原因菌と代謝物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:45 UTC 版)
口腔内には、700種以上の細菌が生息しているとされ、原因菌としての関与が確認されている細菌は少ない。しかし、幾つかの嫌気性グラム陰性菌との関与が報告され、細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸(高濃度の酪酸、イソ吉草酸など)が大きな影響を与えていると指摘されている。また、舌苔は歯垢よりも Porphyromonas gingivalis が多く検出され口内細菌の供給源となっている可能性が報告されている。 Porphyromonas gingivalis (ポルフィロモナス・ジンジバリス、旧 Bacteroides gingivalis) Prevotella 属菌は進行を促進する。Prevotella intermedia女性ホルモンにより発育が促進されると考えられ、思春期性歯肉炎や妊娠性歯肉炎への関与が指摘されている。 Fusobacterium nuclea Aggregatibacter actinomycetemcomitans (旧 Actinobacillus actinomycetemcomitans) - 若年性歯周炎、侵襲性歯周炎(特に若年者の限局型)細胞のアポトーシスを誘導する。 Tannerella forsythensis - 難治性歯周炎の病巣から、P.gingivalis やスピロヘータとともに検出されることが多い。 Treponema denticola - スピロヘータ、組織間隙に入り込み歯周組織破壊に関与する。 高濃度の酪酸によりB細胞、T細胞の増殖が抑制とT細胞アポトーシス誘導がされるとする報告がある、一方、硫化水素、メチルメルカプタンは組織為害作用はあるものの細胞障害作用には関与していないと報告されている。例えば、P.gingivalis の代謝物質には、コラゲナーゼ、トリプシン様酵素、ヒアルロニダーゼなどがあり歯根膜、周囲の線維芽細胞、骨芽細胞などを直接破壊すると報告されている。
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