アルマ・アタ宣言
1978年9月、旧ソ連邦のカザフ共和国の首都(当時)アルマ・アタに、WHOとUNICEFの主導で、世界の143カ国(134カ国という説もある)、67国際機関の代表が集い、プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)について出された、歴史的な宣言である。アルマ・アタ宣言によれば、「PHCとは、実践的で、科学的に有効で、社会に受容されうる手段と技術に基づいた、欠くことのできない保健活動のことである。PHCは国家の保健システムの中心的機能と主要な部分を構成するが、保健システムだけではなく、地域社会の全体的な社会経済開発の一部でもある。PHCは、国家保健システムと個人、家族、地域社会とが最初に接するレベルであって、人々が生活し労働する場所になるべく近接して保健サービスを提供する、継続的な保健活動の過程の第一段階を構成する。」(高木史江訳)
PHCは以下の4つの原則に立つ(Kaprio)。1)住民のニーズ尊重、2)住民参加、3)地域資源の有効活用、4)包括的保健システムを地域で担うこと。
PHCは少なくとも8つの活動(コンポーネント)を含む。1)保健教育と予防、2)食糧供給と適切な栄養、3)安全な水と衛生、4)家族計画を含む母子保健、5)主要な感染症の予防接種、6)風土病の予防・対策、7)日常的な病気治療とケガの手当て、8)必須医薬品の供給。
宣言はPHCによって、2000年までに世界中のすべての人々に健康を達成できると楽観的な見通しを述べたが、その点では失敗という謗りを受けた。しかし、21世紀においてアルマ・アタ宣言は、MDG(ミレニアム開発目標)や地域保健システムの達成のために不可欠の要請という共通認識が広がりつつある。また日本のような超高齢社会において、PHCは見直されるべきところが大きい。(本田徹)
参考URL:David A. Tejada de Rivero ‘Alma Ata revisited’
http://www.paho.org/English/DD/PIN/Number17_articl...
アルマ・アタ宣言
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アルマ・アタ宣言(アルマ・アタせんげん、英語: Declaration of Alma-Ata)は、1978年9月6日から12日にかけて現在のカザフスタン共和国アルマティ(当時は、ソビエト連邦アルマ・アタ)で開催された第一回プライマリ・ヘルス・ケアに関する国際会議(WHO、UNICEF主催)で採択された宣言文[2]。 すべての政府、保健・開発従事者、世界の市民社会が、世界中のすべての人々の健康を守り促進するため、至急のアクションをとる必要性を強調した。本宣言はまた、プライマリ・ヘルス・ケア (PHC) の大切さを明確に示した最初の国際宣言でもある。本宣言以降、PHCアプローチは、「すべての人々に健康を」 (Health For All:HFA)イニシアティブの目標達成の鍵として世界保健機関加盟国に受け入れられてきた。
- ^ “Alma-Ata Declaration (Alma-Ata, 21 December 1991)” (英語). CVCE Centre for European Studies. 2013年8月9日閲覧。
- ^ “Declaration of Alma-Ata(アルマ・アタ宣言原文)” (PDF) (英語). WHO. 2009年10月14日閲覧。
- ^ WHO. WHO憲章における健康の定義。同定義がアルマ・アタ宣言においても再確認された。 World Health Organization; 2006
- ^ 2007年11月、中国農村地域で開かれたPHCに関する国際セミナーにおけるマーガレット・チャン博士の基調講演
- ^ いのち・開発・NGO 子供の健康が地球社会を変える David Werner 著 池住 義憲訳 新評論
- 1 アルマ・アタ宣言とは
- 2 アルマ・アタ宣言の概要
- 3 関連項目
アルマ・アタ宣言(全文)
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