《隷属》の正しい読み方
「隷属」の正しい読み方
「隷属」の読み方は「れいぞく」である。読み方を混同しがちな類義語として「隷従(れいじゅう)」や「従属(じゅうぞく)」、「服従(ふくじゅう)」が挙げられる。その他、ごくまれに「みうち」と読む例が、幸田露伴が1892年に発表した小説『五重塔』などに見られる。「隷属」の意味解説
「隷属」は、他人や他国の支配を受けて、その言いなりになることを示している。また、言いなりになっている部下、手下そのものを指す場合もある。「隷」には「したがう」、「お供としてつく」、「しもべ」という意味があり、例えば「奴隷」という言葉にも使用される漢字である。「属」にも同じく「したがう」という意味や、「仲間」、「部下」という意味合いがある。これらの字義を合わせ、「隷属」は他者にしたがう部下、またはしもべとなることを意味する。なぜ「隷属」と読むのか・理由
「隷」は音読みで「レイ」、訓読みで「したが(う)」、「しもべ」という読み方がある。また、「属」には音読みで「ゾク」、「ショク」、音読みで「つ(く)」、「やから」と読む。「隷属」はそれぞれの音読みを組み合わせて、「れいぞく」と読む。「隷属」の類語・用例・例文
「隷属」の同義語としては「隷従」や「事大」、「服属」が挙げられる。また、類義語として「従属」、「服従」がある。「隷属」との違いとしては、「隷属」がある人・国などに支配・強制されて言いなりにならざるを得ない状況を指すのに対し、「従属」は強い者の下にしたがうものの、困ったときにはその従属先に頼るというニュアンスがある。そして、「服従」は自らそうしたいという意志を持って他者の命令のままに行動するという場合に用いる。例えば、「職場の先輩に服従する」など、その人にしたがわないという選択肢もある状況で、したがおうという意思を持って行動することを「服従」という。「隷属」は名詞、あるいは「~する」というサ変系動詞の形で使用することができる。例えば、名詞としての用法では「帝国に隷属を強いられる」、動詞としては「王に隷属する召使」という例が挙げられる。
「隷属」の英語用例・例文
「隷属」の英訳は"subordination"となる。また、「~を隷属させる」は"subordinate to ~"(「サボーディナトゥトゥー」と発音)、「~に隷属する」は"be subordinate to ~"(「ビーサボーディネイトゥトゥー」と発音、前述と綴りは同じだが発音が異なるので注意が必要である)、"be under the rule of ~"と表す。例えば、「帝国は近隣諸国を隷属させた」は"The empire subordinated to its neighboring countries."となる。なお、「服従」は"obedience"、フォーマルな表現として"submission"が挙げられる。「服従する」は"obey"、"be obedient to~"、やや固めの表現として"submit to ~"などの訳語がある。
《隷属》の正しい読み方
「隷属」の正しい読み方
「隷属」の読み方は「れいぞく」。「隷」は基本的に「レイ」と読む字と捉えてよい。「隷属」の意味解説
「隷属」は、他者に支配され服従する・言いなりになる、という意味で用いられる語。要するに、支配者に対する被支配者の関係である。「隷属」と表現される例の典型としては、植民地と本国との関係、奴隷と主人の関係、あるいは農奴と領主との関係、などが挙げられる。
「隷属」は、「部下が上司に従う」くらいの意味合いで用いられることもある。上司の指揮を受けてその通りに動く、配下となって上の言うことをきく、というような支配の形も「隷属」と表現しうるわけである。
なぜ「隷属」を「れいぞく」と読むのか・理由
隷属(れいぞく)は、漢字をそれぞれ素直に音読みする語である。「隷」も「属」も、それぞれ「従う」という意味合いの字である。つまり「隷属」は、「巨大」とか「比較」「海洋」などと同様、ほぼ同義・類義の字をふたつ並べて熟字を構成しているタイプの語彙である。
「隷属」の類語・用例
「隷属」の類語としては「隷従」「服従」「帰属」「所属」などが挙げられる。「隷従」は、ほぼ「隷属」の同義といえる語。ただし「属する(所属)」か「従う(服従)」かという部分に差異を見出すことはできる。
「服従」は「他者に従う」といった意味の語。服従する(支配される)側が積極的に他の命令に従おうとする、という状況を形容する場合にもよく用いられる。
「帰属」や「所属」は、主従関係もしくは全体と部分の関係にある、という点で「隷属」と共通するが、「隷属」が意味するような一方的な力関係・支配関係を意味するとは限らない。
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