《雇入》の正しい読み方
「雇入」の正しい読み方
「雇入」は日常会話で頻繁に用いられる言葉ではないが、漢字の組み合わせでだいたいの意味は想像がつく。しかし、正しい読み方となると「こにゅう」や「こいれ」、「こいり」など、間違った読み方をしている人もいるだろう。「雇入」の正しい読み方は「やといいれ」である。「雇入」の意味解説
「雇入」は賃金を払って人を雇うという意味の「雇」と、外から内側に入るという意味の「入」という漢字で成り立っている熟語である。そのため、「雇入」には人を雇うという意味がある。ただし、継続的に雇うという意味ではなく、新しく人を雇い入れるという意味で使用されている。継続的に雇う時は「雇用」が用いられる。なぜ「雇入」と読むのか・理由
「雇入」の「雇」の音読みは「こ」、訓読みは「やと-う」で、「入」の音読みは「にゅう・じゅう・じゅ」、訓読みは「い-る・はい-る」である。本来は「雇入」を「やといいれ」と読む場合は「雇い入れ」のように送り仮名が必要であるが、送り仮名を省いて慣用的に「やといいれ」と読まれている。「雇入」の類語・用例・例文
「雇入」の用例・例文・雇用者は常時雇用の従業員の雇入時には、医師による健康診断を実施することが義務付けられている。
・雇入通知書が届き、希望の会社に就職できたことを喜んだ。
「雇入」の類語
・雇用(こよう)
・採用(さいよう)
・召し抱える(めしかかえる)
「雇用」の用例・例文:人を雇い入れること
・最終面接に合格し、晴れて第一希望の会社に雇用された。
・契約社員として半年の雇用契約を結んだ。
「採用」の用例・例文:組織が人を雇うこと
・MBAを取得していたため、競争率の高い外資系企業に採用された。
・それぞれの会社によって採用基準が異なるため、就活の時は対策を練る必要がある。
「召し抱える」の用例・例文:給料を与えて使うこと
・彼は王子の家庭教師として召し抱えられた。
・剣術大会で優勝した者が王の家来として召し抱えられる。
これらの類語は「雇入」と類似する意味ではあるが、全く同じ意味で使用することはできない。
「雇入」の英語用例・例文
「雇入」は英語で「employment(雇入・雇用)」や「hire(雇入・雇用)」と表現される。「employment(雇入・雇用)」の用例・例文
・The new factory will provide employment for about a hundred local people.(新しい工場は地元の人を100人ほど雇入する)
・Laws that have encouraged the employment of women was enforced.(女性の雇入を促進する法律が施行された)
「hire(雇入・雇用)」の用例・例文
・She had very little office experience, so the company wouldn't hire her.(彼女はオフィスでの経験がほとんどなかったので、雇入は適わなかった)
・We hired someone to clean the office once a week.(私たちは週に一度オフィスを掃除する人を雇入した)
《雇入》の正しい読み方
「雇入」の正しい読み方
「雇入」は「やといいれ」と読む。「雇い入れ」から送り仮名を省いた言葉と考えるとよい。「雇入」の意味解説
「雇入」とは、人を雇用して働き手とすること。事業主が人を雇用する際には遵守すべき各種の法律があり、それぞれに「雇入」の表記が用いられている。労働基準法第15条に示された労働条件の明示に基づく「雇入通知書」の発行、労働安全衛生法第59条に示された「雇入教育」の実施、労働安全衛生法第66条に示された「雇入時健康診断」の実施などがそれである。なぜ「雇入(やといいれ)」と読むのか・理由
「雇入」を「やといいれ」と読むのは、法律上の専門用語として定着しているため。常用漢字表によれば「雇」は「やと(う)」、「入」は「い(る・れる)」と読み方が示されているため、本来は「雇い入れ」と送り仮名を送る必要がある。しかし、1981年に内閣告示第3号によって一部改正された「送り仮名の付け方」の通則6の「許容」に「読み間違えるおそれのない場合は、送り仮名を省くことができる」と示されていることを根拠に、法令においてすでに定着して使用されている漢字等については送り仮名を省略するとした。「雇入」もその一つであり、これによって「雇入」を「やといいれ」と読む。「雇入」の類語・用例・例文
「雇入」の類語には、「採用」「雇用」のほか、礼をつくして招き雇うことを意味する「傭聘(ようへい)」、人を雇って使うこと、もしくは人に雇われて使われることを意味する「傭役(ようえき)」などがある。「雇入」の用例としては、「警官に依頼し轎夫の雇入を命令的に誘導的に周旋してもらったが、しばしは一人の応ずるものもなく、雨曝しになって進退谷まった(「自警録」新渡戸稲造)」、「神が汝に与えし貧ちょう好機械を利用して汝の徳を高め汝の家を清めよ、快楽なる「ホーム」を造るに風琴の備附、下婢下男の雇入を要せず(「基督信徒のなぐさめ」内村鑑三)」、「それによって国から雇い主に対して、雇入通知書を交付しなさい、就業規則を作成しなさい、有給休暇を与えなさいっていう指導がなされてるわけなんですよ(「邪魔」奥田英朗)」などが見られる。
「雇入」の例文としては、「雇入時健診は事業者の義務だ」、「新規採用者等の雇入安全衛生教育のプログラムが完成した」、「労働安全衛生法に基づく雇入時教育を実施する」などを挙げることができる。
「雇入」の英語用例・例文
「雇入」を英語で表現すれば「employment」となる。用例・例文としては「I was mailed a hiring notice from the place of employment I'd hoped for(私が希望していた就職先から雇入通知書が郵送されてきた)」、「Continuous service terms counting from the employment day(雇入の日から起算した継続勤務期間)」、「For a worker who has been employed for less than 3 months, the period under paragraph (1) shall be the period of his or her employment(雇入後三箇月に満たない者については、第一項の期間は、雇入後の期間とする)」などを挙げることができる。- 《雇入》の正しい読み方のページへのリンク