《雲母》の正しい読み方
「雲母」の正しい読み方
「うんも」、「うんぼ」、「きらら」、「きら」と読む。「雲母」の意味解説
雲母とは、ケイ酸塩鉱物の総称である。火成岩や変成岩、たい積岩などの中に広く分布し、層状になっている板状結晶なので、鉱物でありながら薄く平らにはがすことができる。耐熱性があり通電しにくい性質から、工業用の耐熱絶縁材料として広く利用されている。また光沢が強い特性があるので、パウダー状に加工したものを化粧品に使用したり、車などの塗装の顔料などに使用したりすることで、キラキラした効果を得ることができる。なぜ「雲母」と読むのか・理由
「雲母」の「雲」は、音読みで「ウン」と読む。「母」は、音読みで「ボ」「モ」「ボウ」と読む。合わせて「うんも」、「うんぼ」と読まれる。「きらら」「きら」と読むのは熟字訓と呼ばれる読み方で、2字以上の漢字の組み合わせである熟字に訓読みをあてて読んでいる。光沢がある鉱物である雲母がキラキラしている様子から、「きらら」「きら」と呼ばれるようになったという由来がある。「雲母」の類語・用例・例文
「雲母」に類語は無いが、白雲母や黒雲母、金雲母など様々な雲母の種類がある。「雲母」の用例・例文
みちをあるいて黄金いろの雲母(うんも)のかけらがだんだんたくさん出て来ればだんだん花崗岩に近づいたなと思うのだ。(宮沢賢治「インドラの網」より)
表面に削り出しのような軽く捲く紅いろの薄雲が一面に散っていて、空の肌質がすっかり刀色に冴えかえる時分を合図のようにして、それ等の雲はかえって雲母(うんも)色に冴えかえって来た。(岡本かの子「金魚繚乱」より)
それらの壁や床や天井に、星のごとくキラキラ光っているのは雲母(うんぼ)なのだろうか。(横溝正史「悪霊島」より)
荒れはてているが、古ぶすまの白蓮には雲母(きらら)のおもかげが残っていた。古風な院作りの窓から青い月影がしのびやかに洩れている。(吉川英治「鳴門秘帖剣山の巻」より)
白地に雲母(きら)の桐の紋のある襖が外の明りを一杯に反射しているので、室内に暗い隈が一つもなく、空気が隅々まで透き徹っていて、貞之助のくゆらす煙草の煙がくっきりと一つ所に環を作っている。(谷崎潤一郎「細雪」より)
「雲母」の英語用例・例文
雲母は英語で「mica」と表す。例文
Pegmatites are composed of quartz, feldspar, mica, and very minor titanium oxide minerals.(ペグマタイトはほとんど石英、長石、雲母から構成されるが、チタン鉱物を伴うことがある。)
Soaps color is added with mica, clays and oxides.(石けんは、雲母、粘土、酸化物で色付けされています。)
where emerald crystals are found near the contact of mica schists and pegmatite and quartz veins.(このエリアでは、雲母片岩とペグマタイト、クオーツ鉱脈の接触面の近くでエメラルド結晶が発見されています。)
《雲母》の正しい読み方
「雲母」の正しい読み方
「雲母」は「うんも」、あるいは「きらら」と読む。「うんぼ」という読み方も一応あるが、あまり一般的な読み方とはいえない。
「雲母」の意味解説
「雲母」はアルミニウム、カリウム、ナトリウム等を成分に含んだケイ酸塩鉱物の名称である。酸性火成岩や変成岩に多く含まれる。花崗岩や片麻岩を構成する鉱物である。雲母は含有成分によって「白雲母」と「黒雲母」に大別される。白雲母にはアルミニウムが多く含まれ、黒雲母にはマグネシウムが多く含まれる。
雲母は薄く剥がれる性質があり、多くは六角形の板状結晶で構成されている。耐熱性が高く電気を通しにくい性質があるため、電気製品の絶縁体や加熱部分の保護材として活用されている。細かい粉末状に加工した雲母を塗料に混ぜ、絶縁作用を持たせる使い方もある。
雲母は含有成分の性質上、光を反射してきらびやかに輝く。
なぜ「雲母」というのか・理由
「雲母」という名称は、古代中国において「雲母は雲を発生させる山でしか産出しない」と信じられていたことに由来するという。
「雲母」を普通に音読みすれば「うんぼ」となる。実際「雲母」は「うんぼ」とも読む。
「母」を「も」と読むのは慣用読みである。「母」を「も」と読む例は、「雲母」以外にも「鬼子母神(きしもじん)」などの例が挙げられる。「雲母」も「うんぼ」よりは「うんも」の方が読みやすかったのであろう、「うんも」が主な読み方として定着して今に至る。
日本では古来、雲母を「千枚はがし」と呼んだ。これは雲母の「薄く剥げる」性質に由来する。
「雲母」の類語・用例・例文
「雲母」の類語・言い換え表現には「うんぼ」「きらら」「マイカ」などが挙げられる。「うんぼ」は雲母の古い読み方であり、現在でも「うんぼ」と読むことがある。
「きらら」は雲母の別名・異称である。光を反射してキラキラと光る特徴に由来すると考えられる。
「マイカ(mica)」は雲母の英語名である。産業の分野では、素材としての雲母を「マイ歌」と呼ぶことがある。乗用車の外装色における「~マイカ」という名称は、光輝材を含んだ塗装に用いられることが多い。
「雲母」の英語用例・例文
「雲母」の英語表記は「mica」である。読み方は「マイカ」であり、ラテン語の「micare」を語源とする。- 《雲母》の正しい読み方のページへのリンク