コロンビア号事故調査委員会とは? わかりやすく解説

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コロンビア号事故調査委員会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 14:28 UTC 版)

コロンビア号空中分解事故」の記事における「コロンビア号事故調査委員会」の解説

事故発生直後チャレンジャー号事故の後に作成され議定書従い直ちに軍や民間専門家らによって組織された「コロンビア号事故調査委員会(Columbia Accident Investigation Board, CAIB)」が結成され広範かつ多岐にわたる調査開始した2003年3月20日テキサス州ヘンフィル(Hemphill)付近コロンビア飛行データ記録したレコーダー発見された。民間旅客機とは違いシャトル事故発生した際の原因究明目的としたフライト・レコーダーのようなものは搭載しておらず、通常すべてのデータリアルタイム地上送信されている。だがコロンビアシャトル初号機ということもあり、技術者たち機体特性をよりよく把握できるよう、初飛行時に軌道船実験Orbiter Experiments, OEX)レコーダー」が設置されていた。OEXレコーダー試験飛行終わった後も取り除かれることはなく、この事故起きるまでずっと機能していた。その結果、ここには数百種もの軌道変数機体構造かかった負荷など様々なデータ記録されることになり、CAIBが機体崩壊過程再構築するための大きな手がかりとなった。翼に設置されていたセンサーからの信号途絶えた事実も、化学分析有名なリーハイ大学行われた分析作業や、発生した可能性のある事実に関して最終的な結論を得るための試験考慮材料となった2003年7月7日、サウスウェスト研究所Southwest Research Institute)において、空気銃使用してコロンビア剥落したものと同じ質量断熱材を、同じ速度強化カーボンRCCパネル激突させる衝突試験が行われた。これはバードストライク影響調べ為に鶏肉航空機の窓・エンジン胴体などに衝突させる実験応用したもので、NASA保管していたエンタープライズ用のRCC金属の枠組みの上設置して主翼の状態を再現し数日間わたって様々な角度から数十個もの破片衝突させたが、ほとんどは表面ひびが入る程度であった。だが実験最終盤、高速射出されたある破片が、ついに41×42.5cmほどの穴を空けるのが確認された。発泡スチロールのように軽い物質であっても衝突速度高ければ十分にRCC破壊する威力があるのが証明されのである8月26日、CAIBは調査報告書発表し離陸の際に剥落した発泡断熱材が左主翼前縁損傷させたことが事故直接的な原因であると結論づけた。また報告書は、そもそも問題根底にあるNASA精神風土についても深く追及し、その意志決定過程危険に対す認識甘さなどを厳しく非難したNASA組織プロセスとに重大な欠陥があり、誰が責任者かに関わらず安全面における妥協招いていた。一例挙げればシャトル計画全体管理官一人人間担当し、安全と進行およびコスト削減について責任を持つのだが、これらはしばし対立するのである。CAIBは、NASA過去何度かの飛行において、計画完了させるために安全基準逸脱するような行為をしていたことを発見した。たとえば耐熱タイルというのは非常にもろく壊れやすい素材で、強い衝撃に耐えられるように作られはおらずこれまで何度も損傷受けていることが発見されたのだが、何ら具体的な対策施されることがなかった。委員会このような体質についても改善を行うことを強く勧告した2008年12月30日NASAは「宇宙船搭乗員生存に関する統合調査チーム第二委員会作成した、「コロンビア号搭乗員生存調査報告書」を発表したNASAがこの委員会発足させたのは、コ号事故発生した現象、特に飛行士生存影響与えたできごと包括的に分析し将来的開発されるすべての有人宇宙船搭乗する飛行士生命安全保障促進するためであった報告書は、「コロンビア減圧は、飛行士搭乗室の与圧確保対処する間もなくきわめて短時間のうちに発生したため、彼らは数秒のうちに意識失った考えられる空気循環系統はそれでもしばらくのうちは機能していたが、急激な気圧低下影響大きく飛行士たちは二度と意識取り戻すことはなかった。この減圧こそが、搭乗員たちに対して致命的なできごとであった」と述べた報告書また、 数名飛行士は、安全対策怠っていた。何人かの者は保護用のグローブをはめていなかったし、また1名はヘルメットかぶっていなかった。今後宇宙飛行士たちに帰還の際の安全対策徹底させることが望まれる座席シートベルトは、墜落の際に引きちぎられていた。残る3機の軌道船ディスカバリーアトランティスエンデバー)のベルトは、いずれも以前交換されたものである。 と指摘した。この報告書要点は、将来開発される宇宙船生命保護装置は、飛行士の手操作に頼るものであってならないということであった

※この「コロンビア号事故調査委員会」の解説は、「コロンビア号空中分解事故」の解説の一部です。
「コロンビア号事故調査委員会」を含む「コロンビア号空中分解事故」の記事については、「コロンビア号空中分解事故」の概要を参照ください。

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