認知障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/16 01:41 UTC 版)
認知障害(にんちしょうがい、英語: Cognitive disorders)とは、精神疾患の一種。
主に学習、記憶、理解、問題解決に障害をきたしている状態であり、健忘、認知症、せん妄などの疾患が含まれる。不安障害、気分障害、精神病においても認知や記憶の不全をもたらすが、DSM-IV-TRではこれらでは認知機能問題が主な症状ではないため、認知障害には含まれないとしている[1] 。
原因は種類によってさまざまではあるが、最も多いケースは脳の記憶部へのダメージである[2][3][4]。治療法は原因によって異なる。薬物やセラピーは最も一般的であるが、種類によっては鎮静はできても治療方法が存在しないことがある(健忘など)[3][4]。
分類
せん妄
せん妄は、脳に直接負荷がかかるような状況下で起こり、主に覚醒水準の低下、見当識障害などの意識障害が突如発生する。経過は短いが、命に関わることもある。痴呆と重なる部分が多いため、高齢者の軽い意識障害は仮性痴呆と呼ばれる。
認知症
認知症は、加齢もしくは外傷によって引き起こされ、患者の記憶が一部または全体が忘れ去られる。老年期においては一般的であるが、それに限定されない。また、認知症によって別種の認知障害が引き起こされることも珍しくはない[1]。加齢による認知症は不可逆なものであるため、記憶と認知の機能低下は生涯的なものである[1]。なお、ミニメンタルステート検査 (MMSE) などにより、スクリーニングが可能である[1]。
健忘
健忘症の患者は長期記憶を保つことに障害がある。前向性健忘とは、直近の出来事を記憶することが困難な状況であり、これは脳の海馬を損傷した場合に一般的である[4]。逆向性健忘も海馬の損傷によって引き起こされるが、これは過去の記憶が欠乏している状況である[4]。
脚注
出典
- ^ a b c d Guerrero, Anthony (2008). Problem-Based Behavioral Science of Medicine. New York: Springer. pp. 367–79
- ^ Torpy, Janet (2008). “Delirium”. The Journal of the American Medical Association 300 (19).
- ^ a b Torpy, Janet (2010). “Dementia”. The Journal of American Medical Association 304 (7).
- ^ a b c d Cicerelli, Saundra. Psychology. Upper Saddle River: Pearson Prentice Hal
外部リンク
- 認知障害に対するリハビリテーション - ウェイバックマシン(2014年9月6日アーカイブ分)
認知障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 14:55 UTC 版)
特発性正常圧水頭症患者では軽症でも精神運動速度が低下し、注意機能、作動記憶(ワーキングメモリー)が障害される。また記憶障害も初期から認められるが、軽症の患者では記憶の自由再生の障害と比較すると、記憶の再認は保たれていることが多い。また語想起検査(語列挙検査)でも低下を認める。これらの特発性正常圧水頭症で障害されやすい機能は前頭葉と密接に関連する機能である。重度の特発性正常圧水頭症では、全般的な認知障害を呈するようになる。全般的な認知障害を認める患者は罹患期間が長く、重度の運動障害を認める。アルツハイマー病と比較して特発性正常圧水頭症では見当識障害と記憶障害は軽症であるが、注意障害、精神運動速度の低下、語想起能力の障害、遂行機能障害などの前頭葉機能障害が目立つ。脳脊髄液排除前に複数回認知機能検査を行っても、学習効果はみられない。特発性正常圧水頭症では手術を受けなければ全般的な認知障害が進行する。特発性正常圧水頭症の認知機能障害の発現機序に関しては不明であるが、歩行障害の発現と共通の機序を有する可能性が指摘されている。これまでの認知障害との関連が指摘されている領域としては脳梁、上前頭回、前部帯状回を含む前頭葉内側部、線条体がある。MMSE、FAB、TMTのA課題、WAIS-Ⅲなどがよく特発性正常圧水頭症の評価で行われる。
※この「認知障害」の解説は、「特発性正常圧水頭症」の解説の一部です。
「認知障害」を含む「特発性正常圧水頭症」の記事については、「特発性正常圧水頭症」の概要を参照ください。
「認知障害」に関係したコラム
-
CFDの口座を開設する時には、CFD業者の提示する契約書に同意しなければなりません。契約書には、銀行に口座を作る時や商品を分割で支払う際のクレジット契約の時などと同様に細かく取引時のルールが明記されて...
- 認知障害のページへのリンク