アロエベラによる実験と現状について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 08:33 UTC 版)
「アロエベラ」の記事における「アロエベラによる実験と現状について」の解説
アロエベラゲルなど植物由来の植物化学物質は、健康の維持や様々な病気の軽減に重要な役割を果たしてきた。例えば実験用ラットに日常的にアロエベラを与えた場合、様々な加齢に伴うホルモン・代謝といった広範囲に変化があらわれるなど、実験を通し加齢による病状に有益であることが証明されていることから、ここではその一部を紹介する。 アロエベラゲルを用いたイン・ビトロ(ラテン語で”ガラスの中で”を意味し、試験管や培養器などの中でヒトや動物の組織を用いて、体内と同様の環境を人工的に作り、薬物の反応を検出する試験を指す)およびイン・ビボ(ラテン語で”生体内で”を意味し、マウスなどの実験動物を用い、生体内に直接被験物質を投与し、生体内や細胞内での薬物の反応を検出する試験を指す)にて、インスリン透過促進が確認されている。 また、マウス処置においてはインスリン抵抗性(インスリンが血液中に分泌されていても体内の各組織の反応が鈍いため血糖を下げる働きが充分に発揮されず、“インスリンの効きが悪い”状態を指す)を減少させたとの結果が確認されている。更に糖尿病、メタボリックシンドローム状態の被験者によってインスリンレベル低下が確認されている。 アロエベラゲルの予防利点の可能性を確認するため、炎症試験により、フェノール成分(ペンゼン環とヒドロキシ基により構成された有機化合物)、インスリン応答の耐性・感受性の確認が行われた。 アロエベラとハチミツを用いた実験から、心血管活動、良性前立腺肥大症、慢性前立腺炎、更年期症候群、筋肉機能の向上など、様々な症状の緩和・治療に効果的だという結果が証明された。アロエとハチミツは各国で民間療法として用いられ、現在でもこれらを組み合わせた火傷の治療法が存在する。 最近では、アロエベラの連続摂取が老化現象の軽減など人間の生涯を通じ効果を発揮する旨が示唆されている。その代表格となるのが炎症への効果である。特に、胃腸機能と老化に関連した老化炎症について議論が行われてきたとされている。胃腸機能の評価と適切なサポートは高齢者が抱える慢性的な不調に利益をもたらすように、アロエベラゲル中のアセマンナン(液汁の多糖体に含まれる化合物で、強い免疫賦活作用がある)等非消化性繊維の発酵による酪酸の天然源と食事と加齢性疾患の因果関係の明確化が進んでいる。 アロエベラゲルを含む非カロリー繊維の長期による食事摂取は人間の腸内の微生物構造・活動に影響を与え、特に発酵アロエベラジェル抽出物の日常的な適用が効果を発揮する。健康維持とアロエベラゲルの因果関係を調べた結果、これらは免疫調整剤として効果を発揮する可能性が示唆されるようになった。現在注視されているのは腸内細菌叢の働きで、アロエベラによるユニークな影響と独自の機能が高齢者の健康的な老化に有効であるとの見方がされている。 高齢者の健康的な老化とアロエベラの関係性を探求するにおいて欠かせないのがリーキーガット予防である。リーキーガットとは「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」を指し、腸管壁の粘膜が傷付くことで腸内にある未消化の食べ物・毒素等が血管に漏れ出し、日常的なアレルギー反応・過敏性腸症候群・その他炎症等の症状を引き起こすものである。 ヘアレスマウスにアロエシン治療を行ったところ、血管新生、コラーゲン沈着、肉芽組織形成を誘発することで創傷閉鎖率を加速する他、SmadおよびMAPKシグナル伝達タンパク質の活性化が可能になるという結果が得られた。これにより、アロエシンが治療に効果的である可能性が見えてきたとされている。 きのこチロシナーゼとアロエ葉抽出物の関連性を調べた結果、抽出物中のアロエシンとその誘導体が光老化(太陽光線の影響による老化現象)の防止に有効である可能性が見えてきた。 更にアロエシンの治療の有効性が、ヘアレスマウスを用いた実験の結果、創傷閉鎖率を加速させたことで実証された。 抗炎症効果の比較実験において、アロイン(アントラキノン系の誘導体)、アロエエモジン(アロエベラなど薬用植物に含まれるヒドロキシアントラキノン系化合物、抗癌・抗酸化・抗真菌・免疫賦活の薬理作用に効果があるとされている)を使用。その結果、アロエエモジンの抗炎症作用はアロエ植物抽出物が持つ抗炎症作用の主要部分に当たる可能性があることが示された。 アロエベラジェルが皮膚にアンチエイジング効果をもたらすか調査を実施。結果、アロエベラゲルには光老化により発生したヒトの皮膚のシワと弾力性を大幅に改善する効果があることが判明。具体的な効果としては、アロエベラジェルはコラーゲン産生増加・分解マトリックスメタロプロテイナーゼー1遺伝子発現を減少させるため、皮膚のシワ・弾力性を大幅に改善するといったアンチエイジング効果を発揮するとされている。 加齢性疾患に対しアロエ多糖類がどのような効果を発揮するかは、伝統的かつ一般的な疾患及び動物による臨床実験が行われている。
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