《障碍者》の正しい読み方
「障碍者」の正しい読み方
読み方:しょうがいしゃ「障碍者」を「しょうとくしゃ」と読むのは誤りである。「碍」という字に「とく」という読み方はない。
「障碍者」の意味解説
「障害者」や「障がい者」とも表記されることがある「障碍者」は、身体に何らかの障害を持つ人のことをいう。足に障害を持つために車椅子で生活している人や、目に障害を持つために白い杖を使用したり盲導犬とともに行動したりしている人を想像しやすいが、知的障害や精神疾患を有する精神障碍者も含まれる。「碍」は常用漢字ではないため、常用漢字である「害」を使用する団体もあるが、「害」には「害虫」や「公害」などのネガティブなイメージもあるため、人に対して「害」は使用すべきではないという意見もある。また、訓読みで「さまた」と読める「碍」には「妨げる」という意味があり、「ハンディキャップが社会生活を送る妨げになっている人」という意味を込めて「障碍者」という字が使用されている。
「害」や「碍」の字に左右されないための表記方法として、ひらがなを使用した「障がい者」がある。ちなみに、「障害」は中国では「障碍」と表記し、「邪魔をする」や「さまたげる」という意味である。
なぜ「障碍者」と読むのか・理由
「障」は音読みで「ショウ」、訓読みで「さわ」と読む。「ふせ」や「へだ」という読み方は表外読みである。いっぽうで「碍」の音読みは「ガイ」と「ゲ」。訓読みは「さまた」である。「さしつかえる」や「さまたげになる」という意味のある「障」と、「さまたげる」や「じゃまをする」という意味のある「碍」が結びついて「障碍」という単語が出来上がった。「者」を「シャ」と読むことも含めて、典型的な音読みの単語である。また、「障碍」を「ショウゲ」と読むと、「障害」という意味のほかに、「仏教で悟りの妨げになるもの」という意味も持つことになる。
「障碍者」の類語・用例・例文
「障碍者」の類義語としては、「身体障害者」や「身障者」、あるいは「体の不自由な人」とう言い方がある。特に「体の不自由な人」は、「障碍」や「障害」、「障がい」という単語自体を使用することに抵抗を感じる人に好まれる言い方だ。「障碍者」の使用例は「障害者」や「障がい者」と大きな違いはなく、「健常者は、障碍者用駐車スペースに車をとめないでください」のように用いる。「障碍者」の英語用例・例文
「障碍者」は英語で、「a disabled person」や「a handicapped person」、「an impaired person」障碍は「disabilities」という。「hearing-impaired」で「聴覚障害のある」や「耳の聞こえない」という意味で、「a visually-impaired person」で「視覚障害のある人」という意味である。例文としては、「Do not discriminate against people with disabilities.(障碍者を差別してはいけない。)」となる。ただし、「impaired」には「酒に酔った」という意味もあるため、「an impaired driver」で「飲酒運転のドライバー」という意味になる。
《障碍者》の正しい読み方
「障碍者」の正しい読み方
「障碍者」は「しょうがいしゃ」と読む。「障害者」の異表記であり代替表記である。「碍」の字は常用外漢字(表外漢字)であるため、「障がい者」と表記される場合が多い。
「障碍者」の意味解説
「障碍者」とは、心身に障碍のある人のこと。障害者基本法によれば「身体障害、知的障害又は精神障害があるため長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」をいう。このうち、身体障碍とは、視力や聴覚、または平衡機能の障碍や、音声・言語・租借機能に障碍があるほか、心臓、腎臓、呼吸器に重篤な障碍があること、肢体不自由な状態であることをさす。精神障碍とは、統合失調症や精神作用物質による中毒や依存症、知的障碍などをいう。身体に障碍のある人で、都道府県知事から「身体障害者手帳」の交付を受けている18歳以上の人は「身体障碍者」として認定される。なぜ「障碍者(しょうがいしゃ)」と読むのか・理由
「障碍者」の「障碍」はもともと仏教用語で「しょうげ」と読み、「ものごとの障りとなること」などの意味で用いられていた。「碍」は「げ」のほかに「がい」とも読むことから、明治時代になって「しょうがい」と読む事例が現われはじめ、「しょうげ」「しょうがい」が併用される期間が続いたが、1946年に当用漢字が制定された際、「碍」の字が当用漢字にもれたため、「ものごとの障り」という同じ意味を持つ「害」が代用された。これにより「障害」という表記が定着するとともに、読み方も「しょうがい」に固定された。当用漢字が制定された3年後の1949年、身体障害者福祉法が成立したことで、法律上「障碍者」は「障害者」と書き表し、「しょうがいしゃ」と表記することが確定、これ以降、報道なども含めて公用文ではこの表現と読み方を採用している。ただし、「障害」の「害」が他に害を及ぼすという意味が強いことから、障害者に用いるのは適切な表記ではないという意見が強まり、「障害者」ではなく「障碍者」に表記を戻そうという提言も広まっていることから、2022年現在、一部の自治体、企業、団体では「障碍者」を採用しているところもある。
「障碍者」の類語・用例・例文
「障碍者」の類語には、「身体障害者」「身障者」「体の不自由な人」などがある。- 《障碍者》の正しい読み方のページへのリンク