スマスマでの視聴者へのメッセージと一旦の収束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:49 UTC 版)
「SMAP解散騒動」の記事における「スマスマでの視聴者へのメッセージと一旦の収束」の解説
18日のスマスマは前枠の月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』が初回15分拡大のため22時15分からスタートした。まず番組は黒バックに白文字で『今夜のスマスマは一部内容を変更してお送り致します』のテロップに始まり、代表曲「世界に一つだけの花」をバックにした映像とファンのメッセージ(朗読:フジテレビ・西山喜久恵アナウンサー)が流れ、その後22時19分頃、5人の姿が映し出された。このシーンは黒いカーテンの前にスーツ姿の5人が左から中居、草彅、木村、稲垣、香取の順に並び、それぞれが視聴者にメッセージを述べる形で進んだ。発言内容は以下の通り。 木村拓哉「今日は、2016年1月18日です。先週から我々SMAPのことで世間をお騒がせしました。そしてたくさんの方々に、たくさんのご心配とご迷惑をおかけしました。このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は自分たち5人が、しっかり顔をそろえて、みなさんに報告することが何よりも、大切だと思いましたので、本当に勝手だったのですが、このような時間をいただきました。」稲垣吾郎「この度は 僕たちのことでお騒がせしてしまったこと、申し訳なく思っております。これからの自分たちの姿を見ていただき、そして、応援していただけるように、精一杯がんばっていきますので、これからもよろしくお願いいたします。」香取慎吾「本当にたくさんの方々に心配をかけてしまい、そして不安にさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。皆さまと一緒にまた、今日からいっぱい笑顔を作っていきたいと思っています。よろしくお願いします。」中居正広「今回の件で、SMAPがどれだけ皆さんに支えていただいているのかということを改めて強く感じました。本当に申し訳ございませんでした。これからも、よろしくお願いいたします。」草彅剛「皆さんの言葉で、気づいたこともたくさんありました。本当に感謝しています。今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、今、僕らはここに立ててます。5人でここに集まれたことを安心しています。」木村拓哉「最後に、これから自分たちは、何があっても前を見て、ただ前を見て進みたいと思いますので、皆さん、よろしくお願いいたします。」(全員、一礼) このメッセージの最後にあたる22時22分には、瞬間最高視聴率37.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)という高視聴率を記録した。またこの日放送分の番組平均視聴率は、フジテレビで31.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)、関西テレビで29.7%(ビデオリサーチ調べ、関西地区・世帯・リアルタイム)をそれぞれ記録した。 このパートでは、立ち位置や発言内容、衣装の差など、木村と他の4人との間に意図的に差をつける演出であった。また、草彅の「ジャニーさんに謝る機会を…」は本来リーダーの中居が担当するはずだったが、中居が難色を示したために代わりに引き受けた草彅に当てられた。この発言はジャニーズの幹部の強権ぶりと古い体質があからさまに視聴者に示された。またメンバー4人が虚ろな表情であったことから、ネット上では「ジャニーズがメンバーを無理やり謝罪させた」として「公開処刑」という隠語がつけられた。中居が放送中に自身の手をつねっていたことも話題となった。放送倫理・番組向上機構(BPO)には1月中に約2800件の意見が寄せられ、一時公式サイトのアクセスがダウンした。放送前には4人が木村の楽屋を訪れ謝罪させられたとされるが、煮え湯を飲まされた中居は一連の扱いに激怒し、放送後、ほかのメンバーに対し木村とは口をきかないように命じたと報じられた。 またこの様子は他局でも取り上げられたが、フジテレビは当日午後、各局から番組内容の問い合わせが来た時点で、映像の使用を各局に持ちかけた。各局「生放送番組で1回限りの使用、期限は翌19日いっぱい」という条件で、フジテレビ本社でVTRを直接手渡した。その際放送権料を放棄してダビング手数料のみをとる、という「報道」素材の扱いで対応した。実際に、裏番組『報道ステーション』(テレビ朝日系)を筆頭に、報道番組でもこの件が取り上げられた。このような「報道」の名の下で「晒し上げ」に間接的に加担する結果となったことには、テレビ局員の間でも怒りの声があったという。 大手メディアの間では、このメッセージの発表をもって独立騒動にけりがついたこととされた。事務所も週刊文春、週刊新潮に対して早急に抑えに出て、21日発売の両誌28日号はいずれも事務所の意向に沿った内容の紙面になった。特に週刊新潮におけるメリーのインタビューでは、木村を別格で押し立てていくというメリーの構想とされるものが報じられた。22日、騒動後最初のスマスマ収録後に事務所の先輩、後輩タレントとの食事会が行われ、騒動は一応終結した。メディアは丁度同時期にスキャンダルが発覚したベッキーを執拗にバッシングすることで世間の目をそらし、SMAP解散騒動は公式には「終わった話」扱いになった。飯島は独立騒動の責任を一身に背負って単独で事務所を退社し、芸能界を追放された。 この間、スポーツ新聞は全面的にジャニーズの意向に沿った記事を書くことで、ネタのリークを得た。また、テレビ局は事務所やメンバーに対する独自取材を一切行わず、スタジオでのトーク部分ではスポーツ新聞の紙面を紹介していた。特にフジテレビにおいては、身内のスマスマサイドからは舞台裏の映像提供を受けたにもかかわらず、主に系列のサンケイスポーツを基に紹介した。サンスポの記事はスマスマの現場にいた関係者の証言を含んでいたため、スマスマサイドの直接の取材を避けて報道したことになる。 しかし一方で、ネット等ではジャニーズ事務所のメンバーおよびメディアに対する高圧・強権ぶりに対する不信感が残り、ジャニーズブランドのイメージダウンを招いた。 5月5日、ジャニーが自身プロデュースの舞台「ジャニーズ・フューチャー・ワールド from 帝劇 to 博多」の説明会の席で、初めてこの騒動について公にコメント、SMAPの解散を完全否定した。さらに翌6月には、ジャニーズファミリークラブの会員宛に送られた会報で騒動や謝罪会見に対するメンバー5人の言葉を掲載し、解散が否定された。
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