せん妄(せんもう)
せん妄
せん妄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 12:00 UTC 版)
せん妄(譫妄、せんもう、英: delirium)とは意識混濁に加えて奇妙で脅迫的な思考や幻覚・錯覚が見られるような状態。健康な人でも睡眠中に強引に覚醒されると同症状が発生する場合がある。特に集中治療室(ICU)や冠疾患集中治療室(CCU)で管理されている患者によく発生するとされる[1]。医学用語としての具体的な定義はあるものの、あらゆる種類の錯乱状態を総称する言葉として使用されることもしばしばある[2]。
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せん妄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/31 05:57 UTC 版)
麻酔からの覚醒時にせん妄と呼ばれる意識変容が起こることがある。大半の患者はせん妄を覚えており、苦痛な経験だったとの調査報告がある。せん妄は意識障害だから覚えていない、というのは全くの誤解である。 注意を向け、集中し、維持し、他に転じる能力や、環境認識の障害がある。 その障害は短期間のうちに出現し、1日のうちで重篤さが変動する傾向がある。 新規の認知機能障害の発現がある。(記憶欠損・見当識障害・言語障害・知覚障害・視空間能力障害など) AとCの障害は、既存の、確立された、あるいは発症しつつある認知症では十分に説明できず、昏睡など重篤な覚醒水準の低下を背景に生じたものではない。 その障害が、別の身体疾患、物質の中毒・離脱、毒物への暴露などの直接的な生理学的結果によるものか、複数の病因により引き起こされたものである。 A–Eをすべて満たすものをせん妄と診断する。 — せん妄delirium DSM-5 診断基準 せん妄は、軽度ないし中等度の意識混濁に活発な精神運動興奮が加わるもので、幻視を中心とした幻覚、錯覚、不安、妄想が次々に現れる。その間外界の刺激は、ある程度受け入れられるが、多くは後に強い健忘を残す。 せん妄の要因を 直接因子(例:薬物、臓器障害、代謝異常) 誘発因子(例:入院環境、ライン・モニター類、酸素投与・間欠的空気圧迫法、身体抑制) 準備因子(例:年齢、認知症・脳梗塞。パーキンソン病などの基礎疾患) の三つに分けるととらえ易い。 高度侵襲手術により、患者の身体は大きな負担を必然的にうける。長時間手術は薬剤の投与量が増えるとともに、体内では薬物の移行に時間がかかる臓器に徐々に薬物が蓄積される。蓄積された薬物は投与中止後も血液中に移行し作用が遷延する。 中枢神経系の手術は意識そのものに影響を与える場合がある。また広範囲に操作が及ぶ手術も侵襲が大きく、覚醒遅延の要因となる。
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せん妄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 18:29 UTC 版)
詳細は「せん妄」を参照 せん妄は、脳に直接負荷がかかるような状況下で起こり、主に覚醒水準の低下、見当識障害などの意識障害が突如発生する。経過は短いが、命に関わることもある。痴呆と重なる部分が多いため、高齢者の軽い意識障害は仮性痴呆と呼ばれる。
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