国産み
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 18:34 UTC 版)
国生み/国産み[注 2](くにうみ)とは、日本神話を構成する神話の一つで、日本の国土創世譚である。国生み神話ともいう[8]。 イザナギとイザナミの二神が高天原の神々に命じられ、日本列島を構成する島々を創成した物語である[9]。
注釈
- ^ a b c 天地創造の神話(cf. 創造神話)でいう「混沌/渾沌(こんとん)」とは、天と地がまだ分かれておらず、混じり合っている状態。ギリシア神話でいう「カオス」も類義。[2]
- ^ 仮名交じりの現代表記としては「国生み」と「国産み」の2種類がある。『古事記』は「以爲生成國土生奈何」と記しているので、同書に準拠した表記は「国生み」ということになる。神社本庁[4]を始め、"当事者"たる二神を祀る伊弉諾神宮[5]と多賀大社[6]も、「国生み」と表記している(※碑文などで旧字体であったりはする)。研究者では岡本雅享(社会学者)[7]なども例に挙げておく。
- ^ 「天降る(あもる)」は「天降る(あまおる)」の転訛形で[13]、「天上から下界へ降りる」の意[13]。
- ^ ここでの「見立てる(みたてる)」は、「しっかり見定めて立てる」の意[14]。
- ^ a b 『古事記』だけを取っても上代日本語の「妹(いも)」には複数の語義があるが、ここ(国生み)では、男性から「結婚の対象となる女性」または「結婚相手の女性」を指す語であって、「妹(いもうと)」や「同腹の姉妹」のことではないとされる[15]。したがって、これを現代語に訳すに当たって「妹(いもうと)」とするのは正しくなく、控えめに言っても言葉が全然足りない。本項では単に「二神のうちの女の神のほう」という意味しかもたないよう「女神」と訳した。国生みに際して妻となった伊耶那美命は妹であったかもしれないが、そうでなかったかも知れず、それについて神話は何も語っていない。
- ^ 「みと」の「み」は敬意の接頭語、「と」は男性、女性の「陰部」。「まぐはひ」は男女の「目合(まぐわい)」、すなわち「男女の関係を結ぶこと」「性交」を意味する。[18]
- ^ 歴史的仮名遣では「アハシマ」、現代仮名遣いでは「アワシマ」
出典
- ^ a b c d “Izanami and Izanagi Creating the Japanese Islands”. official website. Museum of Fine Arts, Boston. 2019年10月17日閲覧。
- ^ “混沌・渾沌”. コトバンク. 2019年10月21日閲覧。
- ^ a b 「伊弉諾神宮で日本遺産記念の石碑除幕式 淡路島」『産経デジタル』産業経済新聞社、2017年9月24日。2019年10月17日閲覧。
- ^ 神社本庁
- ^ 伊弉諾神宮 由緒
- ^ 多賀大社 由緒
- ^ 岡本 2010.
- ^ 平凡社『世界大百科事典』第2版. “国生み神話”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ “国生み”. 2020年6月26日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “大八島・大八洲”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 戸部 2003, p. 16.
- ^ a b 戸部 2003, pp. 17–18.
- ^ a b “天降る”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “見立”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “いも【妹】 - 妹”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “天の御柱”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “八尋殿”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』、ほか. “みとのまぐわい”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ “あなにやし”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ “愛男”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』、ほか. “天の磐樟船”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 戸部 2003, pp. 18–20.
- ^ 戸部 2003, pp. 20–21.
- ^ 戸部 2003, pp. 21–22.
- ^ “大日本豊秋津洲”. コトバンク. 2019年10月22日閲覧。
- ^ 『日本書紀』坂本太郎ほか、岩波書店〈日本古典文学大系67〉、1967年3月31日、543頁。ISBN 4-00-060067-2 。。
- ^ a b c 吉田 2007, pp. 113–117.
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