「興奮せん妄」との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 16:03 UTC 版)
「テーザー銃」の記事における「「興奮せん妄」との関係」の解説
テーザー銃を撃たれた後に死亡した人間については、たびたび興奮せん妄(Excited delirium)、すなわちせん妄や精神運動性激越、不安状態、幻覚、言動の乱れ、暴力的な奇行、痛みに対する無感覚、高体温、膂力の増大といった様々な症状が組み合わさった状態であると診断されることがある。興奮せん妄の状態にある人間は、警察による拘束やテーザー銃の使用などにより、心停止や呼吸困難を起こし突然死[要曖昧さ回避]する場合がある。主に重度の精神障害を持っていたり、常習的な薬物乱用、特にコカインなどの精神刺激薬を使っていたりする男性が、興奮せん妄を起こす人間の主要な割合を占めているとされる。アルコール離脱症候群や頭部外傷により引き起こされる場合もある。 この興奮せん妄という診断傾向については論争がある。近年では複数の監察医が、主に検死の際の除外診断の結果として興奮せん妄を死因の一つとして認めている。学術的には、興奮せん妄に関する議論は法医学の文脈に限られており、生存した患者の観察データが限られているという問題がある。この点においていくつかの自由権運動グループは、容疑者を監禁し死に至らしめた法執行機関が「興奮せん妄」という死因を「言い訳と免罪符」として使っており、しかもそれは容疑者個人を煽り拘束する「陰謀あるいは残忍性のもみ消し」である可能性があると主張している。 Also contributing to the controversy is the role of TASER device use in excited delirium deaths. アメリカ精神医学会が発表している『精神障害の診断と統計マニュアル』には2010年時点で興奮せん妄に関する記述がみられないが、全米監察医協会やAmerican College of Emergency Physiciansは2009年の白書でICD-9内に「興奮せん妄」にあたるものが存在していると述べ、その存在を認めている。American College of Emergency Physiciansは、「興奮せん妄が法執行機関の強制力使用の言い訳のために『でっち上げられた症候群』である」という「説を却下」している。
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