呼ばれることもある。

概要

ルパート・マードック率いるニューズ・コープのNews Internationalの傘下である。世界情勢に対するイギリス世論の形成に影響力がある。オーナー、マードックの政治思考が紙面に反映されることも多く論調は保守的。

1785年ジョン・ウォルターによって『デイリー・ユニバーサル・レジスター』の題字で創刊される。1788年1月1日に現在の名前、タイムズに新聞の名前を変更する。

ジョン・ウォルターは16年編集長を務めた後、1803年に経営権と編集長の座を息子に譲る。新聞に載せた内容が名誉毀損だとして ジョン・ウォルターはニューゲイト監獄に収監され、中で16ヶ月を過ごしたことがある。しかし、彼のヨーロッパ中、特にフランスからのニュースを集めるための先駆的な努力により、官僚や資本家の中での評判を確立し、政治、科学、芸術、文学の著名な人からの寄稿を広く集め、掲載することでも評判を集める。

初期のこの新聞は競合他社も少なく、莫大な利益を得ていたため、取材活動に多額の費用を充てることができた。また、『タイムズ』は国外に特派員を送った最初の新聞であり、戦場へ特派員を送ったのも『タイムズ』が最初である。W・H・ラッセルは、陸軍に帯同する特派員としてクリミア戦争へ派遣され、イングランドに帰国してから莫大な影響力を持っていた。1887年から北京へ派遣されていたジョージ・アーネスト・モリソンが、1900年に義和団の乱に遭遇して55日間の籠城を伝えた特派員記事では柴五郎や日本を好意的に伝え、1902年の日英同盟締結に向けてイギリス国民の世論に大きな影響を与えた。

インデペンデント』紙がタブロイドサイズ版を発行したことに追随、2003年11月今までの一般紙サイズに加えタブロイドサイズ版も発行されるようになった。2004年9月13日から北アイルランドでは平日はタブロイド判のみとなる。

姉妹紙

タイム(Times Newspapers Ltd.)が発行する他の新聞。

オーナー

編集長

  • ジョン・ウォルター (1785年 - 1803年)
  • ジョン・ウォルター2世 (1803年 - 1809年)
  • ジョン・ストッダード (1809年 - 1817年)
  • トマス・バーンズ (1817年 - 1841年)
  • ジョン・ダレン (1841年 - 1877年)
  • トマス・チェーニー (1877年 - 1884年)
  • ジョージ・アール・バックル (1884年 - 1912年)
  • ジョージ・ジェフリー・ドーソン (1912年 - 1919年)
  • ヘンリー・ウェッカム・スティード (1919年 - 1922年)
  • ジョージ・ジェフリー・ドーソン (1923年 - 1941年)
  • ロバート・マクゴワン・バリントン・ウォード (1941年 - 1948年)
  • ウィリアム・ケーシー (1948年 - 1952年)
  • ウィリアム・ヘーリー (1952年 - 1966年)
  • ウィリアム・リースモーグ (1967年 - 1981年)
  • ハロルド・エヴァンス (1981年 - 1982年)
  • チャールズ・ダグラス・ホーム (1982年 - 1985年)
  • チャールズ・ウィルソン (1985年 - 1990年)
  • サイモン・ジェンキンス (1990年 - 1992年)
  • ピーター・ストットハード (1992年 - 2002年)
  • ロバート・トムソン (2002年 - )

コラムニスト

  • サイモン・バーンズ
  • アラン・コーレン
  • ジャイルズ・コーレン
  • マイケル・ゴブ
  • ティム・ヘイムス
  • アントニー・ハワード
  • フィリップ・ハワード
  • ミック・ヒューム
  • サイモン・ジェンキンス
  • アナトール・カレツキー
  • マグヌス・リンクレイター
  • ベン・マッキンタイアー
  • キャトリン・モラン
  • リチャード・モリソン
  • マシュー・パリス
  • リビー・パーブス
  • ウィリアム・リース・モッグ
  • ピーター・リッデル
  • ニック・ロビンソン
  • メアリー・アン・ジークハルト
  • ジャニス・ターナー
  • ペイシェンス・ウィートクロフト

主な記者・執筆者

脚注

  1. ^ Christina Schaeffner, ed (2009). Political Discourse, Media and Translation. Cambridge Scholars Publishing. p. 35. ISBN 9781443817936. https://books.google.com/books?id=6BIaBwAAQBAJ&dq=centre-right+liberal+FT&pg=PA35. "With regard to political affiliation The Daily Telegraph is a right-wing paper, The Times centre-right, The Financial Times centre-right and liberal, and The Guardian centre-left." 
  2. ^ [1]. "The Times", 11 December 2019. Retrieved 15 May 2023.
  3. ^ The Times - Data - ABC | Audit Bureau of Circulations” (英語). www.abc.org.uk. 2022年9月19日閲覧。

関連項目

外部リンク

- 創刊から1985年までの紙面収録データベース
- 鈴木雄雅上智大学『コミュニケーション研究』(40号) 2010, (46号) 2016

タイムズ紙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 16:31 UTC 版)

ジョン・ウォルター (出版業者)」の記事における「タイムズ紙」の解説

書籍出版傍ら1785年1月1日より『ザ・デイリー・ユニバーサル・レジスター』(The Daily Universal Register)という題名新聞発行し1788年1月1日の第940号より『ザ・タイムズ、またはデイリー・ユニバーサル・レジスター』(The Times, or Daily Universal Register)に改名同年3月18日サブタイトル削ってザ・タイムズ』(The Times以降現『タイムズ』紙に至る)とした。また、1790年夕刊新聞である『イブニング・メール』(Evening Mail)を創設したウォルターにとっての本業あくまでも書籍出版であり、新聞発行はその片手間関わるようになった仕事にすぎず、新聞内容編集者任せ自身はさほど力を入れなかった。『タイムズ』紙の発行部数1792年には3,000近く1793年には4,000部とされたが、同紙がイギリス大きな影響力を持つのは息子ジョン英語版)の代になってのこととなる。 ウォルター新聞発行のせいで度々裁判巻き込まれることになり、1786年初代ラフバラ男爵アレクサンダー・ウェッダーバーン(英語版)により誹謗訴えられ150ポンド損害賠償命じられたほか、1789年ヨーク=オールバニ公爵フレデリックへの誹謗罪の廉で王座裁判所英語版)にて起訴された。このときも有罪になり、50ポンド罰金刑1年間の(ニューゲート監獄での)禁固刑言い渡された上、ニューゲート監獄投獄されたときにさらに誹謗罪2件(クラレンス公ウィリアムウェールズ公ジョージへの誹謗)で起訴された。この2件の起訴でも有罪判決受けて合計200ポンド罰金刑1年間禁固刑言い渡された。ウォルター後年回想したところによると、ウェールズ公誹謗したとされた記事政府大蔵省政務次官)の意を受けた記事であり、その著者供述すれば自身潔白証明できたが、政府による罰金支払い期待して供述しなかったという。ただし、獄中書いた手紙などでは刑罰を受けることに対する不満を漏らしていた。最終的にウォルターの娘メアリーウェールズ公嘆願しウォルター多く政治家に抗議の手紙送ったことで1791年3月9日釈放され政府からウォルター250ポンド支払われた。

※この「タイムズ紙」の解説は、「ジョン・ウォルター (出版業者)」の解説の一部です。
「タイムズ紙」を含む「ジョン・ウォルター (出版業者)」の記事については、「ジョン・ウォルター (出版業者)」の概要を参照ください。

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