ジヴラシア達の新たな敵
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「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の記事における「ジヴラシア達の新たな敵」の解説
妖獣(ゼノ) 「梯子山」探索が終わる目前になって、突如人間を襲い始めた謎の生命体。他の生物に寄生し、相手の血液を媒介に肉体を変質させ、自分たちと同じ妖獣に変えてしまう。ゼノに寄生された人間は、肉体が完全に変質してしまうため蘇生魔法でも元に戻せない。 本作において「ゼノ」とはノームの言葉で「誰も知らぬ者」の意とされている。 正体は異星から飛来した宇宙生物。宇宙飛行や惑星環境の改造技術を持つものの、極めて本能的な生命体であった。しかしダバルプスによってその支配下に置かれ、計画的にリルガミンを含めたこの星全体を侵しつつある。 夢魔(サッキュバス) 妖艶な女性の姿をした夢魔で、物語序盤ジヴラシアの夢の中に夜な夜な現れ、その淫靡な誘惑で堕落させようとする。ジヴラシアには忌まわしい欲求が隠されていると囁きかけて来る。夢の中で相手の精神に作用することで、実際に肉体に傷をつけることが可能で、ジヴラシアの頬にはその爪によって細い傷が刻まれた。それをディーには「お相手の娘につけられた」などと誤解されていた。 夢魔の独断場である夢の中でジヴラシアを執拗に責め立て、かなり危険な状態であった。しかし、同時にジヴラシアもザザと共に、夢魔を捕らえようと罠を張り、ザザの呪法で作り出した結界によって捕らえることに成功する。ザザは夢魔を結界を用いた尋問で、何者の命令でジヴラシアを骨抜きにしようとしたのかを喋らせようとしたが、何かを喋る前に別の悪魔によって抹殺される。 炎の鞭を使う悪魔 上述の夢魔の口を封じた悪魔。人間型の姿をしている。炎の鞭を操り、その一撃は夢魔の生命力を一瞬で枯渇させるエナジードレインの力を持つ。かなり上位の悪魔であるらしく、魔剣を用いたジヴラシアの会心の斬撃も、肉体を包む結界によって防いだ。しかし完全に防ぎきれず負傷したため、ジヴラシアとザザに対して不敵な口上を述べてその場を去る。 しかしその時にジヴラシアにつけられた傷が、後にその悪魔の命取りになる。正体はアークデーモン。長身で暗い緑色のローブに身を包み中性的な美貌をもつ。エナジードレインを伴う炎の鞭による攻撃に加え、爆炎の呪文も唱えることができる。自らにかけられた呪文を無効化する。 黒竜(ブラックドラゴン) 漆黒の鱗に覆われた巨竜。竜族としては稀となっている種。常に血に飢えた凶暴な性格で、猫科の肉食獣のようなしなやかで強靭な四肢と、鋼の甲冑も突き破る爪と牙、鞭のようにしなる丸太の如き尾の一撃など、その身体能力ひとつとっても非常に危険である。また竜族だけあって知能は非常に高く、高度な攻撃呪文を駆使する。口からブレス(炎や吹雪を吐息として吐き出す)攻撃を行うのも竜族の例に漏れず、強酸のブレスを浴びせかけてくる。まさに全身殺戮技能の塊といえ、その邪悪な性質とあわせて、明らかにそれまでの「梯子山」の護衛とは毛色が違っており、共存するはずの他の「梯子山」の住人も餌食にしていた。 空気の巨人(エアージャイアント) 普段は気体の状態で、戦闘時に巨人の姿に実体化する、大気の精霊とも言える存在。やはり非常に凶悪な性質で、双眸は血の色にぎらついている。人間をたやすく押しつぶすその豪腕で、ジヴラシアに襲い掛かる。 羽虫の群れ(ノーシーアム・スワーム) 不気味な羽虫の群れで、その集合体は髑髏の形をとったとする。上述の黒竜などと同じく新たに現れた怪物で、やはり他の「梯子山」の護衛に襲い掛かっていた。 オークロード 頭部が豚の亜人類(デミ・ヒューマン)オークの上位種で、並みのオークの数倍の巨躯を持つ。強力な魔力の影響で突然変を起こした種であるらしく、かつてただ一箇所、「ダバルプスの呪いの穴」でしか出没したという記録がない。その巨体だけある怪力を持つが、それだけのことで、ザザやマイノスたちに一蹴されていた。 ヘルハウンド 魔界に棲む魔犬。高い知性と狡猾さをもち、集団で炎の息を吐き獲物に襲いかかる。 バンパイアロード 不死怪物の王と言われる、吸血鬼の上位種。相手の生命力を奪うエナジードレインを始め、最高クラスの魔術や、妖術による浮遊能力や催眠術など、数々の危険な能力を持つ。また肉体を破壊されても、無限に再生する力を持つ。「森の彼方の国」ファールヴァルトを滅ぼした存在と言い伝えられる。また、かつて大魔術師ワードナの傍に仕えていたともいわれるが、その時のバンパイアロードとは違った存在であるようで、陰鬱な黒衣に不気味な奇相を持つ。「梯子山」に侵入したマイノスたちの前に現れ、ベイキにその魔手を伸ばす。 幻視の中の巨大な悪魔 物語中盤、ジヴラシアの時空を超えた幻視の中で垣間見る悪魔。巨人とも呼ぶべき巨体に甲冑を着込み、頭部には数本の角を持つ。四本の腕で、それぞれ二本の腕で大剣を両手持ちし、他の二本で槌と盾を持つ。幻視であってもジヴラシアを圧倒する強大な妖気は、上述の炎の鞭使いを遥かに凌いでいる。その正体は、約100年前ダバルプスがリルガミンを征服すべく、魔界の勢力を味方につけるために契約を結んだ魔王で、かつて人類が契約し得なかった力ある魔王といわれる。ダバルプスの死後も「呪いの穴」の最深部に潜み、リルガミンを魔界化しようとした。幻視するジヴラシアの前で、「ニルダの杖」を携えた「ダイヤモンドの騎士」(アラビクとは違う人物)とその魔王は死闘を繰り広げ、その騎士のハースニールの一撃は、自分の胴程もある巨槌を砕き、更にそのままの勢いで魔王の腕の一本を斬り落とす。 本作においてジヴラシアたちと対峙する。元ネタは、原作ゲームの『ダイヤモンドの騎士』ファミコン版において隠しボスとして、ウィザードリィ#4から追加された「魔大公(デーモンロード)」。ダイヤモンドの騎士となったキャラクター1人と一騎討ちでのみ戦うことができ、本作中では戦士ガディがダイヤモンドの騎士となってこの魔大公を倒したことになっている。
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