原因等の概説とは? わかりやすく解説

原因等の概説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 14:28 UTC 版)

コロンビア号空中分解事故」の記事における「原因等の概説」の解説

事故原因は、発射の際に外部燃料タンクExternal Tank, ET)の発泡断熱材空力によって剥落し、手提げ鞄ほどの大きさ破片が左主翼前縁直撃して大気圏再突入の際に生じ高温から機体を守る耐熱システム損傷させたことだった。コロンビア軌道周回している間、技術者中には機体損傷しているのではないかと疑う者もいたが、NASA幹部は仮に問題発見されても出来ることほとんどないとする立場から、調査制限したNASAによるシャトルの元々の設計要件定義では、外部燃料タンクから断熱材などの破片剥落てはならないとされていた。従って、シャトル破片損傷するような事態は、本来はそもそも発射許可される前に解決されていなければならない安全上の問題である筈だった。しかしながら技術者たちは破片剥落機体に当たるのは不可避かつ解決不能考えようになったので、破片問題安全面支障及ぼさないもしくは許容範囲内のリスクであるとして、発射はしばし許可された。大半打ち上げにおいて剥落した断熱材衝突による耐熱タイル損傷記録されていた。 2つ前の打ち上げであるSTS-112においては断熱材の塊が外部燃料タンクのバイポッド・ランプから剥落し、左側補助固体燃料ロケットSRB) の後尾付近にある SRB外部燃料タンク間の接続リング直撃して、幅4インチ深さ3インチ凹み発生させた。そのミッション後状況調査されたが、NASA破片問題について「外部燃料タンク安全に飛行可能であり、新たな問題(やリスク増大)はない」 としてこれを容認する判断示した。この判断は後にコロンビア号軌道上居た間にも再検討されミッション管理班 (MMT議長のリンダ・ハム(英語版)は「当時も今も(危険性の)根拠乏しい」としてこれを追認した。ハムの他にシャトル計画責任者であるロン・ディッテモア(英語版)も2002年10月31日会議参加しており、その場でこの打上決行決定された。 STS-107大気圏再突入した際、損傷箇所から高温空気侵入して翼の内部構造体が破壊され急速に機体分解した事故後にテキサス州ルイジアナ州アーカンソー州行われた大規模な捜査により、搭乗員遺体機体残骸多数回収された。 シャトル113回目飛行であるSTS-107は、2001年1月11日打ち上げられる予定だったが、2年間に18回も延期され実際に発射されたのは2003年1月16日のことであった(そのため、この前飛行計画番号STS-113となっている)。最後遅延原因は、発射予定日2002年7月19日1か月前に燃料供給システム亀裂発生したことであったが、コロンビア号事故調査委員会Columbia Accident Investigation Board, CAIB)は、このことがその6か月後に発生した惨事直接影響与えたことはないと断定している。 CAIBはNASA対し技術および組織的運営両面における改善勧告したシャトル飛行計画はこの事故の影響で、チャレンジャー号爆発事故の時と同様に2年間の停滞余儀なくされた。国際宇宙ステーションInternational Space Station, ISS)の建設作業一時停止され、STS-114飛行再開されるまで物資搬送29か月間、飛行士送致STS-121発射されるまで41か月間、完全にロシア連邦宇宙局に頼ることとなった

※この「原因等の概説」の解説は、「コロンビア号空中分解事故」の解説の一部です。
「原因等の概説」を含む「コロンビア号空中分解事故」の記事については、「コロンビア号空中分解事故」の概要を参照ください。

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