アルマ・アタ宣言とプライマリ・ヘルス・ケア
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「国際保健」の記事における「アルマ・アタ宣言とプライマリ・ヘルス・ケア」の解説
こうした草の根型の活動の成功は、従来の病院中心モデルの失望的な結果とは対照的であった。開発や保健の専門家は、こうしたコミュニティ中心の保健プログラム (Community-based Health Program; CBHP) を国家の保健医療サービスに適用することを考えるようになった。こうした流れの下で、1978年、カザフスタンのアルマ・アタ(現アルマティ)で開催された WHO、UNICEF の合同会議で、その後の保健医療政策の基礎となる歴史的な宣言「アルマ・アタ宣言 (Alma Ata Declaration)」が決議された。この会議で、当時のWHO事務局長マーラー博士は次のように演説を行った。 世界の健康資源の多くは少数の限られた人々へのサービスと、それに必要な医学、医療の研究開発に向けられており、大多数はこの恩恵の外で日々様々な病気で苦しんでいる。・・・世界には基本的ヘルスケアサービスすら受けられない人々が数十億人おり、保健医療はこれらの人々が健康を改善し、生産的な生活を送れるようにすることを第一に追求しなければならない。」 そのための方策として「プライマリ・ヘルス・ケア(Primary Health Care; PHC)」を提唱し、社会生活における健康の重要性と、それを実現するための社会システムの構築を求めたのである。プライマリ・ヘルス・ケア戦略は、その後、1986年にヘルスプロモーションに関するオタワ憲章によって「Health for All by the Year 2000 and beyond」のための具体的アクションプランとしてまとめられた。
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