イトカワの観測・着陸とは? わかりやすく解説

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イトカワの観測・着陸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 01:00 UTC 版)

はやぶさ (探査機)」の記事における「イトカワの観測・着陸」の解説

時刻はすべてJST2005年9月4日、点状ながら初めイトカワ形状撮影イトカワ自転周期予想通り12時間であることを確認。さらに、レーザー高度計送信試験成功9月10日撮影では、イトカワ細長い形状をはっきり捉えた9月12日イトカワ地球を結ぶ直線上でイトカワから20kmの位置(ゲートポジション)に到達した。これにより公式にイトカワとのランデブー成功となったイトカワ観測結果によって着陸候補となる場所が見当たらないほど岩ばかりのゴツゴツした表面であることが判明した9月30日イトカワから約7kmの位置ホームポジション)まで接近し近距離からの観測モード移行した10月2日23時8分:y軸リアクションホイール停止した残ったRWz軸の1基だけであり、RCS併用して姿勢制御を行う必要に迫られた。RCS液体推進剤往路終えたこの時点で約2/3がまだ残っていたので、直ち推進剤不足となる不安はあまり無かったが、精密な姿勢制御が行なくなったことで、HGAによる地球との高速データ通信不可能になり、MGAによる通信切り替えられた。この時点で、地球から3億km遠方に居るはやぶさとの通信は、34分の往復時間かかった10月28日帰還推進剤確保のために消費削減求められていたが、RCS噴射精度良く制御する目処立った。これにより予定通りサンプル採取実施決まった11月4日1度目リハーサル降下行った着陸前の準備としてイトカワ接近しながら航法探査といった各種機能試験する着陸リハーサルであったが、自律航法機能使って700メートルまで接近したところで予定軌道外れはじめたため、リハーサル中止された。 11月9日2度目リハーサル降下によって高度75メートルまで接近した時間をかけてゆっくりと降下するため、日本臼田局だけでなくマドリード通信所との連携作業試され、うまく通信切り替えが行えた。ミッション関係者の名前が入ったターゲットマーカー正常に分離され予定通り虚空消えた。フラッシュランプもテストされ良好な結果得たまた、画像撮影したため、地球側受信後、ウーメラ砂漠ではなくミューゼスの海に2回の着陸試みることが決まった11月12日3度目リハーサル降下行い、高度55メートルまで接近した探査機ミネルバ」を投下した搭載機器順調に機能していたが、重力補償のためのスラスタ噴射途中で分離してしまったため探査機上昇速度持ちイトカワへの着陸失敗した。このリハーサルでは、降下誘導LIDAR使えず自律的な画像認識による誘導機能しないため、新たに地形航法」という手法考案し試してみた。また近距離レーザー光度計 LRF動作確認行った何より大きな違いは、太陽発電パドル太陽光圧力を受けることで降下速度時速100メートルほどとごく低速にしたことだった。ミネルバ投下失敗は、元々太陽光による圧力イトカワ引力はやぶさ降下している間に分離が行われる予定でいたが、指令コマンド順番ミネルバ分離命令直前に、降下速度抑えるためのRCS噴射命令入れて送信してしまうという人為的ミスによって、はやぶさ上昇はじめた直後ミネルバ分離してしまったことで起きた11月20日:高度約40メートル88万人の名前を載せたターゲットマーカー分離したマーカーイトカワ着地した予定通り1回目タッチダウン挑戦したはやぶさ降下途中何らかの障害物検出し自律的にタッチダウン中止決定して上昇開始したが、再び秒速10cmで降下始めたはやぶさは2回のバウンド接地)を経て、約30分間イトカワ表面着陸した。このときは受信局の切り替えビーコン受信できない時間帯であったため、地上局側は着陸事実把握できておらず、通信途絶が長すぎることを不審思った管制室の緊急指令上昇離陸した地球と月以外の天体において着陸したものが再び離陸成し遂げたのは世界初であったタッチダウン中止モード解除されないまま降下したため弾丸発射されなかったが、着陸衝撃イトカワの埃が舞い上がり回収され可能性があるとされた。 11月26日2回目タッチダウン挑戦新たにマーカー投下する2つ目印見て混乱する可能性があるため新たなマーカー投下止め、また前回マーカー確実に検出できる保証はないので、マーカーによる制御はせず記録モニターのみの設定とした。降下中に前回投下した署名入りターゲットマーカーイトカワ表面上に確認日本時間午前7時7分、イトカワ予定通り1秒間着陸し即座にイトカワから離脱した。なお、地球帰還したカプセル中身のうち、2010年11月16日までにイトカワ由来断定されたおよそ1500個の微粒子はこのとき回収されたものである2回目離脱後の9時過ぎスラスタ噴射によりイトカワから5km位置静止した。この時、B系2番スラスタから燃料ヒドラジン探査機内部漏洩していることが判明した。弁を閉鎖し漏洩止まった11月27日化学推進スラスタ噴射試みたが、小さな推力観測されただけであった。この時、燃料漏洩したため気化による温度低下バッテリー機能低下し電源失われたために、結果として搭載システム広範囲再起動されたと推定されている。姿勢制御スラスター2系統 (A/B) とも推力低下しはやぶさ姿勢大きく乱れた

※この「イトカワの観測・着陸」の解説は、「はやぶさ (探査機)」の解説の一部です。
「イトカワの観測・着陸」を含む「はやぶさ (探査機)」の記事については、「はやぶさ (探査機)」の概要を参照ください。

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