健康の維持
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 02:50 UTC 版)
そもそも、軽度の怪我や軽度の身体的不調の多くは自然治癒力で治るものである。 十分な休養をとり、適切な栄養をとり、適度に身体活動(運動)をすれば自然治癒力(自己治癒力、身体がもともと備えている自己治癒するためのシステム)が活発に働き、身体それ自体が高度なシステムを働かせて細胞レベルでも適切な活動が起き、身体自体が身体を治してくれるのである。これはすでに古代ギリシャの時代から、医学の父ともされるヒポクラテスが説いていたことで、現代にいたるまでこの基本は変わっていない。ヒポクラテスも言っているように、そちらが肝心なのであって、医師がやるべきことはその自然治癒力の邪魔をしないようにすることである。 自然治癒力をないがしろにして、作為的な手法で身体に薬物などを注入するようなことをして自然治癒力を妨害してしまうようなことは邪道なことで、本末転倒だとヒポクラテスの時代から指摘されているわけである。ひとりひとりの人も、本来ならばわざわざ健康を商売のネタにしている人々のところ(しばしば、偽医療を行ってでもいいから金を稼ごうと考えている人々のところ)に行き、料金を払ってまでして、わざわざ自身の自然治癒力を妨害する必要は無く、また(現代人は健康関連業者の宣伝の悪影響でつい忘れがちであるが)本当は、妨害などせず、自然治癒力を根本の柱にするほうが望ましいわけである。 ただし、その人自身も知らず知らずのうちに 自身の自己治癒力を妨害してしまっていることがあるので、そういうことはしないようにしなければならない。つまり、普段から、ひとりひとりが自分の健康に配慮し、自分の生活習慣を管理し、自発的に自己節制を行うこと、つまりセルフケアを行う、ということは必要なのである。例えば次のようなことは基本である。 十分な休養を取ること 適切な栄養を適量とること 適度に運動をすること。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、週あたり2.5時間の中程度の運動を推奨している。 つまり、近年の日本では「生活習慣」と呼ばれるようになっている様々な行為や選択に注意を払い、適切な行為・行動を行う、ということが必要なわけである。 また次のようなことも有意義である。 体重計、血圧計、血糖値計などを用いて、自分の身体の状態を数値で把握する。(メジャーを用いて腹まわりなどのサイズを測ることも意味がある) セルフマッサージを行う 温泉やスパなどで、湯の温度や水圧を用いて身体全体の血液循環を促進する。 すでに持病がある人は、その疾患対策の医薬品を携帯して適宜服用する。 健康に責任を持つには、まず普段から自分の健康に責任を持とうとする意識・自覚が必要で、普段から生活習慣を整え、睡眠を十分にとり、食事内容に気をつけ、適度な運動を行うことが基本になる。たとえば睡眠不足になったら、自分で意識してきっかけをつくり睡眠を十分にとるようにする。食事に関しては(ちょうど子供の学校などで管理栄養士が給食の内容を気にかけてくれるように)自分の食事内容を自分自身で気にかけ、日々の食事内容を意識的に記録し、カロリーの計算や栄養素の検討を行い、特定の栄養素の過不足になったらそれらの量を調整する。また、誰から指摘されなくとも自発的に、運動不足になる前に、普段から自覚的に適量の運動を行う。こうしたことが基本なのである。。日本人は昔から温泉を活用してきた。たとえば身体が不調な場合は湯治場で比較的安価に長期滞在し、身体の不調を自力で治してきた歴史があり、現在でもそれは行われている。
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