長詩「荒地」
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1922年、編集委員に加わって季刊誌『クライテリオン』を創刊、この創刊号に掲載されたのが長詩「荒地(あれち)」(The Waste Land) である。 この詩は1920年頃から書き継がれていた作品で、21年にスイスのローザンヌで病気療養中に完成、翌22年にパリでエズラ・パウンドに批評をもとめたうえで完成させている。同年アメリカとイギリスで単行本として出版されると、まったく新しい詩の登場として英米の文学界でただちに大きなセンセーションを巻き起こした。 『タイムズ文芸付録』は世界の混乱と美を同時にえがく感動的な作品と激賞したが、一方で詩としての体をなしていないとする批判も多かった。しかしそこに盛り込まれた都市のイメージ、ジャズのリズムを反響させた詩句は、第一次大戦後の新しい感受性のあらわれとして学生や詩人の間で熱狂的に読まれることとなった。 妻の病気と銀行の仕事に追われながらの文学活動は苦しいものであったが、1925年には代表作のひとつ「うつろな人々」(The Hollow Men) を発表し、ますます文名は高まった。同年エリオットは銀行を退職、編集者として後のフェイバー・アンド・フェイバー社で働き始める。
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